自覚症状がないからこそ怖い「脂肪肝」を自力で改善する方法4つ

 

肥満気味の方なら一度は耳にしたことがある「脂肪肝」。一般的によく耳にする言葉ですし、注意しなければと思っていても、実はあまりよく脂肪肝について知らないという方も多いのではないでしょうか。

脂肪肝には一般的に自覚症状がないといわれているため、軽く考えている方も多いようですが、甘く見ていると大変なことになることもある恐ろしいものです。そこで今回は実はあまり詳しく知られていない、自覚症状がないといわれている脂肪肝を自力で改善する方法をご紹介します。

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「脂肪肝」って何?

脂肪肝とは、簡単にいうと肝臓に脂肪が異常なほどたまっている状態のことを指します。

この「異常なほど」というのは、肝細胞の30%以上を指します。健康診断などで肥満と診断された方の約20~30%の方に脂肪肝が認められます。

肝臓はエネルギー源として脂肪を作り出し、肝細胞に蓄積しています。作られた脂肪と消費するエネルギーの関係が同じくらいであれば問題ないのですが、作られた脂肪よりも消費するエネルギーの方が少なくなると、脂肪はどんどん肝細胞に蓄積されてしまうことになります。

肝臓は腎臓とともに「沈黙の臓器」といわれていますが、脂肪肝になっても自覚症状はほとんどありません。健康診断などで指摘されて脂肪肝だと知る方がほとんどです。

食生活の変化によって、脂肪肝は増え続けている生活習慣病の一つです。

脂肪肝は肥満の方でなくてもかかってしまうこともありますから、肥満でない方も注意が必要です。

自覚症状がないからこそ怖い「脂肪肝」を自力で改善する方法4つ

 

脂肪肝の原因と進行すると出てくる症状

脂肪肝の原因はさまざまですが、主な原因としてあげられるのは肥満、糖尿病、アルコールです。

肥満とアルコールが脂肪肝の原因の約70%を占めます。

肥満や糖尿病の場合は、インスリンというホルモンの働きが鈍くなってしまうため、肝臓に脂肪がたまりやすく脂肪肝になりやすくなります。インスリンは血糖値を下げる働きをするホルモンで、すい臓で作られます。

アルコールを摂取すると、肝臓で解毒されて尿などと一緒に体外へ排出されますが、肝臓の働きが鈍くなってしまうと解毒がうまくできず、脂肪がたまってしまいます。

アルコールが原因となる脂肪肝を「アルコール性脂肪肝」といい、それ以外が原因の脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝」といい区別しています。

脂肪肝は自覚症状がありませんが、進行することで食欲不振や疲労感といった症状が現れます。

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脂肪肝が悪化すると?

脂肪肝も初期では自覚症状はなく、進行することによって食欲不振や疲労感などの症状が出てきますが、症状が現れる時期によっては、夏バテとして見逃されたり、単に忙しくて疲れが出ているだけと見逃される場合が多いので、どんどん悪化してしまうことがよくあります。

脂肪肝が悪化すると、脂肪性肝炎、さらに進行すると肝硬変、そして最終的には肝臓がんへと進行する可能性があります。

脂肪肝の検査は血液検査とCTなどを合わせて行います。血液検査のALT(GPT)/AST(GOT)やγ-GTP、コリンエステラーゼの数値が高値を示します。血液検査の数値が正常範囲内であってもCTなどの画像解析で脂肪肝が確認される場合もあります。

自覚症状がないからこそ怖い「脂肪肝」を自力で改善する方法4つ

 

脂肪肝を自力で改善する方法

脂肪肝は薬を飲んで治すというような治療法はありません。ということは、自力で改善することができるということです。特にまだ軽い脂肪肝であれば、簡単に改善することができます。

脂肪肝を改善するためには、食生活の見直しと運動が必要になります。

食生活の見直し

摂取した以上のエネルギー消費が必要になりますので、運動と一緒に食生活を見直しましょう。

まずは、食事の量をこれまでより20~30%ほど減らし、バランスの良い食事内容を意識しましょう。糖質や脂質はできるだけ控え、良質なたんぱく質、ミネラルやビタミンを積極的に摂取しましょう。

またアルコールも控える必要があります。できれば禁酒が好ましいですが、お酒が好きな方にとっての禁酒はストレスになってしまい、逆に食べる量が増えてしまうこともありますから、休肝日を作り、1日の摂取量をできる限り減らすようにしましょう。

運動

運動することで肝臓にたまった脂肪を減らすことができます。

普段運動不足の方は、いきなり激しい運動を取り入れると長続きしませんので、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。1日30分以上のウォーキングを最低でも週に3日以上行いましょう。

また運動を行うことで筋肉が鍛えられます。筋肉は「第二の肝臓」といわれていて肝臓の機能が低下しているときに肝臓が行う代謝を一部行っています。

脂肪肝で肝機能が低下しているので、筋肉の働きは思っているよりも大きいため、基礎代謝をアップさせるためにも運動で筋力をアップさせましょう。

脂肪肝には特効薬はなく、食生活の見直しと運動を継続することによって、徐々に改善される病気です。今脂肪肝と診断されていない方でも肥満気味の方や運動不足が気になっている方、アルコールが好きな方などは脂肪肝になってしまう可能性がありますから、規則正しい生活を意識しましょう。