大人の「溶連菌感染症」の症状は?どれぐらいで治るの?

「溶連菌感染症」をご存知でしょうか?子供たちの間で流行することが多いといわれている感染症ですが、大人も子供同様に感染することがあります。子供の看病で感染してしまったということも珍しくありません。大人が「溶連菌感染症」に感染するしてしまうと、症状が風邪と似ているため見逃すことが多く、場合によっては危険なケースもあります。今回は大人の「溶連菌感染症」感染時の症状や感染経路、潜伏期間などを解説します。

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「溶連菌感染症」とは

小さな子供の感染症として比較的メジャーな溶連菌感染症。実際に感染者で多い年齢は5~15歳です。

溶連菌感染症は、化膿を起こす連鎖球菌(溶血性レンサ球菌)による感染症です。

溶連菌にはA群・B群・C群・G群の4つがあり、A群連鎖球菌が溶連菌感染症のほとんどです。

B群以外は、もともと人間の喉に存在する菌で、5人に1人程度の割合で健康であってもこの菌が存在しています。溶連菌にはたくさんの種類がある中で一番危険なものが「A群β溶血性連鎖球菌」・「劇症型溶連菌」の2種類です。

劇症型溶連菌に感染すると潜伏期間なしで突然発症し、約30%が死亡してしまう非常に恐ろしい溶連菌で、「人食いバクテリア」の名前でメディアなどに取り上げられることもあります。

基本的には乳幼児などの子供に多い感染症ではありますが、疲れがたまっているなど抵抗力が落ちると感染しやすくなります。

溶連菌感染症の流行シーズンは5~7月頃と冬場です。

1度感染したからといって抗体ができ、2度と感染しないということはありません。溶連菌にはたくさんの種類があるため、何度も感染を繰り返すこともあります。

大人の「溶連菌感染症」の症状は?どれぐらいで治るの?

 

大人の「溶連菌感染症」の症状

大人の溶連菌感染症の特徴的な症状は、

・のどの痛み
・発熱
・舌に赤いぶつぶつができる
・頭痛
・下痢・・・

これら以外にも様々な症状があり、嘔吐やリンパの腫れなども見られます。

大人の場合の症状は風邪と似いるうえに、症状のあらわれ方にも個人差があり、症状がまったくあらわれなかったり、風邪の初期症状のようなものだけで治ってしまったりすることもありますから、感染に気づけないこともあります。

ただし、溶連菌感染症に感染してしまうと、抗生物質での治療でしか菌自体を体からなくすことはできません。つまりは保菌状態です。

溶連菌感染症は、治療をせずに放置して症状が長引くと、リウマチ熱や腎炎といった病気を引き起こす可能性もあるので要注意です。

リウマチ熱は、咽頭炎などを起こした後に心臓の筋肉や弁に異常を起こす病気で非常に恐ろしいものです。

単なる風邪のように思えても、溶連菌感染症の可能性もあるため、溶連菌感染症が流行しているシーズンは念のため病院を受診しましょう。

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感染経路や潜伏期間は?

溶連菌感染症の感染経路は、飛沫感染と経口感染です。

子供がいる家庭では、子供が感染経路となる場合も多くなります。

くしゃみや咳などで感染するので、自衛のためにも人ごみに行くときにはマスクをつけたり、外から帰ってきたら手洗いうがいを徹底することが大切です。

溶連菌感染症は、感染力がありますから、同じ空間で過ごすことが多い家族からは感染しやすくなります。家族内での感染が認められたときは、感染者・非感染者ともにマスクをつけるなどして予防しましょう。

看病する側は抵抗力を落とさないように気をつけましょう。

溶連菌感染症の潜伏期間は2~5日ほどになります。

大人の「溶連菌感染症」の症状は?どれぐらいで治るの?

 

どれくらいで治るの?

溶連菌感染症は一般的に長引くものではなく、抗生物質を服用することで2~3日ほどで症状が治まります。

ただし、症状がおさまったからといって抗生物質の服用をやめてしまうと、体内にはまだ溶連菌が残っているので再発したり、合併症を引き起こす可能性があります。

抗生物質は必ず医師の指示のもと最後まで飲み切りましょう。

抗生物質の服用が終わり、2~3週間後に病院で受ける尿検査によって異常が確認されなければ完治です。

溶連菌感染症に感染すると、子供の場合は幼稚園や学校を休む必要がありますが、大人の場合も症状が治まるまでは感染を広げないためにも仕事は休みましょう。

仕事を休む期間は2~3日で良いことが多いようですが、個人差がありますので医師の指示に従いましょう。

大人の「溶連菌感染症」の症状は?どれぐらいで治るの?

 

妊婦さんは特に注意が必要

溶連菌感染症は妊婦さんの感染で、赤ちゃんの命に関わるリスクが出ることがあります。

妊婦さんが特に注意しなくてはいけないのが、B群連鎖球菌です。このB群連鎖球菌は喉ではなく泌尿器と生殖器に存在し、妊婦でない時は膀胱炎といった尿路感染症に感染することになります。

ところが妊娠していると、出産するときに赤ちゃんが感染する危険性を孕んでいます。そうなると髄膜炎、敗血症、肺炎といった危険な症状を起こす「B群連鎖球菌感染症」を発症してしまう可能性が高まります。

大人の「溶連菌感染症」の症状は?どれぐらいで治るの?

 

溶連菌感染症を予防しよう!

合併症が恐ろしい溶連菌感染症はしっかり予防することが大切です。

感染経路が飛沫感染と経口感染ですから、流行時に外出するならマスク着用、そして帰宅後は手洗いうがいを行いましょう。

また大人は抵抗力が落ちているときに感染しやすくなるので、抵抗力を落とさないことも大切ですね。

抵抗力を高めるために、栄養バランスを意識した食事や規則正しい生活を心がけてください。夜更かしなどで睡眠不足が続くと抵抗力も落ちてしまいますから、睡眠はしっかりとりましょう。

またストレスも抵抗力を下げる原因になります。ストレスのない生活を送ることは難しいですが、自分に合った発散方法を見つけておくことが大切です。