何か一つに没頭していた人がやり遂げたり、期待通りの結果にならなかったとき、これまでのやる気がウソのように無気力になってしまう燃え尽き症候群。最近はこの燃え尽き症候群が急増中です。
もしかしたら気が付いていないだけで、燃え尽き症候群にかかっているかもしれません。そこで今回は急増している燃え尽き症候群の主な症状やその原因をご紹介いたします。
「燃え尽き症候群」とは?
燃え尽き症候群と聞いてどのようなものを想像するでしょうか?何かをやり遂げたとき、目標を達成したときにこれまでのやる気がウソのように無気力になってしまうというものを想像する方が多いのではないでしょうか?
燃え尽き症候群とは、バーンアウトシンドロームともいわれていて、何か一つのものに没頭していた人が、燃え尽きたかのように意欲をなくしてしまい、社会生活を満足に送れなくなることをいいます。燃え尽き症候群はうつ病の一種だとも考えられています。
燃え尽き症候群の症状はいろいろですが、最悪の場合、自殺したり過労死にまでいたるので、決して軽くみてはいけません。
燃え尽き症候群は、もともとは教師や医療や介護、サービス業などに携わる方に多かったですが、最近ではこれ以外の職業に携わる方にも急増中です。
没頭していた一つの物事をやり遂げて燃え尽き症候群を発症するケースもあれば、努力を重ねていたにも関わらず、期待した結果が得られないケースでも発症します。どちらかといえば後者の方が多いです。
現れる症状と原因
急増する燃え尽き症候群に現れる症状はさまざまです。次のような症状が現れたら、燃え尽き症候群を疑っても良いかもしれません。
燃え尽き症候群の症状
イライラする
誰でもイライラしますが、燃え尽き症候群では常にイライラします。気心の知れた家族と一緒のときでもイライラしてしまいます。常にイライラしてしまうのは、小さなストレスが積み重なっている証拠です。
心身の不調
抱えきれないほどのストレスを受けているので、心身の不調が現れます。体が常にだるい、頭痛、吐き気、めまい、熱っぽいといった症状が感じられます。ストレスによって自律神経も乱れてしまうので、あらゆる不調が現れます。
ひどくなると、仕事のことばかり考えて眠れなくなったり、不眠症に進行することもあります。
仕事のことを考える
プライベート中でも仕事のことをふと考えてしまうことはあります。よくあることと感じますが、燃え尽き症候群ではマイナスの感情を伴ってしまいます。
冷淡になる
ストレスによって周りの人に対して冷淡になってしまいます。特に会社の上司や同僚に対して冷たい態度を取ってしまうようになります。ストレスによって、心の余裕がなくなっている証拠です。
遅刻や欠勤が増える
燃え尽き症候群に多いのが遅刻や欠勤です。これは逃避の一種で、辛い状況から逃げたいという気持ちの表れです。心が悲鳴を上げ始めている証拠です。
燃え尽き症候群の原因
過度のストレス
職場は1日の大半の時間を過ごす場所です。そんな場所でパワハラやセクハラ、業務量が多すぎるなどのストレスを長期間にわたって受け続けると、心身ともに疲れてしまいます。
やりがいがない
自分のスキルに合わない仕事ではやりがいは感じません。それだけではなくストレスの原因です。自分の能力よりもハイレベルすぎる仕事もストレスになりますが、ローレベルな仕事もストレスになります。自分に合った仕事内容や職場環境を選ぶことは大切です。
人に頼れない
人に頼れない環境や性格は、ストレスがかかります。常に強いプレッシャーを受けながら仕事をすることになるので、心が休まりません。
完璧主義
何事もきちんと完璧を目指す完璧主義は、自分を追い詰めてしまいます。完璧主義は燃え尽き症候群だけでなく、他の精神的な疾患の原因になります。
生活リズムの乱れ
食事の時間帯や内容、睡眠など生活リズムが乱れていると、体だけでなく心のバランスも崩してしまいます。体の免疫が下がりますから、風邪などの病気にもかかりやすくなります。
子供にも増えている燃え尽き症候群
最近では働く大人だけではなく、子供にまで燃え尽き症候群が増えているといわれています。子供にそんな大きなストレスがかかるようなことがあるのか?と思う方もいるかもしれませんが、スイスやフランス語圏の調査では14歳~18歳の生徒のなんと14%が燃え尽き症候群だといわれています。
ここ最近では、小学生にも見られるようになったようで、低年齢化してきています。
これは受験など外的なストレスが増えてきたのが原因だといわれています。子供の燃え尽き症候群では無気力や無関心に加え攻撃的になることも。
燃え尽き症候群かなと思ったら
「もしかして燃え尽き症候群かな?」と思ったら早めの治療が必要です。
治療というと薬を服用するイメージが強いですが、燃え尽き症候群の場合、薬を服用したからといって治りません。病院を受診しても、一般的には薬の処方はされません。
燃え尽き症候群かな?と思ったら、がんばることをやめてみましょう。
燃え尽き症候群は頑張り過ぎて、心身ともにオーバーワークになり悲鳴をあげています。頑張り過ぎていることをしっかり認めて、休養をとることが大切です。
ですが、いったん休養をとったとしても、燃え尽き症候群の原因に対して対策をしないと、また繰り返してしまいます。自分の限界のサインを見逃さずに、仕事の量を調節したり、誰かに話を聞いてもらうなどの対策をとりましょう。