生徒

歯磨きをしてうがいをしようとした時にもグキっとぎっくり腰になってしまいます。ぎっくり腰予防に良いストレッチはありませんか?

先生

かしこまりました。腰の負担を軽減できるようなストレッチをご紹介しますね。ただ、ぎっくり腰が慢性的に続くようでしたら、主治医の指示の元行ってくださいね。

「ぎっくり腰」というと、中年のおじさんがかかるものというイメージがありませんか?でも、実は20代などの若い人の中にもぎっくり腰になってしまう人が増えているんです。

「まだまだ若いから自分には関係ない」と思っていると、ふとした拍子にグキッとやってしまうかも……?

今回は、ぎっくり腰になってしまう原因やなりやすい人の特徴、ぎっくり腰にならないようにするための予防法や、万が一ぎっくり腰になってしまったときの治し方など、老いも若いも避けたいぎっくり腰について、詳しく解説します。


ぎっくり腰の症状

「ぎっくり腰」という名前。実は病名ではありません。

正式には「急性腰痛症」または「腰椎捻挫」と呼びます。これは病名ではなく何らかの原因で突然激しい腰痛に襲われる症状をまとめた症状名です。

重たいものを持とうとしたときや急に体を動かしたときなど、ふとした瞬間に襲ってくるその痛みは欧米では「魔女の一撃」と呼ばれるほど激しいもので、動くことすらままならなくなってしまうことも珍しくありません。

ぎっくり腰はそれほど激しい痛みを発生させるにもかかわらず、実はその原因については詳しくわかってない部分も多いんです。

筋肉疲労の蓄積や骨格の歪み、慢性的な運動不足を抱えているところに、「重たいものを抱える」「体をひねる」「くしゃみをする」といった何気ない動作で瞬間的に腰に負荷がかかると、それをきっかけとしてぎっくり腰が発症してしまうことが多いようです。

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ぎっくり腰になりやすい人の特徴

では、具体的にどのような人がぎっくり腰になりやすいのでしょうか?

偏った姿勢で長時間過ごしている人

たとえば、デスクワークや車を運転する仕事で長時間座ったまま同じ姿勢でいたり、立ち仕事であってもレジ打ちなど同じ姿勢や動作を繰り返す仕事であると、筋肉の決まった箇所にばかりに負担がかかってしまいます。いつも同じ腕で鞄などの荷物を持つ癖のある方も、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されているので注意が必要です。

姿勢や座り方の悪い人

猫背であったり、座るときに足を組んだり、あぐらや横座りが癖になっている人も、背骨や骨盤が歪んで、腰回りに負担が溜まってしまいます。

足を組んでいなくても、椅子に浅く腰をかけて背もたれに持たれていると腰に負担がかかってしまうので、正しい座り方を心掛けなければいけません。

生徒

デスクワークがメインの方は、気がついたら姿勢が悪くなっているということはありませんんか。

寝具が体に合っていない人

ベッドや布団が硬過ぎると体が痛くなってしまいますが、柔らか過ぎるのも考えものです。敷き布団やマットレスが柔らか過ぎるとかえって腰が沈んでしまって腰や背骨に負担がかります。ふかふかの寝具にくるまって眠るのは気持ちが良いですが、寝具は体の負荷が分散するような程よい固さのものを選びましょう。

体を締め付ける服や靴をよく身につけている人

サイズの小さな服や下着、ハイヒールなどを身につけていると、体や足が締め付けられて血行が悪化してしまいます。特にハイヒールの場合、足を締め付けるだけでなく姿勢も不自然なものになってしまうので、腰や背中、お尻など、体の後ろ側の筋肉へ大きな負担がかかってしまいます。

重たいものを持ち上げることの多い人

一番ぎっくり腰を発症しやすいのが、床に置かれた重たい荷物などを中腰で持ち上げようとしたときです。このような動作を行っている方の多い場合は特に腰へ負担がかかっているため、常にぎっくり腰になるリスクがあります。荷物を持ち上げる瞬間だけでなく前屈みの姿勢も腰への負担が大きいので、荷物を持ち上げるときには一旦腰を落とすようにしましょう。

