人混みの中に行くと、体調が悪くなるという方がいます。よく「人酔いした」という方がいますよね。でも、そういう経験をしたことのない方からすると、人混みで酔うなんてことがあるのかと思ってしまうのではないでしょうか。しかし本当にある症状で、実際に人酔いに悩まされている方も多いのです。

これは「血管迷走神経反射」といいます。人酔いと呼ばれる様々な症状はなぜでるのでしょうか?原因や症状、さらに具体的な対策方法もご紹介いたします。人酔いのせいで、外出が億劫になってしまうという方は必見です。是非最後までご覧になって、今後の参考になさってください。

人酔いは「血管迷走神経反射」?

外出して人混みの中にいると、気分が悪くなったり、頭痛、めまいなどといった症状が出てしまう方は結構いらっしゃいます。そんな時、「人酔いしたみたい」とよく言いますよね。

この人酔い、実は「血管迷走神経反射」というものが原因かもしれません。なかなか難しい名前なので、初めて聞く方も多いでしょう。ですが、みなさん、小学校の時にこの症状を目にしているはずです。

集会や朝礼の時などに、突然倒れる人がいませんでしたか?まさにそれは、血管迷走神経反射だったのです。

これは、一時的に自律神経のバランスが崩れて、全身の血管が緩くなります。その結果、脳へ送られる血液の量が不足してしまうことで症状がでてしまいます。少し難しい名前ですし、怖い病気のようにもとられがちです。

ですが、この血管迷走神経反射だけが原因で倒れたのなら、心配する必要はありません。命に関わるほどの重大なものでもないので、安心してください。

人混みの中で体調不良に。「人酔い」の原因と症状、対策まとめ

人酔いの主な症状と原因

みなさんが「人酔い」と言っているものの症状は、下記のことなどがあげられます。

  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 体が重くなる
  • 失神
  • 疲れが出る

これらの症状が起こる原因として考えられるのは、次の通りとなります。

自律神経

上の項目でも説明しましたが、一時的に自律神経が乱れることが、人酔いの症状を引きだしてしまう原因となります。

ストレス

日頃から蓄積されたストレスのせいで、心身ともに弱っている状態で人混みに出かけてしまうと、症状がでることがあります。

敏感すぎる

もともと五感が過敏すぎる人は、人混みの中での音、動きなどにも過敏に反応してしまい、人酔いしてしまうことがあります。

個人のスペースを乱される不安感

あたりまえですが、人混みの中では他人との距離が必要以上に近くなってしまいます。元々個人のスペースを乱されることに嫌悪感を持ったりする人は、自分のスペースを乱されるという不安感から、人酔いしやすい傾向があります。

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人酔いが起こりやすい人や環境は?

上の項目でも説明したとおり、人酔いは自律神経が関係していますが、全ての人に起こるわけではありません。一般的に人酔いが起こりやすい人・環境と言われているのは、以下の条件になります。

迷走神経反射になりやすいタイプ

エレベーターのような狭い場所が苦手な人は、同じ行動をしていてもエレベーターに乗っているだけで緊張が続き、それが原因で具合が悪くなってりしまうというわけですね。

  • 睡眠不足
  • 小さなことでもすぐ、ストレスを感じてしまう
  • 日頃から同じ姿勢でいることが多い
  • アルコールをよく飲む(または弱い)
  • 疲れている

 

迷走神経反射になりやすい環境

女性の場合、妊娠することでも迷走神経反射になりやすくなる場合があります。これらのタイプや環境は、自分でコントロールできる場合もあるので自分で予防していくことも大切ですよ。

  • 暑い状態で行う激しい運動
  • 長時間の緊張状態
  • 長時間の立礼(朝礼や講演会など)
  • 注射といった強い痛みを感じるとき
  • トイレでいきんだ時
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人酔いの対策

一生人混みに行かないということは、おそらくできないことです。そんな時に人酔いしないように、しっかりと対策する必要があります。

適度に休憩を入れる

人混みを頑張って歩きまわらないで、適度に、一定の間隔で休憩を入れます。そうすることで、気持ちを落ち着け、体も休めることができ、人酔いを予防することができます。

好きな音楽を聴く

ウォークマンやスマホを使って、イヤホンで好きな音楽を聴きながらであれば、人混みでの人の会話や周りの音などが入ってこないですし、気持ち的にもずいぶんラクになります。

耳栓

これも、先ほどの音楽を聴くのと同様、周りの音や声を自分の耳に入ってこないようにするので、人酔いを回避することができます。

気にしない

「人酔いしてしまうかも」と考えると、間違いなく酔ってしまいます。肩の力を抜いてリラックスし、一度大きい深呼吸をして歩きだしてください。「人酔いなんて私はしない!気のせいだよ~」ぐらいの気持ちでいけば、人酔いを回避できるかもしれません。

一緒に出掛ける人には、念のため伝えておく

外出先で人酔いを起こし倒れてしまうと、一緒に出掛けている人はびっくりしてしまいますよね。適度に休憩をとるためにも、人と出かけるときは必ず『人酔いするかもしれない』と、伝えておくと安心できますね。

服装にも工夫を

ピッタリとしていたり、きっちりしている服装は、なんだか締めつけ感があり、気分が悪くなりやすくなります。できるだけ、人混みにでかけるのがわかっている時は、ゆったりした感じの服装にするようにしましょう。

疲れている時は避ける

睡眠不足だったり、疲労が蓄積していることが分かっている時は、なるべく人混みを避けましょう。人酔いの症状が出やすい状態ですので、しっかりと身体を休めることをおすすめします。

ガムをかむ

ミント系の爽快感があるガムがおすすめです。

ストレッチ

長い時間同じ姿勢を続けていると感じたら、ストレッチを行うようにしましょう。こまめに体を動かすことも人酔い対策のポイントになります。

人混みの中で体調不良に。「人酔い」の原因と症状、対策まとめ

血管迷走神経反射の前兆を感じたときの対応

  • 横になれる場所があるときは横になる
  • 外出先であれば、その場にしゃがみ込む
  • どちらもできそうにない場合は、両手を引っ張る
  • 足を交差させておしりやふくらはぎに力を入れる

症状が落ち着いてきたら、落ち着いて辺りの様子を確認しながら立ち上がりましょう。

上記のようにしっかりと対策をしていても、症状が出てしまう場合もあります。完全に症状が出てからではなく、前兆を感じたときに素早く以下のような対応をしましょう。

血管迷走神経反射が起きてしまったときの対応

前兆を感じて対処したけど症状が起きてしまった…そのようなときはまずは横になり、できるだけ足を高く上げ安静にします。このままの状態で15分ほど安静にしていると、症状は消えてきます。

症状が表れているときは失神しやすい状態でもあります。症状があらわれているのに無理をして入浴中に失神してしまうと、最悪命を落としかねませんね…。

症状が表れたときは無理せずに安静にするということを覚えておきましょう。

まとめ

いろんな人酔いの症状は、気の持ちようで避けることができます。出かける前から、「また気分が悪くなるかも」「酔ってしまうかも」などと考えていると、そうなりやすくなってしまいます。

血管迷走神経反射というものは、命に関わるような病気ではありません。人酔いの症状もずっと続くわけではなく、知らないうちに治っているというケースも多いので、あまり気にしないことが一番です。

「病は気から」というように、「酔ってしまうかも」「私、人酔いするから」ということを考えたり口に出したりしないのも大切です。無理のない程度にこまめに休憩を取り入れながら、外出を楽しんでください。