発がん性を疑われた甘味料「サッカリン」は、実は抗がん作用があるかも!

あまり聞きなれないかもしれませんが、これまで発がん性を疑われ、世界的には使用を避けられてきた「サッカリン」という人工甘味料があります。近年の研究では、サッカリンにはがんの進行を抑える作用があることが発見されました。

あまり良い印象を持たれない物質ですが、食品などに含まれており、適量ならば人体への悪影響はありません。今回は甘味料のサッカリンについての基礎知識と、がんとの関係について解説します。

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サッカリンとは

サッカリンは人工甘味料の一種で、甘味料の中では歴史の古い物質です。第1次世界大戦の際に砂糖の不足を補うために使用されていました。ショ糖に比べて少なくとも350倍の糖度があり、ほんの少しの量で甘みをつけることができます。ただし、サッカリンを多量に使うと苦味があるので、別の糖分や甘味料とブレンドして使用されることが多いです。

日本では厚生労働省の許可のもと、缶詰や漬物など加工食品に使用されています。少量で甘みをつけられるため、歯磨き粉などにも利用されています。

発がん性に関しては疑いが晴れましたが、使用するには上限が定められています。またがんではなく、人体への副作用がある可能性があります。そのため日本では、サッカリンよりもアスパルテーム・スクラロースという甘味料を用いることが多くなっています。

人工甘味料のサッカリンは体内で吸収されず、そのまま排出されます。サッカリン自体にカロリーがないわけではありませんが、体内に残らないので実質的にカロリーゼロだと言われています。甘味をつけられて低カロリーなので、糖尿病など血糖値を上げられない人が使用するのに適しています。

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かつて発がん性が指摘されていた理由

1960年代にアメリカで実施された実験で、サッカリンに発がん性があるという研究結果が発表されたため、世界的に使用を控えるようになりました。45匹のラットにサッカリンを投与したところ、8匹にがんが見つかりました。

ラットのがんは膀胱がんで、実際には尿路結石による刺激と、サッカリンに混ざっていた別の物質が原因でしたが、当時はサッカリンの作用なのではないかと疑われました。アメリカのFDAが安全ではないと発表したため、他国でも使用を控える動きが広がりました。

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「抗がん作用がある」とはどういうことか?

ラットの実験の後に、長期に渡って猿にサッカリンを投与する実験が行われました。24年間投与をしてもがん細胞が見られなかったことから、発がん性に関しての疑いが晴れることになります。FDAも1991年には安全性を認めています。

発がん作用があることで世界的に有名になったことから、良い印象を持たれにくくなっていますが、研究段階ではがんの進行を遅らせる作用があるという結果が出ているのです。

がん細胞には炭酸脱水酵素9という物質がよく見られます。2015年アメリカの学会誌にて、サッカリンには炭酸脱水酵素9のはたらきを阻害する作用があるという論文が発表されました。まだ研究段階ではありますが、炭酸脱水酵素9はがん細胞に多いという特徴を持つため、がんへの効能について期待されています。

炭酸脱水酵素9とは

炭酸脱水酵素9は健康な細胞にはあまり見られず、がん細胞に多く存在する酵素です。がんの転移などを促す特性があると言われています。炭酸脱水酵素9には水素イオン濃度を調整する機能があります。本来弱アルカリ性である細胞を酸性に近づけることで、がん細胞の増殖に適した状態を作り出します。

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サッカリンの正しい摂取方法

サッカリンは摂取量に規制があります。摂りすぎると苦味を感じたり、胃酸過多などの副作用が考えられます。そのため適量を摂取するようにしましょう。

サッカリンの上限は、1日あたり「1kgにつき5mg」です。体重が60kgであれば、300mgが上限となります。チューインガムや清涼飲料水など、製品ごとに使用量の規定があるものもあり、サッカリンが含まれた食品を食べるだけならば上限を超える可能性は低いです。

日本で流通している食品であれば厚生労働省の許可を得て販売されていますから、サッカリンが入っているからと言って心配をする必要はありません。ただし、サッカリンが含まれた製品を複数口にする場合は、サッカリンの含有量を見てから摂取する方が安心です。

また、サッカリンそのものが含まれた薬品を取り扱うお店で購入することもできます。摂取量の上限を考えると一般的にmg単位での使用になり、入れすぎると刺激もある添加物ですから、安易に個人で使用するのは控えた方が良いです。

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まだまだ実験段階

サッカリンはがんの進行を遅らせる作用があると発表されましたが、実用レベルではなく実験段階です。そのためはっきりとした効能や副作用は明らかになっていません

加工食品や清涼飲料水などに含まれるサッカリンは、人体に影響のないレベルで少量ですから、それらの製品を飲食することに問題はありません。また、カロリーカットや砂糖の代わりとして用いることができます。

しかし、ダイエット目的で個人的に使用したり、1日あたりの上限を超える量を摂取するのは控えましょう。どんな甘味料も適量摂るからこそ、味や健康への効果が期待できるものです。