「夜尿症」が、子供をもつママの間で話題になっています。おねしょと同じことなのですが、少し違いがあります。
おねしょは、幼児期だけのことではありません。最近では、小学校に入学してからもおねしょをするお子様もいらっしゃいますし、稀なケースではありますが、成人になってもおねしょをするという方もいらっしゃいます。
そこで、あまり聞き慣れない「夜尿症」というのはどういうものなのか、その原因とは一体何なのかなどをご紹介いたします。また、この夜尿症から卒業するにはどういったサポートが必要なのかについてもご紹介いたします。
「夜尿症(おねしょ)」とは?
夜尿症もおねしょも、寝ている間にもらしてしまい、布団や衣類などを濡らしてしまうことです。ただ、夜尿症とおねしょは、違うものとして位置付けられています。
おねしょとは、赤ちゃんから幼児と呼ばれる、5歳ぐらいまでのお子様がおもらししてしまうことです。夜尿症というのは、それ以上の子供から大人が1ヶ月に何度もおもらしをしてしまうということを指しています。男女の比率では、男の子は女の子の約2倍のお子様が夜尿症であり、男の子の方が多くなっています。
大人になってからおねしょする人がいるの?と思われるかもしれませんが、実際に、この夜尿症で悩まれている成人の方もいらっしゃいます。
小学校入学前の年齢になると、おねしょ=恥ずかしいということが理解できる年齢です。周りのお友達のほとんどはもう夜のおむつも卒業できているのに、自分だけがいつまでたってもおもらししてしまうとなると、精神的に傷ついてしまうということも考えられます。
夜尿症の原因
夜尿症の原因として考えられる物を6つご紹介いたします。お子様に当てはまるものがあるかどうかを確かめてみてください。
1.夜間の尿の量が多い
夜寝る前にお茶を飲んだりしてたくさん水分をとってしまうと、夜中の尿の量も増えてしまいます。これは当然のことです。この夜の尿の量を調整するのに必要なのが「抗利尿ホルモン」といいます。このホルモンは、昼間の分泌量が少なく、夜は多いことから、夜の尿の量を抑えることができます。このホルモンの分泌が不足してしまうと、夜の尿の量が多くなってしまいます。
2.膀胱が小さい
膀胱の大きさと、溜められる尿の割合があっていないので、溜められずに溢れ出た尿のせいで夜尿症になってしまうのです。膀胱が大きくなく、小さいということは、身体が未発達だということです。
また、よく小さいお子様で、何度もトイレに行く子がいます。さっき行ったばかりなのに、また行くといった感じのお子様です。おしっこを我慢するということでも、膀胱は大きくなるのですが、溜めることを覚えないので、膀胱も大きくなりません。
3.ストレス
おむつもはずれたはずなのに、ある日突然おもらしをするようになり、それが続いている。こういう場合は、心のストレスが原因です。自律神経の乱れもよくありません。
4.熟睡できていない
深い眠りにつけていると、脳内でおしっこの量を調整するホルモンがどんどん分泌されます。眠りの質が悪く、浅い眠りの時は、脳内でこのホルモンも分泌されません。これも原因となります。
5.冷え症
子供でも最近は冷え症の子が増えています。大人でもそうですが、膀胱が冷えるとトイレが近くなります。これは子供も同じことです。また、手先や足先の冷えは、自律神経の乱れにつながり、膀胱の機能が下がってしまいます。
6.病気
膀胱や腎臓に何らかの疾患があったり、脳内ホルモンの分泌に関する病気が原因となっていることもあります。
6歳を過ぎたお子様で、おもらしが続いている場合、夜尿症かもしれません。気になったり悩んでいるなら、早めにお近くの小児科医などでご相談されることをおすすめします。
卒業までのサポートの仕方
夜尿症を卒業するには、しっかりとした親御さんのサポートが必須になってきます。具体的なサポートの仕方についてご紹介いたします。
1.おねしょをした時の対応について
トイレトレーニングの時にも、育児書などに書かれている通り、「怒らない」これは絶対です。おねしょ=怒られるという図式を作ってしまうのは、お子様にストレスを与えて逆効果となってしまいます。おねしょをしてしまっても、「大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげてください。
また、おもらしをされるのはいやだ!と、起こす親御さんもいます。起こしたりするとそれが睡眠の妨げとなります。他のお子さんと比べてしまい焦る気持ちもわかりますが、成長には個人差があります。焦らず、他のお子様よりもゆっくりめなんだな…と思うようにしてあげてください。
2.ほめてあげる
夜尿症の治療がはじまって、約束したことができたりしたら、思いっきり抱きしめてほめてあげてください。
3.生活習慣を改善する
夜尿症の治療を始めるにあたって、規則正しい生活は基本です。起きる時間、寝る時間、食事の時間、これらの時間をしっかりと決めてあげてください。飲食は、就寝時間の3時間前までに終わらせるようにしてあげてください。
寝る前にトイレに行くクセを付けることも大切です。おしっこが出ても出なくても連れて行き、布団に入って寝付けないようなら少し時間をおいて、またおトイレにつれていってあげましょう。
4.冷やさないようにする
「原因」の部分でも紹介しましたが、冷え症も原因の一つです。日頃から手先や足先の冷えには注意してあげてください。また、寒い季節は、お布団の中をあたためておくと眠りにつきやすくなります。
5.塩分について
塩分をとると喉が渇きますし、水分をとり過ぎると、尿の量も増えます。そもそも塩分の過剰摂取は健康によくありません。お子様は市販のお菓子などからも塩分をとりますので、注意してあげてください。
6.おしっこを我慢する練習
これも「原因」の部分で紹介しましたが、おしっこを我慢するだけでも膀胱は大きくなります。我慢しすぎるのはよくありませんが、少しずつ練習するようにしましょう。
夜尿症はサポートが重要!
今現在、小学校に入ってもおもらしをしている状態で、頭を抱えていませんか?ママが自分のせいで怒ったり、困ったり、元気がない顔をしていると、お子様にとっては、そんなママが精神的に負担となってしまいます。夜尿症はきちんと医師の診察を受けて、治療をすることで、必ず治ります。
どうしても怒ってしまいがちになるかもしれませんが、ただのおねしょではなく、病気の一つだと考えてみてはいかがですか?考え方を変えることで、子供に対する気持ちも大きく変わってきます。
夜尿症を治すには、子供が一番頑張らないといけないのですが、子供一人では治すことはできません。しっかりとママも一緒に、この夜尿症を乗り越えるという気持ちをもって接してあげてください。