二枚爪になると見た目が悪いし、爪が薄くなり指先の神経に触れやすくなるので、痛みが出ることがあります。出来るならならないようにしたいですよね。二枚爪になってしまう原因や治し方、なってしまった時の対処法・予防法をご紹介します。

二枚爪とは

爪は3層構造になっていて、それぞれ背爪(はいそう)・中爪(ちゅうそう)・腹爪(ふくそう)と呼びます。二枚爪とは、爪が乾燥したり弱ったりすることで、爪の先端部分の一番上や二番目辺りが少しずつ剥がれてくることをいいます。爪の弱い人や、手作業をする人、指先を酷使したりするとなりやすいので、決して珍しいことではありません。二枚爪は別名「爪甲層状分裂症」(そうこうそうじょうぶんれつしょう)といいます。この3層の間に何らかの原因で空気が入ってしまうと層がめくれて二枚爪の状態になるのです。

爪は健康状態を表すパーツでもあり、二枚爪がなかなか治らないのは貧血や甲状腺の病気など決して甘く見てはいけません。

二枚爪の本当の原因

二枚爪になったことのある方、心当たりありませんか?二枚爪になる原因は主に外部からの刺激とあなた自身の体調や内部にあります。

1.乾燥によるもの

肌や髪の毛が乾燥に弱いのと同じ、爪も乾燥することでひび割れして二枚爪になりやすくなります。特に冬近くなると一気に乾燥するので、実感される方も多いでしょう。爪には10〜15%ほど水分が含まれているのも特徴で、そのため水分が減って乾燥したり保湿されていないと割れやすい状態になるのです。家事やオフィスワークや軽作業をしていると、気が付いたら爪がめくれている経験はありませんか?

(1)水仕事によって
食器洗いや洗濯などで水やお湯・洗剤を使うことは多くなります。指先の水分油分が洗い流されてしまうので、乾燥が進みやすくなります。食器洗いや毎日する事は止めるわけにはいかないので、肌に優しい洗剤を使う・こまめにハンドクリームを塗って保湿する・ゴム手袋をつけて水仕事するなど対策をしましょう。

(2)ネイルによって
マニキュアを落とす際に使うネイルリムーバーも爪先の水分油分を奪います。また、ジェルネイルで使うUVライトの照射も爪を弱らせます。ジェルネイルをオフする際も多少削ることもあるので、これも爪が傷みます。爪が割れやすいのでジェルネイルをしている方もたくさんいますよね。たまには爪には何もつけない期間を作って、トリートメントやハンドクリームでしっかりケアしてあげましょう。

2.栄養不足

ダイエット中だったり、不規則な生活や栄養が偏った食事をとり続けていると爪に栄養が届きにくい状態になり、二枚爪になってしまう原因になります。

(1)たんぱく質不足
爪は皮膚が変化したもので、ケラチンというたんぱく質から出来ています。たんぱく質が不足することで、爪が弱くなります。その他にも鉄分やビタミン、ミネラルが不足しないことが大切です。

(2)鉄不足
鉄分が不足することで、貧血や冷え性を招きます。爪先まで血流が回りづらくなるので、爪先まで栄養も届きづらく、二枚爪の原因になってしまいます。貧血が進むと爪の中央が凹み、スプーンのような形になってしまう事もあります。

(3)ビタミン、ミネラル、ケイ素、亜鉛不足
これらの栄養素も不足しがちになると、爪が脆く割れやすくなります。

3.爪切りの使用によって

意外なことに爪切りも二枚爪の原因になります。じゃあ、何で爪切ればいいのよ!って言いたくもなりますが・・・。爪切りで切ることで、爪に刺激が加わり、3層の中に空気が入ってしまい二枚爪になりやすくなります。乾燥している爪や反っている爪は特に二枚爪になりやすいです。

4.病気によるもの

前で述べたように、爪は健康状態が分かる場所でもあります。鉄欠乏性貧血、糖尿病、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)なども二枚爪になることがあります。いずれも爪だけでなく全身のあちこちに症状が現れる病気です。バセドウ病は感情の起伏が激しくなったり、気温の変化に敏感になる、体重が変化するなどの症状も現れます。糖尿病の場合は、手足のしびれやだるさ、尿の色が無色などの症状が現れます。

5.加齢によって

避けられませんが、年齢を重ねるほど爪先まで栄養や血流が回りづらくなり、爪も脆くなりやすいです。爪に縦線が出ていると乾燥しているのが主な原因です。小まめにハンドクリームなどで保湿してあげれば爪の割れを防ぐことが出来ます。

6.血行不良

爪先の血行不良や冷えで、爪先まで栄養が行き届かず、脆くなりやすくなります。爪の根元に爪を作る爪母という部分があり、血行不良になって爪先が冷えてしまうと健康な爪が作られずに根元から脆い爪になってしまいます。