生徒

重たくないものであっても、腰を急にかがめることが多い場合は、気をつけてください

運動不足の人

腰回りの筋肉とぎっくり腰には深い関係があります。運動不足の人は、内蔵を支えている腹筋や背筋の筋力が低下して内蔵を正しい位置で支えることができなくなり、腰痛が起こりやすい状態になっています。

逆に、野球やゴルフ、バレーボールやテニス、バドミントンなど、腰をひねったり瞬間的に大きく腰を反らすような腰に負担のかかるスポーツを習慣的に行っている人も、腰に疲労が溜まってぎっくり腰になりやすくなっているので注意が必要です。

肥満の人

体重が増えると、それだけ体を支える腰への負担は増えてしまいます。日々徐々に腰に疲労が溜まり、くしゃみや体をひねったときなど、ふとした瞬間にぎっくり腰を発症してしまう恐れがあります。

ストレスなどで突然体重が増えた人も、腰が突然の体重増加に耐えることができず、非常に負担がかかってしまうため注意が必要です。

飲酒・喫煙している人

タバコに含まれるニコチンは、血管を萎縮させて血流を悪化させてしまいます。その結果、腰の筋肉に十分な栄養や酸素を送ることができなくなって、筋肉疲労を蓄積させてしまいます。喫煙は心身への悪影響が大きいので、禁煙に努めましょう。

また、頻繁な飲酒も喫煙と同じように血流を悪化させてしまいますので、お酒は程々にしておきましょう。

先生

ぎっくり腰のツラさを思えば、禁煙もできると思いますよ!

冷え症の人

冷え症ということは、血液の循環が悪くなっているということです。冷え症になると代謝が悪化し筋肉疲労も蓄積してしまうので、特に腰回りを冷やさないようにすることが重要です。腰に手を当てて冷たく感じる、手が温かくて気持ち良いと感じる場合、腰が冷えきっています。貼るタイプのカイロや腹巻きなどを使って、腰を温めるようにしましょう。

ストレスを溜めやすい人

精神的なストレスは自律神経の働きを乱れさせ、血行を悪化させたり、筋肉を萎縮させてしまいます。腰痛だけでなく心身の様々な疾患に繋がりますので、ストレスを溜め過ぎない生活を心がけ、自分に合ったストレスの解消法を見つけるようにしましょう。

生徒

1個だけ当てはまるというのではなく、何個も当てはまっているという方も多いかと思います。

ぎっくり腰になりやすい時期

ぎっくり腰や腰痛が起こりやすい時期は?と聞くと、やはり寒くて体が固まってしまう冬を挙げる方が多いのではないでしょうか?

でも実際は、寒さの厳しい真冬ではなく、冬に移り変わる9〜11月、つまり季節の変わり目こそぎっくり腰が起こりやすいんです。同時に、季節が冬から春へと移り変わる3〜5月にもぎっくり腰が起こりやすいと言われています。

長く続く寒さや暑さには、人間の身体は慣れてくるものです。

しかし、季節の変わり目は毎日の気温の差が激しく、体は温度変化についていくだけで精一杯です。この時期は温度の変化により血液の流れが激しく変化しやすく、筋肉も固くなりやすいために、ぎっくり腰や腰痛を引き起こしやすいとされています。

季節の変わり目でなくても、例えばエアコンの効いた室内と寒い(暑い)屋外に出入りしたときの温度差などでも同じ現象が起こります。

人間の体というのは、急激な温度変化で大きな負担を受けてしまうものなんですね。

先生

季節の変わり目は要注意です!

