何となく喉に何か出来ているような、唾液を飲み込むと違和感があるなどの症状を感じたことはありませんか?風邪ではなさそう、でももしかしたら腫瘍か何か出来ているのではないだろうかと心配になってきますよね。
そういえば、そんなことあった!喉がおかしい!って思った方、「ヒステリー球」によるものかもしれません。
この「ヒステリー球」について詳しく解説したいと思います。
「ヒステリー球」って何?
ヒステリー球は咽喉頭食道異常感症やヒステリー球症候群といわれ、精神的なものからくる喉の異物感や詰まり感、違和感を感じる疾患です。
喉に異物感があるから、もしかして何か喉に出来ているのではないかと内科や耳鼻咽喉科などで調べても何の異常も見つかりません。自律神経のバランスが崩れることで起きてしまうので、検査では問題が生じないのです。
咳も出ないし、喉も痛くない、喉に何か引っかかっている様な感じを過去に経験された方ももしかしたら多いかもしれません。
症状
症状としては、喉の異物感があり喉に何か詰まっているような感じが続きます。喉の閉塞感、イガイガとして痛んだり、腫れている様な感じ、胸がつかえるような感じの症状です。大きな飴や薬の錠剤が詰まっているような感じと表現される方もいれば、唾液を飲むと何か引っかかっていると感じる方もいます。男性は喉仏付近に違和感を感じることが多いです。
中には吐き気がするという方も多く、実際に吐くまではいかないものの、ムカムカした状態が続くことがあります。
また、食べ物を食べたら、喉に引っ掛かってしまうのではないかと不安になりやすくなります。気になって仕方なくなる方も多いです。
ヒステリー球の原因
このヒステリー球の主な原因は、ずばりストレスです!
ではなぜストレスからヒステリー球になってしまうかというと、過度のストレスを受けることで自律神経が乱れ、交感神経が過剰に働くようになります。交感神経が優位になると心身が戦闘態勢になりますが、副交感神経が働着始めると、心身はリラックス状態に入ります。
この交感神経の活動が過剰になると、喉の神経に誤作動を起こしてしまいます。狭窄感や息苦しさなどの症状が出ます。喉の狭窄感が出ることで、喉の内側同士が触れてしまうこともあり、それが異物感として感じることがあるのです。
ストレスなんてないわ!と思っても、ストレスには、いろんな種類があります。不安な時、緊張している時、すごく嫌なことがあった時、疲れ、落ち込んだ時、プレッシャーを感じた時、言いたいことが言えず我慢している時、理不尽なことで我慢している時、環境が変わったなど、自覚はなかったけれどもこれらはストレスとして身体は受けています。
自宅でできる治し方
内科や耳鼻咽喉科へ行っても何も異常が見られない、もしかしたらヒステリー球なのだろうかと実感したら、自宅で出来る治し方を挙げますので試してみて下さい。
グレープフルーツの香りを嗅ぐ
グレープフルーツの柑橘系のさっぱりした香りが、喉や胸の異物感を和らげてくれます。
生のグレープフルーツをカットしたものでも良いですし、グレープフルーツの精油でも良いですね。
ストレスを発散させる
ストレスになっていることはありませんか?現代社会において、ストレスは避けられないかもしれませんが、避けられるストレスなら避けてしまいましょう。
また、上手に自分なりのストレス発散法を見つけて発散しましょう。カラオケをする、大声で叫ぶ、思いっきり寝る、旅行に行く、買い物をする、愚痴を聞いてもらうなどはいかがでしょうか。
運動
普段運動しない人が急にたくさん運動して頑張る必要はありませんが、適度に運動してストレスを発散することで、ヒステリー球が解消されやすくなります。
睡眠を十分に摂る
睡眠不足の状態が続くと、交感神経が優位になりやすく、不安やイライラ、疲れもなかなか取れません。ヒステリー球を発症しやすくなり、また改善もされにくくなります。
一度、しっかり睡眠時間を確保して疲れを充分取るようにしましょう。
漢方薬を飲んでみる
半夏厚朴湯
【第2類医薬品】ツムラ漢方半夏厚朴湯エキス顆粒 24包というもので、薬局などでも購入できます。
病院に行きたいが時間がないなんて時に、まずは飲んでみても良いのではないでしょうか。
効能は、喉の異物感や不安神経症、吐き気、気分がふさぐ、不眠症、動悸、めまいなどに効果があります。「湯」とつくものはぬるめの湯で飲むと良いです。神経からくるものに効果があるようなので、もしこのヒステリー球であれば3日程飲んでみると症状が落ち着いてくるでしょう。
何科に行けばいいのか
まずは内科や耳鼻咽喉科へ行き、異常がないと結果が出たら、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。
まずは内科や耳鼻咽喉科です。もしかしたら、咽頭がん、食道がん、扁桃腺肥大、甲状腺異常などが見つかることがあるからです。
喉に異物感があると、何か腫瘍があるのではないかなど気になってしまいますよね。中にはそういうこともありますが、内科や耳鼻咽喉科で診てもらって特に異常がないと言われた場合はヒステリー球の可能性があります。
そんな時はまずストレスを取り除くことで解消されることもあります。漢方薬も上手に活用したいですね。