あせもは、赤ちゃんや小さな子供の皮膚湿疹だと思っているかも知れませんが、子供だけじゃなく、大人でもあせもになることはあるんですよ。
しかも、この頃は大人があせもに悩まされて、皮膚科に受診するケースも急増しているんだとか。汗ばむと肌がベタベタしてとても不快になりますが、そこにあせもができると、かゆくて最悪です。
「大人になったのにあせも?」とびっくりしている方も、あせものリスクは誰にでもあるので、対策方法を知っておくと役に立つこともありますよ。
それでは、大人のあせも対策をご紹介します。
大人のあせもの種類・原因・好発部位
子供のあせもと大人のあせもは、違う種類のものではありません。あせもの原因は汗ですが、汗を大量に流したからあせもができるわけではないのです。
あせもの種類(段階)や原因を解説します。
あせもの原因
あせもは、汗腺から汗が大量に分泌される機能に問題が起こることで発生します。具体的に説明すると、汗腺は皮膚の表面から少し奥にあり、汗管という管から汗が出る仕組みです。
発汗の機能は、体温が高くなると体温調整のために汗を出し、水分が蒸発していく際の気化熱で、体温を下げるための機能になります。子供は体温調整の機能が弱いので、大人よりも発汗しやすいので、あせもができやすいのです。
汗が短時間でおさまれば、一時的に大量の汗が出ても、あせもになる可能性は少ないですが、汗が長時間分泌され続けると、汗管の周辺の皮膚組織に汗が溜まってしまい、そこが水ぶくれのような状態になってしまうんですね。
汗腺からつながる汗管の周辺に小さなブツブツができたら、それはあせもの可能性があります。
大人にあせもが増えている原因は、地球温暖化の影響により、日本の気温が年々高くなっていることが影響しています。猛暑で毎年のように最高気温を更新するなど、この頃の夏の暑さは異常です。
しかも、ヒートアイランド現象で、夜になっても気温が下がらない地域がとても多くなっています。大人でも四六時中汗を流していれば、あせもができても不思議ではないでしょう。
あせもの種類
子供の頃にあせもがよくできた人ならわかると思いますが、一般的にあせもというのは赤くなって、とてもかゆくなります。汗が出やすいところにできるので、あせもができている時に汗ばむと、汗が刺激になってヒリヒリしたり、チクチクとかゆみが増したりします。
しかし、このようなあせもも含めて、あせもには三種類あります。
一般的に知られている赤い小さなブツブツができてかゆいあせもは、紅色汗疹と呼びます。
そして、意外と知られていないけれど、わりと多く出るあせもに水晶様汗疹というタイプがあります。これは、赤くなったりかゆくなることがなく、皮膚に小さな水ぶくれがブツブツとできるだけです。
この水晶様汗疹は、赤くなり、かゆみを発するあせもよりも、皮膚の表面にできるので、汗が溜まるだけなのです。
最後のあせもは、日本の気候ではあまり発症することがないのですが、深在性汗疹というタイプです。亜熱帯地域の気候で見られるあせもなので、日本ではほとんどないのですが、これから何十年後には、日本も亜熱帯の気候に近くなっているので、近い将来には、日本でもポピュラーになるかも知れません。
現在のところ、紅色汗疹と水晶様汗疹の二つのあせもの対策法を知っておくだけで十分です。
できやすい部位
あせもが生じやすい部位は、首、わき、デコルテ、お腹、お尻、ひじの内側、ひざの裏側など、皮膚が薄く、汗をかいでも乾きにくい部位となっています。
大人は、お腹周りやお尻など、日中に汗をかきやすく、簡単に汗を拭き取ることが難しい部位にできることが多いです。
あせもの治し方・対処法
あせもができてしまった場合は、適切なお手入れをして悪化させないように早く治したいですね。前述のように、あせもにも種類がありますので、対策法もそれぞれ違います。
自覚症状のない水晶様汗疹の治し方は、できるだけ汗を長く皮膚に残さないように注意して、汗をかく機会が少なくなるように生活を見直してみます。
汗腺と汗管の機能が弱ってしまうほど、慢性的に汗が出ていると、水晶様汗疹になりやすいので、発汗する時間と涼しくして汗を出さない時間のメリハリをつけるようにすると良いですね。
赤くなる紅色汗疹の治し方は、炎症を起こしているので、まずは炎症を早く抑えることが優先です。そのためには、あせも用の外用薬を使っても良いでしょう。
かゆみは何度も繰り返してしまうので、完全にあせもが消えるまでは、汗をかいたら素早くふき取るようにしてください。理想的なのは、強くこすらずに水を含ませて絞ったタオルで押えるように拭きたいところですが、外出先で何度も拭くには難しいですよね。
もちろん、シャワーを何度も浴びるなんて、もっと難しいことです。それができれば理想的なのですが・・。
汗ふきシートは、あせもがヒドイ時にはヒリヒリすることがあるので、大人でもあせもの炎症がヒドイ時は、赤ちゃん用の汗ふきシートなど、低刺激のものをおすすめします。
あせもの予防法
あせもの予防は、涼しい場所で、発汗しないように過ごすことが一番なのは間違いないですが、汗腺の機能が低下していると、上手く体温調整ができなくなって、熱中症の危険もあります。
予防法としては、汗が出た後のお手入れです。きちんと拭き取り、汗の塩分をそのまま付着させないようにして、炎症になる前に、こまめに手入れしましょう。
パウダーを含んだローションミストを携帯すると、外出先でもケアできるので、あせも予防にはおすすめのアイテムです。
あせもが悪化した場合は
いくら対策をしても、悪化してしまったあせもは、早めに皮膚科に行って適切な治療をするようにしてください。ひどくなってからでは、治るのも時間がかかります。
皮膚科では、少量のステロイドを含んだ外用薬を使うこともありますが、短い期間で炎症を治すためには有効です。正しい使用方法で、治ったらすぐに使用をやめれば、副作用を過剰に怖がることはありませんので、早く治してくださいね。