日本の夏の様子は、年々変化をしているような気がします。それは気のせいではなく、本当に日本の夏の気温は徐々に高くなっています。
35度を超えるような猛暑を記録することは、すでにそれほど話題にならなくなってきて、気温だけじゃなく、亜熱帯地域のスコールのような雨の降り方をすることも増えてきました。
高温多湿の日本の夏は、熱中症の危険が非常に高くなっています。毎年、夏になると熱中症で救急搬送される人も後を絶たず、亡くなってしまうケースも少なくありません。
熱中症の怖さについて、しっかり確認しておきましょう。知っておきたい熱中症の予防法などご紹介します。
熱中症の症状・原因
熱中症は、身体の中の体温調整ができなくなり、最悪の場合は死亡してしまう恐ろしい症状です。甘く考えるのはとても危険です。
熱中症の主な症状
1.めまいがする
2.顔がほてる
3.頭痛がする
4.身体がだるい
5.吐き気がする
6.筋肉がけいれんする(足がつることも含む)
7.体温が高くなる
8.皮膚が渇いている
9.口の中が渇く
10.意識が薄れてぼんやりする
以上のような症状が起こると、熱中症の可能性があります。軽い初期段階であれば、水分を補給して涼しいところでしばらく安静にすれば、症状もおさまりますが、意識がぼんやりするような段階は、いち早く医療機関で処置する必要があります。
熱中症の原因
熱中症になる原因は、体温の放出が上手くできなくなり、体内に熱がこもってしまうことと、汗で体内の水分が不足してしまうことが重なり合うことで起ります。
人間のカラダの中の60%は水分ですが、気温が高くなり、体温も上昇すると熱を放出しようとして発汗します。汗が蒸発して気化熱となり、体温を下げることが上手くできればいいのですが、それでもまだ体温が下がらなければ、どんどん発汗しようとします。
そうなると、体内の水分が不足し、ミネラルバランスも崩れてしまいます。血液も水分なので、脱水症状になると血液の流れにも影響があるのですね。熱中症は、環境と身体の状態の両方の条件によって、起こりやすくなります。
熱中症のチェック方法
熱中症は、軽い段階で早めの対処をすることが大切です。そのために、熱中症の第一段階とも言える、脱水症状をチェックすることが重要なポイントになります。
体内の水分の量を、定期的にチェックすることは難しいように感じますが、「喉が渇いた」と感じた段階は、すでに脱水症状の初期段階です。
年齢の小さな子供や、高齢者などは、脱水症状になりやすいため、とくに注意が必要です。簡単に脱水症状をチェックする方法として2つの方法があります。
1.親指の爪を押して、2秒以内に色が戻らなかったら脱水の疑いがあります。
2.手の甲の皮膚をつまんで引っ張り上げて、3秒以内に戻らないと脱水の疑いがあります。
このチェック方法に合わせて、手先が冷たくなっていたりしたら、脱水によって血流が悪くなっていると考えられます。
熱中症になりやすいタイプや条件
熱中症になりやすい条件は、気温や湿度がもっとも影響しますが、油断できないのがエアコンが苦手な体質の人や、日ごろから汗腺があまり機能しなくて、汗をかきにくい人です。
湿度が高いと、気温はそれほど高くなくても、熱中症の危険はあります。部屋の中にいて、風のない空間で過ごしていると、あまり暑さを感じないので、熱中症になっていても気が付かないで重症化することがあるので、注意しなくてはいけません。
熱中症の予防法
熱中症の予防には、日ごろから気をつけておくこともいくつかあります。熱中症に予防のためのポイントです。
水分をこまめに摂る
水分摂取は、喉の渇きを感じる前に飲むくらいのつもりでいましょう。できれば、塩分と糖分を少し含んでいる水分の方が、ただの水よりも吸収が良いです。喉が渇いた時には、すでに脱水症状の初期だと忘れないようにしてください。
睡眠不足に注意する
睡眠不足の状態は、自律神経も乱れやすいので、体温調整が難しくなり、熱中症のリスクが高くなります。熱帯夜で眠れないのをガマンするようなことがあると、体力も低下して熱中症の危険が高まるので、睡眠環境を整えて、毎日の睡眠を大切にしましょう。
冷却グッズを活用する
冷却スプレーや、冷却ジェルなどで、身体を部分的に冷やすことも、熱中症の危険を予防するのに効果があります。ワキや首など、太い血管が通るところを冷やすと、体内に巡る血液を冷やしてくれます。
陽射しを避ける
外出する時には、帽子や日傘を使って日よけをするのは、紫外線対策だけじゃなく熱中症予防にも効果があります。
衣類を工夫する
風通しが良く、皮膚から熱が放出されやすい衣類を選ぶようにしましょう。眠る時にも、身体を締め付けないようなものを選びます。乾きやすい素材の衣類を着ることで、気化熱の放出も効率が良くなります。
気象情報を活用する
スマホのアプリなどには、気象情報をお知らせしてくれる便利な機能があるものが沢山あります。気温と湿度のチェックをこまめにすることで、熱中症の危険がわかります。熱中症指数も公開されているので、危険な時は外出や運動を控えるなど、対策をとりましょう。
1年間を通しての予防対策も大事
熱中症は、気温と湿度が高くなる季節にしか、予防意識が高まりません。ですが、熱中症になりやすい人は、日ごろから汗をかきにくい人だったり、生活リズムが乱れている人などが当てはまります。
夏だけじゃなく、日ごろから適度な運動で発汗機能を高めたり、生活リズムを整えるように心がけることが大切です。