リップやグロスの色を選ぶときではなく、何もつけていないときの唇の色って、ちゃんと意識していますか?お化粧が通例化してくると化粧焼けなどもあって、なんとなくくすんだ色になってくるので、「こんなもの」と流してしまっていないでしょうか?
でも、お医者様などに罹るときには、「できるだけお化粧は薄めで」と言いますよね。顔色は体調を反映しているからです。唇もその一つ。
体調が崩れているとき、様子が唇に反映していることはよくあります。リップやグロスを塗る前にちゃんと唇を観察して、体調管理にいかしましょう。
唇の色の仕組み
唇はとても皮膚の薄い部位ですよね。乾きやすくこまめなお手入れが必要であることは、日々経験されていることではないかと思います。
皮膚が薄いと、体内の血流の状態を非常に反映しやすいのです。子どものころ、よくプールの時間に震えている子が、紫色の唇をしていましたよね。身体が冷えて血流が悪くなっている様子があっという間に反映されていたというわけです。
通常、体調の良い状態であれば唇はきれいなピンク色をしています。これが体調不良により赤みが増してくることがあるのですが、その原因は一つではありません。きちんと観察して、いち早く体調不良を察知し、対策を打ちましょう。
唇の色が赤くなる原因
唇が炎症している
口の周りや唇は炎症を起こしやすい部位です。炎症全般を「口唇炎」と呼びます。
唇が乾燥して亀裂が入り、皮膚がめくれてくると血管が透けて見えやすいので、いつもより赤みが強く感じられます。
化粧品や歯磨き粉のような外的刺激によって、皮膚との相性が悪いと口唇炎を起こすことがあります。あるいは強い日光にあたったことで日焼けによって腫れて口唇炎を起こすこともあります。また原因として、栄養バランスの崩れが該当することもあります。
栄養素の不足
ビタミンB2やB6が不足すると、口唇炎や口内炎を起こすことが知られています。これらの栄養素の不足は、刺激物に対して敏感になりやすく炎症の引き金となるのです。
あまりひどい場合には一時的にビタミン剤を補給して症状を緩和させますが、ビタミンB2やビタミンB6といった水溶性のビタミンは体内にとどまりにくいので、一度に大量に摂取するのではなく、コンスタントに毎回のお食事から摂取したいものです。
ビタミンB2は納豆や牛乳など、ビタミンB6は魚介類やバナナ、ナッツ類から補給することができます。ビタミンB2は脂質をはじめとしてエネルギーを産生する栄養素の代謝に欠かせないビタミン。ビタミンB6はたんぱく質の摂取が多ければ、相関してしっかり摂取すべき栄養素。
いずれも、メインのおかずばかりとか、パンだけ、パスタだけのような偏った食生活をしていると、体内で必要とされている分が補いきれず不足を起こしやすくなります。
疲労が溜まって発熱している
異常に唇が赤い場合には、熱をはかってみましょう。発熱していて身体がだるいときや、悪寒がするようなときに、唇が赤みを増す傾向にあります。
風邪の場合はもちろんですが、疲労の蓄積によってこのような状態を引き起こすこともあります。十分な休息を意識的に取りましょう。
刺激によってアレルギー反応が出ている
唇の皮膚は薄い粘膜でできていて、とてもデリケートな部分です。そのため、身体のほかの部位よりも刺激に対して炎症を起こしやすい傾向にあります。
刺激とは、口紅などの化粧品や、場合によっては食べ物や飲み物も該当します。アレルギー反応が起こっている場合もあるので、あまり楽観視せず、きちんと原因を究明しましょう。アレルギー反応は生体に危険を及ぼすこともあるので、原因物は遠ざけることが一番の対策です。
白・紫・黒の場合は?
白い場合
唇が白っぽい場合に一番疑われるのが、貧血です。血液中のヘモグロビン濃度が充分ではなく、赤みが薄れている可能性が考えられます。
ヘモグロビンは鉄とたんぱく質が結合したものですから、鉄不足が疑われるほか、造血作用がある葉酸やビタミンB12の不足も考えられます。
紫の場合
急激な寒さや血行不良を感じていないのに唇が紫色を帯びているような場合には、血の巡りや肝機能の低下が心配されます。
呼吸器や循環器に疾患がある場合に見られる「チアノーゼ」という状態が知られています。症状は軽いものから心配なものまでありますから、あまり放置せずにきちんと医師の判断を仰ぎましょう。
黒い場合
唇の黒ずみが気になるような場合には、メラニン色素の沈着や血行不良が心配されます。内臓機能が低下している場合も考えられ、重篤であれば動脈硬化などにもつながりかねません。
また喫煙習慣のある方だと、タール色素の沈着によって黒ずんで見えることも考えられます。
唇の色をきれいに保つには
食生活を整える
野菜・果物類の摂取がしっかりできているかを振り返り、ビタミン類をしっかり補給するようにしましょう。
血流の改善にはミネラルの鉄や銅も効果的です。肉ばかり、主食ばかりといった偏った食事を避け、体調管理をしていきたいですね。
身体を冷やさない
冷えは血行不良を招き、唇の色を悪くします。飲み物を温かいものにしたり、入浴時に湯船にしっかり浸かったり、日頃から身体を冷やさないようにしておきましょう。
禁煙する
喫煙習慣は、唇の色に良いことは一つもないと言っても過言ではありません。ニコチンは血流を悪くしますし、タール色素が沈着して唇を黒ずませてしまいます。
まとめ
日頃からの細かいお手入れや体調管理で唇の色を保つことは、簡単にできます。それでもいつもと違った色をしているときには、身体からのサインかもしれませんので、見逃すことなく早めの対処を行いましょう。