妊娠6週目になると、早い人だと妊娠初期症状が現れて母体が変化していく時期です。そしてお腹の中の赤ちゃんの心拍を確認できるようになるのもこの頃です。そこで妊娠6週目の胎児の様子や母体に現れる症状と注意点についてご紹介いたします。
妊娠6週目の胎児の様子は?
妊娠6週目の胎児は、8~10㎜程度の大きさになっていて、筋肉や心臓・リンパ組織などの中胚葉と呼ばれる組織が活発に動くようになってきます。この組織が動き出すことで、心拍の確認しやすい状態になります。
この時期から胎児の心臓が少しずつ形成されてきますが、まだ心臓の4つの部屋のうち1つしか形成されていない状態です。しかし心拍を確認できるようになれば流産の可能性も低くなりますので、この時期に妊娠を周りの人に発表することを考えましょう。
また、この時期の胎児の成長度合いは皆同じで、体の色々な器官が形成されます。
1.視床下部
この視床下部とは、脳の器官の1つであり、人間が生きていく上で非常に重要な体温のコントロールを司る場所です。妊娠6週目になると、この視床下部が形成されます。排泄や体温管理など基本的なことを行う器官ができあがっていくのです。この時期の胎児の脳は一気に発達します。
2.生殖器
妊娠6カ月になると生殖器の形成が見られます。胎児の性別は受精する瞬間に決まります。この時期は女の子の場合は卵巣、男の子の場合は精巣と体の内側にある内性器が形成していきますが、外性器が形成されるのにはもう少し時間がかかります。
3.手足
手足の形成が始まるのもこの頃です。最初の段階では突起物のようなものが、水かきのようなものになり、手足が形成されます。まだまだ指は発達し始めたころで、徐々に人間の指の形になっていきます。
母体にはこんな症状が現れる
妊娠6週目になると、つわりの症状が現れます。つわりは人によって程度も種類も違います。この時期の妊婦は様々なつわりに悩まされます。
つわりの種類としては、空腹になると気持ちが悪くなるつわりや、異常に眠たくなるものや、匂いで吐き気がするつわりなどがあります。何といっても吐き気を伴うつわりは辛く、吐き続けて脱水症状を起こすなどの強いつわりになる人もいます。
つわりと共に、いくつかの辛い症状がでることがあります。胎児の成長に伴いだんだんと子宮が大きくなることで膀胱が圧迫され頻尿の症状が出ることや、胎児の成長に合わせて子宮が収縮することで、下腹部に痛みを伴うことがあります。
またこの時期妊婦さんは、妊娠ホルモンにより免疫が下がり、体調が不安定になります。ホルモンの影響で頭痛がする場合も少なくありませんし、精神的に不安になり鬱の症状が出る場合もあります。
妊娠6週目の生活で注意すること
妊娠6週目の胎児は体に重要な器官が形成される時期ですが、妊婦であるお母さんが飲んだ薬の成分が胎児に影響を及ぼす時期でもあります。この時期を絶対過敏期と言い、充分安静にし、体と向き合うことが必要です。
妊娠初期では、風邪に似た症状や便秘や下痢など起こすことが起こりますが、自己判断で市販の薬を飲むようなことはせず、産婦人科医に相談しましょう。
また、この頃にはつわりが始まり食事を摂りたくない日が続くことがあります。お腹の中の赤ちゃんのために無理にでも栄養を摂ることを考えがちですが、この頃の胎児は、卵黄嚢と言う細胞から栄養を摂りますので、少々栄養を摂らなくても心配は要りません。
ただし、母体が脱水症状を起こすと胎児にも影響を及ぼしますので、水分不足にはくれぐれも注意をしましょう。また母体が摂取する栄養素で葉酸が不足すると先天性異常のリスクが高くなることは心得ておきましょう。胎児の先天性異常には無脳症や二分脊髄などがあり、葉酸を摂取することで防ぐことができます。2002年からの母子手帳にも葉酸の必要性についての記述があり、葉酸が妊娠中のお母さんや胎児に大切な栄養素であると認められています。
しかしながら、この葉酸を野菜などから必要量摂取するには、大量の野菜を食べる必要があります。つわりで食事も摂れない場合に葉酸を摂ると言うことは難しいと考えられるため、できれば葉酸サプリを摂取することをおすすめします。
厚生労働省などでも、葉酸摂取においては天然のものよりもサプリメントの摂取を推奨しています。
妊娠6週目の出血は要注意
妊娠初期に起こる流産の多くは染色体異常で起こります。しかしながらその他の理由でも流産の危険があります。流産をしかけている状態である切迫流産の場合、胎児はまだお腹に残っているが流産しかけている状態を言います。
切迫流産になる原因は?
1.子宮筋腫や子宮頸管無力症などの病気
2.多胎妊娠
3.妊婦の体の疲れ、冷えやストレスが原因
4.子宮内における炎症
切迫流産の症状は、出血と下腹部痛です。妊娠は子宮粘膜が充血し出血しやすくなっています。お腹の痛みが伴わない出血は、心配いらないと言われていますが、自己判断は禁物です。出血やお腹の張りなどが見られたときは早急に対処するよう心がけましょう。
切迫流産にならないための注意点と予防法
妊娠すると誰しも体調に変化が起こり不安になります。染色体異常で起こる流産もあるため全て防ぐことはできませんが、注意点と予防方法をご紹介しましょう。
1.ストレスは溜めない
できれば、母体も胎児もストレスが無い状態が望ましいです。ストレスの発散には適度な運動が効果的です。散歩などでストレスを発散するようにしましょう。
2.仕事の影響
妊娠初期に長時間立ち続ける仕事は、赤ちゃんが下に降りてきてしまうリスクがあります。
できれば、立ち仕事は避けたいところですが、お仕事の都合で避けられないと言う場合は、まわりの人の協力をお願いしましょう。家事などはパートナーにも協力してもらい、体を休めるようにしましょう。
3.タバコやアルコールの影響
胎児への影響を考えると、妊娠中の喫煙や飲酒はやめるべきです。乳幼児突然死症候群はタバコが大きな要因であることがわかっていますし、アルコールも赤ちゃんの発育不全に影響してきます。
切迫流産にならないためにも、妊娠中のタバコやアルコールは止めておきましょう。
妊娠6週頃は、心を穏やかにして安静に過ごすようにしてください