妊娠をすると、様々な新しい言葉を聞く機会が増えてきます。「母親学級」もそういったものの一つではないでしょうか。母親学級とは一体どんなことをしているのか、また参加しなくてはいけないのか、そんなあなたの疑問を解決し、詳しくその内容をご紹介します。
母親学級の3つのタイプと目的
母親学級は母親教室という名前でも呼ばれ、各市町村の保健所や病院など、様々なところが主催しています。実施機関によって違いがありますが、お産までの流れやお産のときの呼吸法、栄養指導、新生児の沐浴の仕方などを学びます。最近では父親が参加する父親学級や、両親が参加する両親学級なども開催されています。
母親学級には、主催や開催する機関によって大きく分けて3タイプあります。詳しく見ていきましょう
病院や産院などが行うもの
その病院や産院で出産を予定している人を対象に行われることが多く、実際に分娩室なども見学できたり、入院の手続きや注意事項なども合わせて説明が行われます。出産は別の病院を考えている場合や里帰り出産を予定している場合には、注意が必要です。
自治体が行うもの
保健所や公民館などで行われます。その地域や自治体に住む人が対象になるため、同じ時期に出産する人が集まります。ここでママ友ができて、出産後もお付き合いが続くといったことも多くあります。妊娠中だけでなく、出産後の育児相談や定期検診の説明、ヨガ教室を合わせて行うところもあります。病院では得られない、自治体が行っているサービス情報も教えてもらえます。
民間が行うもの
おむつメーカーやベビーグッズメーカーなど、企業などが主催して行うものです。大きなショッピングモールなどのイベントとして開催されることもあります。メーカーの新商品のモニター募集など、商品のPR活動を兼ねて行われることが多く、参加が抽選であったり、参加費が必要な場合もあります。試供品がもらえたり、抽選でプレゼントがもらえるなど参加した人だけの特典が豊富なのが特徴といえます。
どの母親学級でも、本やネットの知識だけでは実感しにくい育児について、実際に体験できるのが大きいといえます。また転勤や引っ越しなどで周りに知り合いや友達がおらず、孤独や不安に陥りがちなお母さんにとっては、相談ができる場所でもあります。母親学級は開催する機関によっては、数回行うところや、初産の場合はかならず参加するように言われる場合もあります。
母親学級で行われること
行われる時期が妊娠初期、安定期、妊娠後期と妊娠中複数回行われる場合と、希望の日に1回のみといった場合もあります。大まかには「妊娠、出産までの流れと注意事項」、「出産の準備、分娩についての流れ、産後について」、「新生児のお世話や沐浴について」など、実際に人形を使ったり、医師や助産婦、栄養士や歯科医などが直接参加して指導する形で学びます。
妊娠、出産までの流れと注意事項
妊娠週別の体調の変化、胎児の成長について、お母さんの栄養管理、また歯のケアの仕方や注意点などを学びます。つわりの対処法など、主催するところによっても内容は変わります。
出産の準備、分娩についての流れ、産後について
分娩時の呼吸法、母乳を出すためのマッサージ方法、入院時に必要なものの準備、病院などでは実際に陣痛室や分娩室を見学したりします。
新生児のお世話や沐浴について
人形を使って抱っこをする方法や、沐浴方法について学びます。妊娠中の性生活から、保健所では検診や出産後のサービスなどについて説明されます。両親学級では実際に赤ちゃんがお腹にいるときにはどれぐらいの重さが体にかかるのか、ご主人が体験するといったことが行われるところもあります。出産後の母親の体調の変化など、父親が知っておくべき知識なども合わせて教えてもらえます。
母親学級へはいつから通うの?
母子手帳をもらうときに、自治体から紹介のチラシをもらったり、病院で検診の際に案内をもらうのが一般的です。開催される回数についても違いがありますので、自分の体調がいいときに合わせ、参加できるときに参加するようにしましょう。妊娠して体が安定する中期以降に行われることがほとんどですが、途中で入院などのため参加できなくなるといったこともあります。また開催されるのは平日が中心なので、両親そろって参加することが難しい場合もあります。
母親学級へは絶対参加?
絶対参加というわけではありませんが、病院によっては両親学級に参加していないと出産の立ち会いが認められないということもあります。病院での母親学級は、入院や出産に関する手続きが一緒に行われることも多いので、できれば参加しておきたいですね。
様々な情報が手に入る現代では、わざわざ母親学級にいくのはちょっと面倒、と思ってしまうかもしれません。しかし妊娠して家で過ごすことが多くなるとどうしてもストレスがたまりがちです。同じ妊婦さんと話をすることで気が紛れることもありますし、旦那さんと二人で妊娠出産について学ぶことは、共同作業でもあり、連帯感が深まります。なかなか普段相談できないことや、また感謝の気持ちをお互いに伝え合えるきっかけにもなりますので、ぜひできるだけ参加することを考えてみてはいかがでしょうか。