最近は自己肯定感が低い子供達が増えてきているとよく聞きます。自己肯定感が低い子供は不登校になってしまったり、自己表現ができず社会的に馴染めないなどの傾向があることでも知られています。
子育ての際によく聞く「自己肯定感」という言葉ですが、正しい意味をご存知でしょうか?
「自己肯定感」とは?
自己肯定感とは、子供が自分自身に自信をもち、「自分は自分でいいのだ」と自身を愛する心を持つことを指します。
また子供が自分自身の存在価値を認めることもこの意味に含まれます。
自己肯定感の高い子供と低い子供の特徴
子供のうちは必ず誰かに叱られる経験をすることでしょう。しかしこのような経験の中でもめげたり折れたりしないで、しっかりと自分の糧にして成長していく子供がいることも確かです。
同じ子供でも自己肯定感の高い子と低い子が出てきているのが事実です。このような差が出てくる背景にはどのような経過があるのでしょうか。今回はそれぞれの子供の特徴をあげて説明します。
自己肯定感が高い子供は主体的
自発的に発言をすることができて、様々なことに興味を示し行動します。自分の思いを自由に表現することができますので、失敗を恐れずに様々なことに挑戦することができるのです。
自己肯定感が高い子供は余裕がある
自己肯定感がしっかりと積み上げられている子供は心に余裕があるため、他人に対して優しくなれます。そのため対人関係で恵まれる傾向にあると言われています。
自己肯定感が高い子供は挫折しない
何かに失敗して叱られるようなことがあっても、その失敗により「自分はだめな子だ」という結果にいたりません。自己肯定感の高い子供は自分の良い面と悪い面を含めた上で自分自身の価値を認めているからです。
自己肯定感が高い子供は自信がある
自身にあふれる子供はどんな物事に関してもポジティブにチャレンジします。それは勉強面でも、人間関係も、スポーツに関しても当てはまります。「思ったような結果が出ないかもしれない」と挑戦する前から諦めるようなことはありません。
自己肯定感が低い子は自信がない
自己肯定感が低い子は自信がないのが特徴です。自信がない為、自分の意見を発言することを恐れてしまいがち。
また失敗をしたくないと挑戦する前から諦める傾向にもあります。失敗を恐れるがゆえに自分自身で考えをまとめ上げることができません。
それゆえに必要な行動力が伴わないのです。
特に代表的な行動の一つとしては、常に大人や学校の先生などの顔色を伺うようになることが挙げられます。
自己肯定感が低い子は挫折しやすい
自己肯定感が低い子供は、誰かに叱られたときに自分という人間観を否定されたように物事を捉えてしまいます。そのために挫折しやすい傾向にあると言っても良いでしょう。
学校生活では先生を含め他の生徒とも関わることになりますが、その際、少なからずすべての生徒が必ず何かしらの経験をすることでしょう。
先生に指摘をされたり、友達と仲違いしてしまったり、宿題を上手にこなすことができなかったり、走ることが苦手だったり、例を挙げればきりがないですが、そんな中「何事も上手にこなせない自分」に心が折れてしまいやすいのが自己肯定感の低い子供の代表的な特徴です。
その結果、自分が他の子と比べて劣っていると思い込んでしまう為に、いわゆる「保健室登校」や「不登校」という道を選んでしまうのです。
またその中には非行に走ってしまう子供が出てくることも事実として報告されています。
自己肯定感を育てる方法
一般的には一度形成されてしまった自己肯定感後からの修正は大変難しいと言われています。
これは、幼少期、特に0歳から6歳までに土台が形成されるためです。幼少期にした体験が人生を大きく左右する大切な時期ですので、親はしっかりと子供の自己肯定感を育成する方法を身につける必要があるのです。
1.子どもには無条件の愛が必要
幼少期の子供は、自分が親から「愛されているんだ」と実感する必要があります。自分の存在価値を無条件の愛で認めてもらうことにより「自分はここにいて良いのだと」と安心することができるのです。
2.自信を与えてあげる
幼少期の子供には自信をできるだけ与えてあげることで、成長後に大きな変化が見えてくるでしょう。
子供たちがやりたいと申し出たことは危険の及ばない限りトライさせてあげたり、子供の話を遮ったりせず最後まで真剣に聞いてあげたりしながら、様々な経験を通して自信をつけさせてあげることが重要です。
どんなことにトライしてどれだけ失敗をしてしまっても、挑戦したことに意味がありますので、そのことに対して褒めてあげるように心がけましょう。
3.感謝の気持ちを伝えて認める
日頃から感謝の気持ち「ありがとう」をできるだけ子供に伝えるようにしましょう。子供は「ありがとう」と言われることで自分自身の存在意義を見出すことができるのです。
4.大げさなくらい褒める
子供が何か成し遂げられた時には大げさなくらい、最大限褒めてあげましょう。褒められた経験は子供にとって大変有意義なものになります。
5.話をしっかり聞いてあげる
子供が何か相談してきた時には、最後まで話を遮らずに聞き役に徹しましょう。一番大切なことは子供の相談に対して解決策を教えてあげることではなく、彼らの心の内を理解してあげることに意味があるのです。
叱る時には細心の注意を
子供は無知なのでだれでも叱られる場面があるでしょう。失敗を通して成長していくものですが、叱る時は特に注意が必要になります。
どんなに何回もダメだと伝えても、時に子供はいうことを聞かないかもしれません。イライラしてしまい、子供に対して必要以上に攻撃してしまいたくなる時もあるかもしれません。
そんな時に必要な正しい叱り方をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
1.愛をもって叱る
感情に任せて子供自体にやみくもに「怒る」のではなく、何が間違いだったのかを明確にし、「間違い」に対して叱ってあげるようにしましょう。決して子供の人格否定につながるような発言はしないようにしてください。
2.怒りを持ち越さない
親も同じように人間です。仕事に家事に疲れ切っていることでしょう。そんな中子供が言うことを聞かなかったりする時、間違いを起こしてしまった時、怒りを感じることもあるかと思います。
しかし子供を叱った後はそのことは水に流す覚悟が必要です。怒りを持ち越さない心がけが大切です。
3.他の子供と比べない
あなたの感情で子供自身の評価を決めてしまうことはあってはなりません。兄弟の中で誰が優れているか劣っているかは全く関係ないのです。また他人の子供がどれだけ賢いかなどもきにする必要はありません。
十分な愛情と自身をつけさせてあげて
子供は小さいながらにしっかりと物事を繊細に捉えています。しっかりと子供自身を認めてくれる人々の存在が、幼少期には特に大切になってくるのです。
幼少期にしっかりと自分と向き合う土台ができているのであれば、成長して思春期になった時などでも、しっかりとコミュニケーションを取りながら困難な状況を乗り越えられる子供になることでしょう。