みなさんは、夜ぐっすりと眠れていますか?睡眠時間はとれているはずなのに、なんだか目覚めが悪かったり、睡眠不足気味だと感じていませんか?それは枕が合っていないのかもしれません。家族からいびきがうるさい、といわれている方もいるのではないでしょうか。
周囲を不快な気分にさせてしまういびきがどうしてでるのか、その原因をご紹介いたします。枕とどう関係があるのか、自分に合った枕の選び方も併せてご紹介いたします。悩んでいる方、悩まされている方、是非参考になさってください。
気道が狭くなるのはなぜ?
気道が狭くなっていびきがでるのはよく知られていることですが、どうして気道が狭くなるのかご存知でしょうか?原因は一つではありません。
肥満
肥満体質で、首周りに脂肪がたくさんついていて二重あごになってしまっている方は、寝ている間に舌が喉の方に傾き落ちます。これが気道を狭くしていたのです。
小さいあご
日本の食生活も時代とともにかなり大きく変化しています。その変化の中で、よく噛むという習慣がどんどん減り、あごが小さい方が増えました。噛む力がなくなっていくことで、あご周りの筋力が低下し、舌をしっかりとささえられなくなり、気道が狭くなります。
飲酒
アルコールをたくさん摂取すると、アルコールによる筋弛緩作用によって、筋肉が緩みます。そのため、寝ている間に舌が喉の方に傾き落ちて気道を狭くします。
鼻づまり
風邪などによって鼻がつまると寝ている間は口で呼吸を行うことになります。ですが、口呼吸では気道が狭くなってしまいます。
枕
枕の高さがあっていないことで、気道が狭くなってしまうことがあります。普段何気なく使っている枕ですが、選ぶ時は安易に決めずに、しっかりとあっているのかどうかを確認することが大切です。
枕との関係は?
普段枕を購入するときは、それほど細かく高さをチェックしたりしない方が多いです。でも枕の高さはとても重要なのです。ふかふかした枕はとてもきもちがいいですよね。また、高さがある枕を選ぶ方もいます。
高すぎる枕は、仰向けに寝てみると、少しうつむきのような状態になります。この姿勢を続けることで、気道が圧迫され狭くなっていびきが出るようになります。
また逆に首が反り返っている状態でも同じ現象(気道が狭くなる)が起こってしまいます。この状態ですと、舌やのどちんこが喉の方に傾いて落ちていくことになります。これによっても気道が狭くなります。鼻での呼吸がしにくくなり、口呼吸するといびきがでるようになってしまうのです。
枕を選ぶとき、どうしても触った感じや、実際に寝てみた感じで何となく決めてしまっていませんでしたか?自分に合っていると思っていても、プロの方からみれば合っていない方の方が多いです。
いびきでお悩みの方は、自分に合った枕を探してみることをおすすめします。
枕の選び方
気道をしっかりと確保するためにも、自分にあった枕をプロに選んでもらうのが一番確実な方法です。ですが、そうなるとかなりお高くなってしまいます。まずは自分で探すときのポイントをいくつかご紹介いたします。
素材
ついついふかふか柔らかい物を選びたくなる気持ちはわかります。ですが柔らかい物は、寝ている間に寝返りなどをして、高さがかわります。できるだけ就寝中に形が変わりにくい物を選んでいただきたいです。
イチオシは「高反発」素材です。常に頭の高さを一定に保つようサポートしてくれます。低反発の方がいい、という方もいます。それでも自分に合っていれば問題ありません。ただ低反発は価格に大きく差があります。安いものを選ぶ方も多いですが、値段だけのことはあって、劣化が早いです。
少し高くても、毎日使うものでいびきが改善できるなら、良い物を選ぶほうがいいのではないでしょうか。
形
高反発枕もいろんな形があるようですが、平らで四角いものを選んでおきましょう。
高さ
これが一番のポイントです。まず、枕を使って仰向けに寝たときに、背中や腰が浮いていないかを確認してもらいます。横向きになったときも、頭の高さがかわっていないかもチェックしてください。
寝ている時に仰向けになった場合、気道がせまくなってしまわないように首のS字ラインに沿っているものを選ぶようにしてください。
いびきを防止するための枕というものも販売されています。それらの商品の中には、自分に合う高さに整えるためのシートが付いているものがあります。もしシートが付いていなくても、枕の下にタオル類などをたたんだ状態で入れて敷くことで調整することができます。
いびき防止枕は効果があるの?
いびきが起こる原因は、気道が狭くなることにあります。寝ている時の気道が狭くなってしまわないようにすることで、かなり高い確率でいびきを防ぐことができます。効果には個人差がありますが、いびきをかく人でこれを使用した多くの方が、その効果を実感しています。
いびき防止枕は、いびきを根本から解消してくれるのではありません。気道確保が目的で作られています。肥満の方でこの症状があるなら、一度専門外来を受診することをおすすめします。
自分に合う枕にするだけでいびきを防いだり、軽減したりすることはできます。すべての人に効果があるわけではありませんが、一番簡単に始められる方法としてはおすすめです。
いびき防止枕で、横向き寝用の枕も販売されています。ですが、これは横向きで寝ることを前提として作られています。寝ているときはずっと同じ向きではありません。寝返りをうったり、仰向けになったりうつ伏せになることもありますので、あまりおすすめはできません。
枕を新しいものに変えようと思った方、枕の専門家がいるお店に足を運んで、自分にベストな枕はどんなものなのかみてみるのもいいのではないでしょうか。