ぎっくり腰の予防方法

ぎっくり腰になったときに正しい対応で迅速に痛みを和らげ症状の改善を目指すのはもちろんのこと、そもそもぎっくり腰にならないように日頃から予防を行うことはもっと大切です。

次のストレッチなどを心がけ、ぎっくり腰を予防しましょう。

ストレッチなどで筋肉を柔らかくする

やはり腰の筋肉が固くなっているとぎっくり腰になりやすくなってしまいます。腹筋や背筋を刺激するストレッチを行うなどして、腰の筋肉をほぐしてあげましょう。本格的な筋トレのような腹筋・背筋運動ではなくても、次のような簡単なストレッチで大丈夫です。

腹筋を刺激するストレッチ

  1. 仰向けに寝て、両手を手をおなかの上に重ねて置く
  2. ゆっくりと上体を持ち上げて5秒キープする
  3. 1〜2を数回繰り返す

背筋を刺激するストレッチ

  1. うつぶせに寝てては体の横に置く
  2. ゆっくりと上体を上に反らして5秒キープする
  3. 1〜2を数回繰り返す

 

先生

どちらも息を止めず、しっかりと呼吸することを意識しましょう。また、既にぎっくり腰を起こしてしまい、予後が悪くならないようにストレッチを行いたい場合は、主治医や専門家の指導の元で行うようにしてください。

体を温める

体が冷えると筋肉も固くなってしまいます。冬などの寒い季節はもちろんのこと、夏場でもエアコンの効いた室内で長時間過ごしていると体が冷えてしまいがちです。温かいものを飲んだり、カイロや腹巻き、ブランケットなどを使って体が冷やさない工夫をしましょう。

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ストレスを溜め過ぎない

過度のストレスは筋肉を緊張させ、その状態が慢性的に続くと筋肉はすっかり凝り固まってしまいます。規則正しい生活を心掛けたり、ゆっくり入浴したり、自分なりのリラックス方法を見つけるなどしてストレスを貯め過ぎないようにしましょう。

腰に疲れを溜めない

日常的に腰に負担をかけていると、疲労が溜まってぎっくり腰を起こしやすくなってしまいます。床に落ちたものを拾うときや重たいものを持ち上げるときに前屈みになるのではなく、膝を使うことで腰の負担を減らし、腰に疲れが溜まらないように心掛けましょう。

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ぎっくり腰の治し方

万が一ぎっくり腰になってしまった場合、まず第一に炎症を抑えることが大切です。冷却湿布やタオルを撒いた保冷剤などで患部を冷やしながら、無理せず横になって安静に過ごしましょう。

膝下に枕やクッションを入れて仰向けになったり、腰を丸めて横向きに寝ると楽になりますよ。

いつまでも安静にし続けていると、筋肉が固まって余計に治りが悪くなってしまいます。ある程度痛みが和らいできたら、様子を見ながら無理のない範囲から徐々に体を動かし、日常生活に戻っていきます。

この頃には腰を冷やすのも止め、今度は温かい湯船に浸かったりカイロを貼るなどして患部を温め、血行を促進すると回復が早くなります。温めることで体内の循環を良くして自然治癒力を高めていってください。

先生

ぎっくり腰は、一旦回復しても生活習慣や骨格の歪みが治らなければ繰り返し発症しやすくなってしまいます。日常生活を送れる程度まで回復したら、整骨院などで根本的治療を受けると良いでしょう。

まとめ

デスクワークが増え、一日中エアコンの効いた屋内で過ごし、運動する習慣のない人も増えている現代では、ぎっくり腰はいつ誰に起きてもおかしくありません。

ぎっくり腰の発症を予防するためには、腰の筋力を上げることや、筋肉や靭帯を柔らかく保つこと、血行を促進することが大切です。

普段から以下のような生活を心掛けましょう。

  • ストレッチを習慣にする
  • 身体を温める
  • ストレスを溜め過ぎない
  • 正しい姿勢を心掛ける
  • 適度な運動を習慣にする
  • 一日三食栄養バランスの良い食事を心掛ける
  • コルセットを使用する
  • 質の高い睡眠を十分に取る

仕事中姿勢を変えることがあまりない人の場合、休憩時間中に軽くストレッチや体操を行って腰を動かしておくと良いでしょう。

また、重いものを持ち上げるときや床に落ちたものを拾うとき、靴下を履くときなどに腰を曲げるのではなく、しゃがむ、腰を下ろすなどして膝のクッションを使い、腰にだけに負担がかかるのを避けるようにしてください。

日ごろから適度な運動や規則正しい生活を心がけ、ぎっくり腰を予防しましょう。

先生

いかがでしたか?

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