強烈なかゆみが突然起こり長引くのは、虫刺されでもダニが原因で起きます。かゆみに耐えきれずにかきむしると、跡が残ってしまうこともあり、やっかいな相手です。皮膚の柔らかい部分である腹や脇腹、また服の上から噛みつくダニは、噛まれないように予防をすることが大切です。そこで今回は、ダニに噛まれないための対策や予防方法について、詳しくご紹介します。
「ツメダニ」って何?
屋内に生息するダニは、アレルギーの原因となるヒョウダニと、梅雨時期から秋口に大量に発生するコナダニがいます。この2つのダニは、人に危害を加えることはないのですが、ヒョウダニとコナダニをエサにするツメダニの大量発生を招きます。このツメダニは、元々は人を刺すダニではないのですが、間違って人を刺すことがあります。
ツメダニの特徴
ヒョウダニやコナダニの他、チャタテムシやノミの幼虫などをエサとする、体長0.3mmから0.8mmほどの淡い黄色、また褐色のダニです。基本的には捕食をしてその体液を吸うため、人へ積極的に向かうことはあまりありません。
ツメダニは日本全国に分布しており、発生時期としては4月頃から10月頃、特に8月から9月に大量発生します。屋内の温度が高く、湿気の多い場所、特に畳やカーペットや布団に多く発生する他、コナダニの発生する食品などに発生することもあります。
一戸建ての家よりも、気密性の高いマンションに多く発生し、暖かい部屋で繁殖することが多いダニとされています。
ツメダニに噛まれた時の症状
大量発生すると人と接触する機会が増えるため、エサのダニと間違って噛みつき、体液を吸います。刺されてから1日、もしくは2日ほどしてからかゆみの症状が出始め、1週間ほど激しいかゆみが続きます。
刺される場所としては、首から胸、腕の柔らかい部分、膝や股などで、布団や畳と接している部分が特に多いとされています。
ダニが繁殖する条件とは
ダニが発生する条件には、以下の3つがあります。
室内の温度と湿度が高い
室内の温度が25度から30度、湿度が70%から80%の高温多湿の状態になると、ダニが繁殖しやすい環境になります。これは湿度が高くなる梅雨時期だけでなく、暖房を入れる冬場でも、条件が揃えばダニが発生しやすくなります。
ダニのエサが豊富にある
ダニはヒョウダニであれば、ホコリ、人のフケや垢、汗など、コナダニは小麦粉や砂糖、削り節、味噌、チーズやチョコレートなどの食品をエサとしています。また水分のある場所にも発生しますので、室内で洗濯物を干している場合や加湿器を使っているのも、ダニを発生させやすい環境となります。
卵を産み付けられる場所がある
畳やフローリングに、カーペットを敷いていたり、重ね敷きしていると、その間に湿気が溜まり、温かいので卵を産み付ける環境になります。家具と壁との隙間や、冬の間使った布団を手入れをしないまま押入れにしまうといったことも、ダニの繁殖しやすい場所を提供していることになってしまいます。
さらにペットを飼っている、小さな子供がいる場合など、どうしても食べこぼしなどで床が汚れるため、まめに掃除をしていないとダニが発生しやすくなります。特に気密性が高くなったマンションなどでは、年間を通じてエアコンを使用していて、換気があまりされないのもダニを増やす原因になっているのです。
噛まれないようにする方法
ツメダニは、エサとするヒョウダニやコナダニが大量発生することで発生するため、これらのダニを防ぐことがツメダニに噛まれないことにつながります。
1.ダニを繁殖させない
ダニは防虫スプレーなどで駆除することは難しく、狭い隙間や奥に入り込んでしまいます。ダニが繁殖しにくい環境を作り、増やさないことが大切です。ダニが繁殖しやすい温度や湿度にならないように、小まめに換気すること、除湿機などで湿度を下げることも必要です。
合わせて掃除機をまめにかけて、ダニのエサとなるホコリや人間のフケやアカを吸い取り、食べ物も密封容器に入れるなどしてダニが入り込まないようにしましょう。
2.シーツの小まめな洗濯と布団に掃除機をかける
ツメダニは布団などに入り込んでいることが多く、寝ている間に刺された場合、布団やシーツなどに生息している可能性が高いといえます。ダニは50度以上の環境で、30分すれば死滅するといわれていますので、布団は日光に当て、シーツは洗濯して乾燥機にかけるなどして、ダニやダニの死骸、卵を取り除くようにしましょう。
布団乾燥機や布団専用の掃除機を使う、また布団の丸ごと洗いを利用することで、ダニを除去するようにしましょう。
3.虫除けスプレーを使う
ダニを退治するには、時間もかかりますので、その間に刺されることのないよう虫除けスプレーを使うようにしましょう。旅行などでダニがいるかどうか分からない場合にも、予防になります。
また畳に布団を直接敷かず、ベッドなどを使うことでもダニを寄せ付けないようにすることは可能です。
もし噛まれたら?
噛まれてしまった場合には、自分で処置をせず早めに病院に行きましょう。子供の場合、無意識にかきむしることが多く、細菌が入り込んでとびひなどになり、痕になることがあります。またかきむしった場所から雑菌が入ることで悪化することもあるため、病院で塗り薬を処方してもらいましょう。
噛まれた時の状況や場所などについて、詳しく病院で伝えることも大切です。ダニにも種類があり、それによって処置も変わってきますので、自分でかゆみ止めを塗ったりせずに、かゆみが辛い場合は冷やしながら病院に行くようにしましょう。
ダニを徹底的に退治する対策
ダニは日光では死滅することがなく、裏の部分に隠れているため完全に駆除することができません。ダニを退治するために、以下の対策も考えてみましょう。
床をフローリングにする
畳や絨毯などの住処をなくすことで、ダニの繁殖を減らすことができます。
ソファーを革製やビニールの素材に替える
布製の場合ダニが繁殖しやすくなるので、別の素材にする、もしくは置かないようにするといった方法があります。
ダニ防止のカバーを使う
ダニが入り込めないよう隙間がない布団カバーや寝具カバーを使うことで、ダニが布団に入り込むことを防ぐことができます。
また市販のダニマットを布団の下に敷き、定期的に交換することでダニをマットに捕獲して処分するといった方法もあります。様々な方法でダニが住み着かない環境を作ることも必要です。