7.爪に当たる物理的刺激

爪先に触れる物理的な刺激も二枚爪の原因になります。どこかにぶつけてしまったりして爪がかけて小さな裂け目や割れ目が出来ると、布などが引っ掛かると更に避けてしまったなんて経験をされた方も多いでしょう。

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二枚爪の治し方

1.爪を整える

爪切りを使うと、パチッと切った時の衝撃で爪の3層の中に空気が入り込んでしまい、これが乾燥や何かの刺激で二枚爪になってしまうので、なるべく爪ヤスリ(ネイルファイル)などで削って整えましょう。既に二枚爪になっている場合もさらにひび割れしないためにも爪ヤスリをしましょう。

爪ヤスリはつい往復がけしがちですが、必ず一方方向にかけます。特に爪の薄い方は、爪ヤスリで長さを整えましょう。爪ヤスリは爪切りの背についているものでなく、棒状になっているネイルファイルを使います。

爪を柔らかい状態にしておくとお手入れしやすいので、出来ることならお風呂上りに爪を整えてあげましょう。爪きりで形を整えたい場合は、端っこから中央に向かって少しずつ切り、一度にパチンと切らずにハサミのようなイメージでチョキチョキと切るのがいいですよ。

関連記事:勘違いだらけの正しい爪の切り方

2.乾燥させない

特に冬場の乾燥する時期は、手が乾燥していますよね。ハンドクリームをつけるのを怠っていませんか?ちょっと時間の出来た時、調理をしない時、お風呂上がりのスキンケアのついでに、寝る前などハンドクリームで保湿するようにして下さい。爪の周りの皮膚が乾燥して硬くなりがちなので、しっかり揉みこんで柔らかくしてあげましょう。

ハンドクリームをつけてマッサージをするのも、ハンドクリームの浸透を更に高めて血行も良くなります。指先のささくれ、爪の乾燥予防なら、キューティクルオイルというものもあります。マニキュアのような小瓶に入っているオイルです。オイルは爪を柔らかくしてくれるので、爪が割れたりかけたりするのを防いでくれる効果もあります。また、オイルは乾燥だけでなく爪の成長を促す成分が入っているものもありますので自分に合ったものを選んでみましょう。

爪が薄くなっている間はネイルはお休みするなど爪も労わりましょう。

3.補強する

ジェルネイルをして爪を強化することもできます。ジェルネイル自体は自爪を強くする効果はないですが、自爪にジェルをのせることで、爪の薄い方は厚みが出るので二枚爪や割れやすさが防げます。ネイルリムーバーを多用したり、ジェルネイルをオフする際に爪が薄くなることがあるので、信頼のおけるネイルサロンで行うと良いでしょう。

二枚爪は正しい原因と治し方を知ることでキレイに蘇る

二枚爪になった時の対策

二枚爪になってしまう原因が分かったら、次に二枚爪になってしまった時にどう処置すればよいのか知っておきましょう。

1.サージカルテープを使う

サージカルテープとは、ケガをして包帯を巻くときやガーゼを固定するのに使う医療用のテープの事です。薬局でも400円くらいで買えますよ。

二枚爪になってしまったところにこのテープを張って裂け目がさらに出来ないように補強しておきましょう。爪はすぐに治らないのでちょっとした衝撃で悪化しないためにもテープを張るだけでもだいぶ安心して手作業出来ますよ。水仕事の場合はテープだけでは防げないので、必ずゴム手袋を利用して保護してあげましょう。

2.補修コートを塗る

爪のケア用品でヒビ割れてしまった部分に塗ると補修してくれるものがあります。こちらも600円ほどで手に入るので、しょっちゅう二枚爪になってしまうという心配がある方は1つ持っておくと安心ですよ。

自宅でできるケアでも改善しない場合は病気かもしれません。放っておかずに一度皮膚科を受診しましょう。病気の可能性がある場合は、爪が変色していたり爪の形が変わっている場合が多いです。

また、もし爪の周りが腫れてしまって炎症を起こしていたり出血がある場合は皮膚科よりも外科で診てもらう場合があるそうなので、まずは皮膚科で診てもらって先生の指示を仰ぎましょう。細菌が入っている場合は抗真菌薬など飲み薬が処方されることもあるので、少しでもおかしいと感じたら早めに病院へ行きましょう。

3.二枚爪は絶対剥いてはダメ

一度二枚爪になってしまうと中々治らず気になって爪を剥いてしまった…という経験はありませんか?邪魔なところが無くなって一見さっぱりした気もしますが、爪は引っ張って剥いていしまうと下にある健康な爪まで一緒に剥がれてしまうんです。早く治したいのであれば、爪を保護できるアイテムを自宅に置いておき、爪が修復するまでゆっくりと治すのが一番の近道です。

