ダイエットをしても、なかなか痩せることができないのがお腹です。運動をしても食事を変えてもなかなか痩せない場合、食べた食事がきちんと体に吸収され循環していないことも考えられます。
第二の脳とも呼ばれ、私たちの体を内側から支えている腸のマッサージ方法について、その効果や正しい方法について、詳しくご紹介します。
「腸もみマッサージ」とは?
体の外側から触ることができる腸をマッサージすることで、腸の働きを刺激するのが腸もみマッサージです。通常腸は胃と連携して、口から入った食べ物から栄養分を取り除いた後、水分を吸収して便として不要な部分を排出する準備をします。
ただ腸の働きが何らかの原因で低下してしまうと、便が正常に出ず、便秘になる恐れがあります。同時に腸が水分を吸収する力が低下すると、便に水分が多くなってしまい今度は下痢が起きてしまいます。
腸の働きが低下する原因には、以下のようなものがあります。
腸の働きを悪くする要因
・食べ過ぎ飲み過ぎ
・お酒の飲み過ぎ
・偏った食生活
・冷え
・運動不足
・加齢による筋肉不足
・無理なダイエット
こういった要因で腸の働きが低下すると、正常な排出ができません。体の中に老廃物や不要物がたまってしまいます。そうするとまた腸の働きが低下し、さらに腸の働きが悪くなるということを繰り返してしまうのです。
便秘や下痢を繰り返していると、本来あるべき位置にある胃や腸がねじれたり位置が下がったりといったことが起き、そのことも腸の働きを悪くすることにつながります。腸には免疫や外部から侵入してきた菌と戦う力がありますが、そういった本来の機能も低下していってしまいます。そのため、腸の働きを元に戻すと共に、腸を正しい位置に戻す必要があり、そのために腸をマッサージすることが効果的なのです。
腸を整えることでどんな効果がある?
腸もみマッサージで、腸を刺激し、その位置を戻すことによって、腸には色々な効果が現れます。
1.便秘の解消
痩せているのにお腹だけがぽっこり出ている状態は、便秘が原因であることがほとんどです。便秘が解消しないと、次々に排出すべき不要物が腸にたまってしまい、体の免疫を低下させてしまいます。腸をマッサージすることで、便を押し出す力を助け、便秘が解消されます。
2.代謝が良くなる
腸の働きを手助けすることで、本来の働きが戻ります。そうすると食事で取り入れた栄養分がきちんと取り込まれるようになり、吸収しきれなかった栄養分が脂肪になったりすることを防ぎ、代謝が正常に行われるようになります。
3.体内に余計な老廃物や水分がたまらなくなる
腸マッサージをすると、血行が良くなり体が温まります。これにより、腸に留まっていた老廃物や余分な水分が正常に流れていくようになり、体のむくみが解消されます。
腸の働きが正常になると、腸にいる善玉菌の活動も活発になっていきますので、便秘や下痢といった腸の不調で起きる症状も減っていきます。
ダイエットに効果的な理由は?
腸もみマッサージはお腹痩せにも効果があるとされています。これは腸もみマッサージをすることで、腸の本来の働きを取り戻すことが大きな要因になります。腸が本来の働きをしないと、いくら栄養バランスの取れた食事をしていても、その栄養はきちんと吸収されないままです。そのため運動をしても筋肉に必要な栄養分が届かず、ダイエットをいくらしても痩せないということになります。
ダイエットで一時的に痩せるのは、水分が外に出て行ったり、物を食べないことで体重がその分軽くなっただけのことで根本的な解決にはなっていません。むしろ腸を動かすためには運動やマッサージで腸の働きを手助けするだけでなく、食物繊維などを食べることで、内側からその働きを活性化させる必要もあります。
そして長年の便秘や運動不足で、本来の働きを低下させてしまった腸を、マッサージすることで腸の位置を戻すことも腸の働きを正常化させダイエットにつながるのです。
腸もみマッサージのやり方
腸もみマッサージにはいくつかの方法があります。ただマッサージすればそれだけで効果があるというものではないので、基本的なマッサージから始めてみましょう。
のの字マッサージで腸を動かす
急な腹痛の時にも有効な、のの字マッサージから始めてみましょう。仰向けに体を伸ばして寝て、おへその上に両手を置いて、のの字を書くようにお腹の上に手のひらを滑らせます。
小腸と大腸を刺激するゆらしマッサージ
腸が正常であれば便が詰まることもないのですが、悪い姿勢などで常に腸が圧迫されていると、ねじれた状態になり便秘になりやすくなります。腸のねじれを改善し、元の状態に戻すマッサージを行います。
1.仰向けに横になり、おへそより少し上に手を置きます。
2.手のひらで左右にスライドするように小腸を刺激します。
3.今度はお腹の真ん中で小さく円を描くように大腸を刺激します。
4.腸はお腹の中で四隅の角で詰まりやすくなっているため、腸を揺らすようにします。
5.特に左下は便がたまって固くなりがちなので重点的にほぐします。
大腸全体を刺激する腸もみマッサージ
立ったままでも仰向けでも、自分が楽な姿勢で行いましょう。
1.ウエストの両脇を上下にさすります。
2.おへその3cm下外側を、揃えた指を付き合わせた状態でU字を描くようにマッサージします。
3.おへその右下から左下までを横にさすります。
4.お腹全体を時計回りに円を描くようにさすります。
腸もみマッサージで注意したいこと
腸もみマッサージの効果を上げるためにも、以下のことに注意しましょう。
1日に何回もしない
何度もした方が効果があると考えがちですが、外部からあまり力を入れすぎると腸の元々の働きを阻害することもあります。お風呂上がりに体がリラックスした状態で行うと、次の日の朝すっきりとトイレで出すことができます。
便秘気味の人は、朝トイレに行った時に、のの字マッサージをするのがおすすめです。
水分をしっかり取る
水分は不足すると便秘だけでなく下痢の原因にもなります。水を飲むことが腸の働きを刺激しますので、小まめに水分を補給するようにしましょう。
腰回し運動をする
腸もみマッサージと共に、腰を回す運動も合わせて行うと、腸の刺激になります。上半身は動かさず、腰だけを回す方法です。
食物繊維をしっかり摂る
食物繊維は腸の善玉菌のエサにもなるため、毎日の食事でしっかり食べるようにしましょう。ただし不溶性の食物繊維だけでは腸に詰まってしまいますので、海藻やオクラなどぬめぬめした食材に含まれる、水溶性の食物繊維も合わせて摂るのがおすすめです。
便秘で下剤など薬を飲むのが習慣になっていると、腸の働きを低下させてしまいます。腸は自分の力で動ける器官なので、腸もみマッサージでその働きを後押ししましょう。