赤ちゃんが頻繁に顔をこすっていると心配ですよね。一日に何度も顔をこすると爪が当たって肌を傷つけてしまうこともあります。
赤ちゃんが顔をこするのはどうしてなのでしょうか。また、顔をこすっているときはどのように対応すれば良いのでしょうか。
ここでは、赤ちゃんが顔をこする原因となる肌トラブルや顔をこするときの対処法についてご紹介いたします。
赤ちゃんが顔をこする原因となる肌トラブル
赤ちゃんが頻繁に顔をこすっているときは、肌トラブルが原因で顔がかゆかったり、顔に不快感があったりする可能性が高いです。
それでは、どんな肌トラブルが赤ちゃんの顔にかゆみや不快感を生むのでしょうか。
赤ちゃんの顔に現れる肌トラブルとして代表的なものは次の3つです。
乳児湿疹
これは赤ちゃんの肌湿疹の総称です。赤ちゃんの肌は敏感で刺激を受けやすいので、さまざまなことが原因となって湿疹が現れますが、頻繁に見られる湿疹としては次のようなものが挙げられます。
新生児ニキビ
新生児ニキビは生後28日から3ヶ月程度の赤ちゃんに多い湿疹です。思春期ニキビと同じような赤ニキビがおでこや頬を中心に顔全体に見られます。
この時期の赤ちゃんにニキビが見られるのはおなかの中でお母さんからもらったホルモンの影響が現れるため。ホルモンが皮脂を過剰に分泌させると、増えすぎた皮脂が毛穴に詰まってニキビのような湿疹が現れるのです。
乳児脂漏性湿疹
ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されているときは乳児脂漏性湿疹にもなりやすいです。この湿疹は皮脂が毛穴に詰まって起こるもので、耳の周りや頭などお風呂で洗いにくい部分に現れます。
首から上に黄色いかさぶたのようなものが現れたり、顔にフケのように見えるカサカサの湿疹が現れたりすると乳児脂漏性湿疹を疑うと良いでしょう。
乾燥性湿疹
新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹になりやすい3ヶ月ごろを過ぎると今度は肌が乾燥しやすくなります。
赤ちゃんの皮膚は大人と比べて薄いので、肌に十分な水分を溜められません。
肌の水分には外部の刺激から肌の内部を守る役割がありますが、水分が不足すると外部からの刺激を受けやすくなるので、赤ちゃんは少しの刺激で湿疹を起こします。
特に空気が乾燥しやすい秋冬やエアコンの影響を受けやすい夏は乾燥性湿疹を引き起こす赤ちゃんが多いです。
アレルギー
小麦やそば、たまご、乳製品などを食べた後、30分以内に湿疹が現れて赤ちゃんが顔をこするときはアレルギー症状が出ている場合が多いです。
症状がひどい場合はアナフィラキシーショックを起こし、命に危険が及ぶ可能性があるので、気になることがあれば、早めに病院に連れて行ってあげましょう。
アトピー性皮膚炎
乳児期に2か月以上湿疹が続く場合は、アトピー性皮膚炎の可能性が高いです。アトピー性皮膚炎の場合、湿疹は頭や顔から始まって体にも現れるので、少しずつ湿疹の範囲が広がっていったらアトピー性皮膚炎を疑いましょう。
明らかな原因は分かっていないものの、アレルギーやストレスなどの要因が重なって症状が現れるとされています。
あせも
赤ちゃんは大人よりもたくさん汗をかきます。また、汗の出口である汗孔が未熟なため、汗が皮膚に溜まりやすいです。
長時間、汗が皮膚に溜まった状態を放っておくと菌が増殖して炎症を起こします。この状態があせもであり、あせもになると湿疹やかゆみがあらわれて赤ちゃんが顔をこすります。
肌トラブルのケアのやり方
赤ちゃんが顔をこする原因の肌トラブルをそのまま置いておくと、強い力で顔を掻いて肌が傷つけたり、肌トラブルが悪化したりします。赤ちゃんの顔に肌トラブルが現れたら、セルフケアをしてみましょう。
赤ちゃんの肌トラブルに対するケア方法は次の通りです。
乳児ニキビと乳児脂漏性湿疹は清潔に
新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹は皮脂が原因で起こります。皮脂が肌に溜まってしまわないようにお風呂でしっかりと洗い、肌をきれいな状態に保ってあげましょう。
赤ちゃんの顔を洗うときは乳児用のせっけんを使います。大人用のせっけんを使えば、肌に刺激が与えられて炎症を引き起こすことがあるので、赤ちゃん専用のせっけんをしっかりと泡立ててやさしく洗うことが大切です。
また、赤ちゃんに使うタオルや寝具も清潔な状態を保ちましょう。できるだけ頻繁に洗濯して、肌に炎症を起こさないことが大切です。
乾燥性湿疹には保湿
乾燥性湿疹の場合、湿疹が気になるからと赤ちゃんの顔を洗いすぎると乾燥が悪化して、さらに湿疹がひどくなる可能性が高いです。
乾燥性湿疹が疑われる場合はお風呂で赤ちゃん専用のせっけんを使って顔を優しく洗った後、乳児用のクリームやローションで保湿してあげましょう。
乾燥がひどくならないように加湿器を使うなどして部屋の湿度を上げることも大切です。
あせものときは汗を洗い流す
あせもは汗が長時間肌に溜まっていることが原因で起こります。あせもができて痒がっているときはシャワーなどで頻繁に汗を洗い流して顔を清潔な状態に保ちましょう。
気温が高いときは28度前後にエアコンを設定して汗のかきすぎを予防してください。
症状が改善されないときは病院へ
新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹、乾燥性湿疹、あせもなどが原因で顔をこすっている場合、適切なケアをすれば自然に肌トラブルは治ります。
しかし、アトピー性皮膚炎やアレルギーはセルフケアが難しく、そのまま置いておくと肌の炎症がひどくなるので、気になることがあれば、医師の診察を受けましょう。
適切な治療を受けることで赤ちゃんも快適に過ごせます。
顔をこすっていても心配いらない時もある
赤ちゃんが顔をこすっても心配が必要ないときもあります。特に眠いときは顔をこする赤ちゃんが多いです。
眠いときに目をこするのは、涙の分泌量が減少するため。涙が減少すると自然に目をこすり、涙を分泌させようとしますが、赤ちゃんは手を上手くコントロールできず、顔をこすってしまうと考えられています。
顔をこすっても肌に湿疹や赤みが見られない時はしばらく様子を見ても良いでしょう。
肌トラブルには適切な対処を
赤ちゃんが顔をこするときはよく観察をして肌トラブルを起こしていないか確認してあげましょう。肌トラブルがあれば、適切な方法でケアをして、かゆみや不快感を取り除いてください。
顔を何度も擦るときは、爪を切って傷を予防したり、話しかけて気を逸らしたりするのも効果的ですよ。