少量でダイエット効果が期待できる、干しえのきを使ったダイエットが今ひそかにブームです。おみそ汁の具としてもおなじみのえのきですが、どうして干したものの方がダイエットには良いのでしょうか。干しえのきに含まれる栄養分や、ダイエットに効果のある成分など、そのダイエット効果について詳しくご紹介します。
「干しえのき」とは?
干しえのきとは、えのきを乾燥させたものです。えのき自体低カロリーで、100gあたり22kcalであり、食物繊維を多く含むことからヘルシーな食材といわれています。きのこ自体が食物繊維の豊富な食材ですが、中でもえのきは食物繊維を多く含み、整腸作用のあるキノコキトサンを含んでいて、ダイエットに最適なのです。
さらにえのきには鉄分が多く含まれ、血液をさらさらにするナイアシン、糖質をエネルギーに分解する際に必要となるビタミンB1が多く含まれています。また、脂肪の吸収を抑える成分であるキノコキトサンを含んでいることが分かり、注目されていますね。
しかしこれらの栄養分は、えのきの丈夫な細胞に含まれていて、えのきをそのまま食べるだけでは十分に取り入れることができません。そこでえのきを乾燥させ、細胞を壊すことで栄養分を取り込みやすくしたのが干しえのきなのです。さらに天日干しすると、えのきに含まれるビタミンDが倍増します。これには、カルシウムという成分の吸収を助ける働きのほか、体の代謝を助けるダイエット効果もあるため、生のえのきよりもさらにその効果が期待できるのです。
干しえのきの効果
干しえのきを食べることによって、体には次のような効果があります。
脂肪を燃焼させる
えのきには、エノキタケリノール酸という脂肪酸があり、これには内臓脂肪を減らす働きがあります。脂肪を分解させる信号を送る神経伝達物質、βアドレナリン受容体にこのエノキタケリノール酸が働きかけ活性化させるのです。つまり、運動して脂肪を燃焼させるのと同じ効果が干しえのきを食べることで得られるのです。
脂肪の吸収を抑制する
えのきに含まれるキノコキトサンには、小腸によって吸収される脂肪を阻止し、脂肪燃焼作用があります。ほかにも中性脂肪を減らす効果や血糖値を下げる効果もあるのです。
えのきには腸内環境を整える働きもあるので、脂肪の多い料理を食べるときにえのきを一緒に食べることで、よりその効果が得られます。
便秘の解消
えのきには食物繊維が多く含まれ、また整腸効果もあることから、便秘の解消に効果があります。えのきに含まれる食物繊維は、不溶性の食物繊維が多く含まれるため、腸内の有害物質を絡め取り体外へ排出する働きもあります。
疲労回復、代謝をよくする
えのきにはビタミンB1が多く含まれます。ビタミンB1はエネルギー供給、疲労回復に働く成分で、効率のいい糖質分解、また代謝向上効果も期待できます。ダイエットでは、代謝が上がることで脂肪が燃焼しやすい体になることで効果が上がりますから、えのきはダイエットに最適な食材といえるのです。
カルシウムの吸収をよくする
カルシウム不足は、ストレスを招き、肥満の原因にもなります。干しえのきにすることで増えるビタミンDには、カルシウムが体内に吸収される際にこれを助ける働きがあります。
さらにえのきには、交感神経の興奮を抑えるGABAや、ストレスを緩和するホルモンの合成を助けるパントテン酸なども含まれていて、リラックス効果があり、イライラから来る食べ過ぎなどを防止してくれる働きもあるのです。
干しえのきの作り方と摂取方法
それでは、干しえのきはどのように作ればいいのでしょうか。乾燥えのきを通販で購入することもできますが、えのきは手頃な価格で販売されていますので、ぜひ手作りしてみましょう。
干しえのきの作り方
1.えのきの石突きを切り落とす
2.ざるやシートなどに、えのきをほぐして並べる(よくほぐすことで乾きやすくなります)
3.天日の下で乾燥させる(風通しの良い場所で)
4.2時間ほど乾燥させ、フライパンで7~8分ほど、から煎りして水分を飛ばす
5.細かく刻んで密封容器に入れて保存する(細かく刻むほどエノキタケリノール酸が多く摂れる)
干しえのきの摂取方法
干しえのきは1日に5g程度を摂取すると効果的です。料理に混ぜる、そのまま食べる、またお湯を注いでお茶にして飲むのもおすすめです。
えのき茶にする場合は、沸騰していないお湯(沸騰する直前のお湯か、ポットで保温しているお湯がおすすめ)で90度ぐらいのお湯を保温効果のある水筒に入れ、干しえのきを入れて30分ほど蒸らします。出掛けるときにそのまま持って行くことができるので便利です。飲む際は、干しえのきと一緒に飲むようにします。
干しえのきの食べ過ぎには注意?食べ過ぎで起こることとは
干しえのきは生と違い、香ばしく食べやすいので、おやつ代わりに食べると5gをすぐに越えてしまいます。また干しえのき茶を飲む場合も、1日あたり500mlを限度にしておきましょう。
干しえのきはダイエット効果がありますが、食べ過ぎや飲み過ぎはお腹の不調や下痢といった症状を引き起こしやすい成分が多く含まれています。すぐに効果は出ない方法なので、適量を守って続けることが何よりも大切です。また少ないといっても糖質が含まれますので、他の食材と一緒に料理に使う際にも、注意しましょう。