妊娠3ヶ月ともなる妊娠8週目は、妊娠が確定して妊婦として自覚する時期となります。またこの時期につわりがピークとなるため、お母さんにとってはつらい時期でもあります。つわりと上手に付き合うために、つわりの症状別の対策法やつわりでも食べやすい食材などをご紹介します。
妊娠8週目の母体と胎児の変化
8週を過ぎると赤ちゃんは胎児と呼ばれ、だんだん身体が大きくなっていきます。心音が確認できるようになり、届けを出して母子手帳をもらえるのもこの時期になります。7週目までは身体の中の重要器官である脳や心臓、肺がまだできていないため、赤ちゃんは胎芽と呼ばれています。しかし8週を過ぎると口や目が形成されていくので、エコーなどでも赤ちゃんらしさが確認できるようになるのです。
一方母体は成長した赤ちゃんによって、子宮の周りにある臓器が徐々に圧迫されるようになります。赤ちゃんの成長速度は早く、8週では握りこぶし大の大きさになっています。見た目にはお腹が出ている様子はありませんが、お腹周りがすこしきつく感じられるのはこの時期です。また子宮の筋肉が引き延ばされることから、痛みや違和感を感じることもあります。腹痛が起きたり、頻尿に悩まされるのもこの時期からです。
妊娠8週では、胎盤はまだ形成途中であるため、出血や痛みがひどい時には無理をせず早めに診察を受けることが必要となります。
つわりの症状とその対策法
つわりがピークを迎えるこの時期、つわりには個人差がありまた症状も様々です。その症状別に対策法を見ていきましょう。
吐きつわり
つわりの症状としてもっとも多くあげられるのがこの吐きつわりです。食事の時間でなくても常に吐き気に悩まされ、胃に食べ物がない時には、胃液を吐いてしまうこともあります。
食べることができなければ、無理をする必要はありませんが、水も飲めないほど悪化すると「妊娠悪阻」になる可能性があります。妊娠悪阻になると脱水症状を引き起こし、入院が必要な状態になってしまいます。
対策としては、食べられる時に食べられるものを食べるようにし、脱水症状にならないよう水分補給は欠かさないようにします。のどごしがいいものや冷たいものが食べやすいのでおすすめです。また炭酸水は吐き気を緩和してくれます。
食べつわり
空腹になると気持ちが悪くなるのが食べつわりです。吐きつわりとは逆に、常に何か食べていないと気分が悪くなります。特に空腹がひどい朝起きた時がつらいことの多いつわりです。しかし食べ過ぎから体重増加しやすく、妊娠高血圧症などのリスクが高まります。
空腹状態を作らないようにしながら、食べ過ぎない対策が必要となります。いっぺんに食べるのではなく、少量をこまめに食べるようにする、糖分や油分の多い食べ物を避ける、そして飴など長く口の中に入れておけるものを食べるようにしましょう。
眠りつわり
眠気がひどく、何をしても眠いといった状態から、我慢できずに眠ってしまうといった強烈な睡魔に襲われる症状まで様々です。仕事をしている場合には、特につらい症状と言えます。
対策としては寝ることが一番ですが、職場でも家庭でも周りの理解を得ることが必要です。妊娠中にはカフェインの摂取を控えなければいけませんから、眠気覚ましにコーヒーを飲むといったことはできません。ハーブティなど温かい飲み物を飲む、軽く体を動かすなど眠気を発散させることもしてみましょう。
よだれつわり
唾液つわりともいい、唾液の量が増えたり、また自分の唾液の味が不快で飲み込めないといった症状があります。自分の唾液の味から吐き気をもよおすといった人もいます。
対策としては、唾液の不快さを取り除くためにティッシュなどに吐き出すといった方法や、タオルに唾液を吸わせる、飴やガムなどで唾液をごまかすといった方法で、唾液を感じさせない工夫をすることが必要です。
においつわり
においに敏感になるつわりで、どのにおいに敏感になるのかは人によって違いがあります。今まで問題なかったにおいが苦手になったり、好きなにおいが駄目になることも。
対策としては苦手なにおいをかがないようにする、また別のにおいをかぐといった方法があります。マスクにアロマオイルをたらす、部屋に好きなにおいのアロマを焚くといった方法もあります。ただし妊娠中に使ってはいけないオイルなどもあるため、安心安全なオイルを専門店で教えてもらってから購入するようにしたいですね。
このほか、食べ物の好みが変わったり、つわりとともに起こることが多い頭痛もつわりの一つだと考えられています。
つわりを軽減する食事の摂り方
つわりを完全になくすことはできませんので、うまくつわりと付き合いながら食事をすることが必要となります。つわりがきつい時には、以下の方法を試してみましょう。
好きな時に好きなものを食べる
吐き気がある時には無理をせず、食べることができそうな時には、少量でかまいませんので口にしましょう。
口をさっぱりさせるものを食べる
梅干しやレモン、炭酸水などを口にして、さっぱりさせてからだと食欲がわく場合があります。
口当たりのいいものを食べる
アイスクリームやゼリー、プリン、フルーツ、茶碗蒸しなどがおすすめです。
食事を冷ます、また冷たくても食べられるものを用意する
つわりでにおいに敏感になりやすいので、冷ますとにおいが抑えられます。
外食をする、友人と食事をする
環境を変えることで、食欲がわきます。
つわりの時でも食べやすい物
つわりの時でもこれらの食材なら食べやすいでしょう。
豆腐
食べやすく消化にもよいだけでなく、栄養も豊富です。
トマト
酸味があり、口の中や胃がすっきりします。トマトジュースにすると飲みやすくおすすめです。
水分の多い果物
りんごやなし、スイカやグレープフルーツなど水分が多く酸味もある果物は、口の中がさっぱりするだけでなく水分補給にもおすすめです。
つわりがひどい時には、においの強いものや油の多いものが吐き気をもよおさせることがありますので、そういった食べ物はなるべく控えるようにして、つわりの時期を乗り越えていきたいですね。