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二枚爪の予防法

1.日頃から乾燥させない

(1)手袋をこまめにつける
水仕事をする際には、ゴム手袋だけでなく、ゴム手袋の下に綿手袋をつけると更に◎です!また、夜寝る前に綿手袋をつけて、乾燥を防いだり日中受けたダメージを回復させましょう。

(2)あまり熱いお湯には触らない
洗い物をしたり、入浴でお湯は使いますよね。お湯の温度が熱くなるほど、手肌は乾燥します。あまり熱すぎない温度で洗うようにしましょう。

(3)保湿を小まめにして乾燥を防ぐ
ハンドクリームやオイルを小まめに塗ってあげることで乾燥しないように守りましょう。たくさん塗るのではなく1日に数回こまめに塗ることで手の水分が減らないようにしてあげましょう。家庭に1つはあるワセリンも肌に優しいので子供から大人までケア出来ますね。

関連記事:爪が乾燥した時に現れる変化と保湿する方法

2.爪を丈夫にする食事を心がける

栄養バランスの摂れた食事がベストですが、特に爪を丈夫にする栄養素をご紹介します。

(1)たんぱく質
爪の主成分であるケラチンはこのタンパク質から作られるのでとても大事な栄養素です。動物性たんぱく質には爪の弾力性を出す効果があり、植物性たんぱく質には爪を丈夫にする効果があります。動物性たんぱく質は肉・魚類、卵、乳製品に多く含まれ、植物性たんぱく質は大豆などに多く含まれます。チーズや納豆など毎日食べやすい食材を用意しておくといいですね。

(2)ビタミンA
ビタミンAは爪の乾燥を防いで硬くて丈夫にし、爪の変形を防ぎます。ビタミンAは緑黄色野菜に多くホウレンソウや人参、うなぎ、卵黄、レバーなどに多く含まれます。

(3)ビタミンB2
ビタミンB2は爪の強度を高めます。また、たんぱく質の代謝を助けてくれます。ビタミンB2はうなぎ、卵、レバー、サバ、さんま、鰯、カレイ、牛乳、納豆、玄米などに多く含まれます。

(4)ビタミンB6
ビタミンB6は爪のケラチン生成に欠かせないです。ビタミンB6はマグロ、鮭、カツオ、アジ、鶏むね肉、バナナなどに多く含まれています。

(5)ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を促してくれます。ビタミンCはイチゴ、キウイ、柑橘類、レモン、ゴーヤ、ブロッコリー、キャベツなどに多く含まれています。

(6)ビタミンE
ビタミンEは爪に潤いを与えます。ビタミンEはナッツ、ほうれん草、グレープフルーツなどに多く含まれます。

(7)鉄分
鉄分は貧血を予防してくれます。冷えや血行不良を改善し、血行を良くして爪に栄養を届けやすくしてくれます。不足すると、爪が薄くなって反りやすくなります。鉄分はレバー、ひじき、プルーンなどに多く含まれます。

(8) カルシウム
カルシウムは健康的な爪を作ってくれます。カルシウムは乳製品、小魚、豆腐、ブロッコリーなどに多く含まれます。

(9)ケイ素
ケイ素は骨、腱、血管などの結合組織を強化してくれます。ケイ素はワカメ、昆布、大豆、穀物の皮、リンゴ、アサリ、ごぼうなどに多く含まれます。

(10)亜鉛
亜鉛はたんぱく質の合成に欠かせないものです。亜鉛はウナギ、柿、牛肉、チーズ、卵黄、赤米、黒米、ゴマ、ナッツ類、蕎麦、豆類などに多く含まれます。

3.指先の血行を良くしてあげる

寒いと手足の末端が冷えている事はよくありますよね。指先を温めて血行を良くして爪の乾燥も防ぎましょう。

簡単にできる運動として、テレビを見ている間や仕事の休憩時間などの隙間時間にグーパー運動をしてみましょう。手を開いて閉じるを繰り返してあげるだけで指先の血行が良くなるので、冷えているなと感じたら是非手を動かして温めてあげましょう。爪の根元を優しく挟んであげて爪先全体を揉んであげるだけでも血行が良くなるので、日頃のケアに取り入れましょう。

関連記事:爪先が剥がれる「二枚爪」の治し方&予防法

まとめ

特に冬場の乾燥する季節は二枚爪が気になります。乾燥を防いで、爪を丈夫にする為に日々のネイルケアに、より一層気を配るのも大切です。ネイルケア方法の見直しや食事の改善によって、あなたの爪もキレイになると思います。

健康な状態の爪は半透明で、皮膚の血流の色が見えるのでピンク色に近いです。しかし、健康状態が良くないと爪の色や形が変化していきます。日頃からしっかりとケアしてあげて健康な爪へと育ててあげましょう。