スキンケアや化粧をやめることで肌の元々持っている力を取り戻す肌断食がブームです。ただリスクもあり、正しい方法で行わないと逆に肌に負担をかけることになります。また肌断食が向いている肌や向いていない肌もあります。肌断食をすることによる効果や、注意点、そして正しいやり方を解説します。
肌断食の効果
肌断食とは、今までやっていたスキンケアやメイクを一切やめるという「ケアをしないケア」のことをいいます。私たちの周りには、様々なメイク用品やスキンケア用品があふれていますが、肌に合わないのに使い続けていたり、また過剰なケアによって肌が疲れてしまい、肌本来の回復力が弱ってしまうといったことも増えてしまいます。
そこで肌に与えていた美容成分をリセットすることで、本来の肌の機能を取り戻そうとすることを目的にした肌断食が人気を集めているのです。実際に肌断食をすることでどんな効果が得られるのでしょうか。
乾燥しにくい肌になる
クレンジングや洗顔料は、メイクや顔の表面の汚れを落とす効果がありますが、強い効果もあるため肌に必要な潤い成分まで一緒にはぎとってしまいます。そのためこれらの洗顔料を使わず、水だけで顔を洗うことは、肌に負担をかけず、乾燥しにくい肌にするだけでなく、肌本来が持っている潤いを守ることにつながります。
ニキビのできにくい肌になる
肌が乾燥すると、肌は皮脂を出して肌に潤いを与えようとします。ただし必要以上の皮脂は毛穴をふさいでしまうため、肌の老廃物が排出されなくなってしまい、ニキビができる原因となってしまいます。肌断食で肌に潤いが戻れば、ニキビもできにくくなっていきます。
肌の力が回復する
化粧品に使われている界面活性剤は、肌を守るバリアを壊し、肌の回復を妨げてしまいます。その結果肌のターンオーバーが乱れ、毛穴が詰まって、角栓となって肌の表面が荒れてしまいます。肌断食で界面活性剤を使わないようにすることで、肌本来の働きが取り戻され、肌の毛穴も小さくなっていきます。
このように様々なメリットのある肌断食ですが、肌に合わないと感じたり、逆に肌荒れがひどくなってやめてしまったという人も少なくありません。肌断食は効果があると、専門家の間でもいわれているケア方法にもかかわらずなぜ失敗してしまうのでしょうか。その理由について詳しく見ていきましょう。
失敗に終わる理由は?
肌断食を失敗してしまった人はなぜ上手くいかなかったのでしょうか。失敗例を元に、原因についてみていきましょう。
肌荒れがひどくなった
元々乾燥肌や敏感肌で、手厚くケアをしていた人ほど、急にケアをやめてしまうとひどい肌荒れが起こります。そのためこのままの状態が長く続いたらどうしようとまたケアを再開してしまう人も少なくありません。
仕事などで外に出たり人に会うことのある人はなおさら心配や不安になってしまい、挫折してしまいがちです。ですが肌断食で肌が回復するまでは個人差もありますが、時間がある程度かかります。
肌が乾燥して痛い
肌断食をすると、肌の表面を覆っていた成分がなくなってしまうので、肌は無防備な状態になります。そのためちょっとした刺激でも痛みを感じたり、かゆみが起きたりといったことが増えてしまいます。
ニキビができやすくなった
肌断食ではニキビができにくくなりますが、それは肌のターンオーバーが正常に戻ってからのことです。それまでは時間がかかるため、肌が荒れてニキビができやすくなります。ターンオーバーが正常化するまでは、ニキビが前よりもできやすくなります。
いつまで続ければいいのか分からずに挫折
肌断食をしていても、人に会わずに過ごすことはほぼ不可能です。さらに肌断食の効果は人それぞれなので、短期間で効果が出る人もいれば、1年近くかかる人もいます。
肌断食をすれば、すぐに肌がきれいになると考える人ほど、「失敗してしまった」と途中で肌断食をやめてしまう傾向にあります。それは肌断食の正しい方法を理解しておらず、肌ケアを突然やめてしまうことで、肌に起きるトラブルに対処できていないことが大きな原因です。
さらに、加齢で肌が乾燥しがちな人や、元々の肌が乾燥肌である場合、肌断食をすることがかえって逆効果になることもあります。肌断食が向いている肌とそうでない肌があることを理解しておくことも必要です。
肌断食の正しいやり方
肌断食の方法として、全く化粧品やスキンケア用品を使わないようにする方法をいきなり始めてしまう人がいますが、これは激しい好転反応(肌が従来の姿に戻るために起きる、一時的な肌荒れなど悪化する症状)に対応できる人のみがチャレンジできる方法だと考えておきましょう。
初めての方は、夜だけもしくは休日だけ肌断食を行います。
夜だけ行う肌断食
・日中はメイクをする
・夜は石けんなど刺激の弱いもので洗顔し、そのまま寝る
方法はシンプルですが、日中にするメイクも石けんで落とせる程度の軽いメイクにします。これもいきなり変えるのではなくだんだんにメイクを軽くする方法で対処しましょう。
休日だけ行う肌断食
休日の間はメイクをせず、洗顔は石けんのみにして過ごす方法です。
シンプルな方法ですが、紫外線対策は必要です。家にいても紫外線を浴びる可能性はありますので、紫外線をシャットアウトするカーテンを使うなどして対策をしましょう。外に出る時には、日傘や帽子、UVカット効果のあるサングラスをしてください。
肌断食でのトラブルに対処する方法
肌断食を始めると、どうしても起きてしまう肌トラブル。それに上手く対処することが、成功につながります。
肌荒れはワセリンで対処する
皮膚科でも処方されるワセリンは、乾燥肌や敏感肌の人の治療にも使われるほど安全です。肌荒れの気になる部分に塗って対処しましょう。不純物の少ない白ワセリンがおすすめです。
時間をかけてケアしていく
肌断食はすぐに効果は出ませんので、ケア用品をだんだんに減らしていくなど、無理のない肌断食を行っていきましょう。また肌断食をしていて、ワセリンなどでも対処できないほどの状態になった場合は、皮膚科での診察を受けることをおすすめします。
過剰なスキンケアは、肌の元々持っている回復力を奪うことにもなりかねません。ただし肌断食は肌が本来の機能を取り戻すまでは時間がかかりますので、じっくり行うことが大切です。