スタミナの代名詞であるにんにく。あのパンチの効いた風味に虜になる人は多いですよね。と同時に「きらいじゃないんだけど、ニオイが…」なんて声も多数。ニオイを気にするあまり、にんにく料理を避けている人もいます。
しかし、にんにくは確かにニオイが強いのですが、そんなネガティブ要素を吹っ飛ばすくらい美肌効果が詰まっているんです。今回はニンニクの持つ美肌効果にスポットを当ててご紹介します。
にんにくの美肌効果の秘密は「アリシン」
にんにくの持つ強い匂いの元となっているのが「アリシン」です。アリシンは細胞膜の中にあり、疲労を解消してくれたり、生活習慣病の予防にも効果を発揮してくれます。そして、嬉しいことに美肌効果まで持っているんです。
血流改善効果
血流がスムーズに流れると多くの細胞に栄養や酸素が運ばれ、体の隅々にまで十分に行き渡ります。すると肌の代謝も良くなり、ターンオーバーが正常に行われます。
ターンオーバーは約28日~54日周期で行われていますが、血行が良くなることでこの周期が早くなることも。肌の生まれ変わりが早くなれば、それだけみずみずしい素肌を保てるということです。ハリのあるふっくらとした肌が長く続くなんて素敵な話ですよね。ほかにも、血流が改善すると体の中に溜まった老廃物を回収して運んでくれるので、お肌の老化を抑える効果もありますよ。
お肌の代謝促進効果
ビタミンB1の吸収を高める作用もあるアリシン。ビタミンB1は皮膚のターンオーバーを促進させる効果を持っているので、ツヤツヤ・スベスベのお肌へと生まれ変わらせてくれます。
ただ、ビタミンB1は水溶性なので熱に弱いのが特徴です。そのため、ビタミンB1を含んだ食材を料理に使っても1/3~半分ほどは失われてしまいます。でもアリシンと結びつくと「アリチアミン」という成分に変化して熱に強くなり、調理をしても失われにくくなるのです。また、体内では再びビタミンB1となり、腸管からしっかりと吸収してくれます。
強い抗酸化作用でアンチエイジング効果
私たちの体は呼吸によって酸素を体内に取り込み、栄養素と結びつくことでエネルギーを生み出して生命を維持しています。それと同時に発生するのが活性酸素で、細胞を酸化させたりと、老化の原因になることでも有名ですね。
活性酸素は紫外線を浴びたときにも体の中で発生していて、コラーゲンを壊してしわやたるみの原因になります。アリシンには強い抗酸化作用があるので、活性酸素の働きを抑える効果が期待できるのです。
アリシンを発生させるためには
アリシンが肌にとって大きなメリットを持った成分であることは先ほどご紹介した通り。では、どうすればアリシンを発生させることができるのでしょうか?
実は、生のにんにくは何もしなければほぼ無臭なのですが、調理することで強いニオイを発します。そのため、刻む、潰す、すりおろしたりすることでアリシンを発生させることができます。
気になるニオイはどうすれば消える?
外出先でにんにく料理を食べるとどうしてもそのあとのニオイが気になりますよね。「外では我慢すればいいのに…」なんて意見も聞こえてきそうですが、食べたいものを食べたいときに食べたいというこの気持ち、きっと誰にでも共通しているはずです!でも、食後のにんにくのニオイを消す方法はあるのでしょうか?
牛乳やお茶を飲む
にんにく料理を食べるとき、牛乳やお茶を一緒に飲むとニオイを抑えることができます。にんにく料理に牛乳はちょっと…という人は多いので、ぜひ緑茶をお供にして食事をしてみてください。
「食べながら飲んだほうが良い」「食べ終わった後に緑茶を飲んでも効果がある」などさまざまな意見があるのですが、緑茶の消臭力がにんにくのニオイにも効果を発揮するのは確かなようです。
りんごを1切食べる
にんにくを食べると胃からニオイが上がってくる、なんて話を効いたことがありませんか?そんな内臓からのニオイにはりんごがおすすめです。ポリフェノールや酵素には消臭効果があるのですが、りんごにはそのどちらも成分として含まれています。
ミントガム・タブレットを活用する
もっと手軽な方法としては、ミント系のガムやタブレットを服用するという手があります。ミントに含まれるメントールの効果によって、消臭だけでなく抗菌作用も期待できますよ。
ただし、味のなくなったガムを噛み続けると、唾液の分泌が落ちて口中が乾燥してしまい、口臭の原因になることもあるため、そこの部分には注意しましょう。
汗と一緒に排出する
にんにくを食べると、アリシンはすぐさま血液によって体中に行き渡ります。そう、体中ににんにくのニオイがまわるんです。胃や口の中だけのケアでは不安があるという場合には、運動をして汗と一緒にニオイを排出するという方法があります。水分をしっかり補給して存分に汗を流してください。気持ちだけでなくニオイもスッキリしますよ。
過剰摂取には注意!
女性だけでなく男性もお肌がきれいだと自信が湧いてきますよね。だからと言って必要以上ににんにくを食べてアリシンを摂取しようとすると、体調を崩す場合があります。
アリシンには殺菌効果もあるのですが、これは悪い菌だけでなく良い菌にまで影響を与える強力な力を持っています。もし過剰摂取をすると腸の善玉菌まで死滅させてしまい、胃腸障害を起こす可能性があるので注意しましょう。
アリシンはもともと硫化アリルの一種であるアリインという成分で、体内に入ってから変化してできる成分です。硫化アリルはアレルギーの原因物質になる可能性があり、アレルギー性皮膚炎を引き起こすこともあるので摂り過ぎないように気を付けましょう。
にんにくチューブでも同じ効果はある?
お料理ににんにくのチューブを使っている人も多いでしょう。効果は同じなのかと心配になりますが、にんにくが入っている分だけアリシンも摂取できるようです。仕事や育児で忙しい人、手軽に料理を楽しみたい人はチューブを活用するのもおすすめですよ。