汗かき体質になる原因と改善する方法

気温が高くなるにつれて気になってくる汗。汗をかくとメイクが崩れたり、洋服に汗染みなどができて、恥ずかしい思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか?とはいえ、汗をかく量には個人差があり、ほとんど書かない人もいれば、文字通り滝のような汗をかく人もいます。ここでは汗かき体質になる原因や、汗かきを改善する方法をご紹介いたします。

広告

発汗の仕組み

外気温が高くなると汗をたくさんかくようになりますが、気温が低い冬でも汗はかきます。日中活動しているときはもちろんですが、夜眠っている間にも汗をかいています。1年中汗はかきますが、気温が高い夏は汗の量が増えます。

汗をかくのは、生命維持のため、体温を調節する必要があるからです。人間は恒温動物で、外気温に関係なく、体温は35℃~37℃を維持しています。この体温を維持するため、汗によって体温を調節しなければいけません。汗をかくと体温が下がるので、外気温が高くなる夏になると、体温を下げようとしてたくさんの汗をかくのです。

体温が下がる仕組みは、気化熱によるものです。水分は蒸発するときに、周りの熱を奪いますから、外気温が上がり、たくさん汗を出すことによって体温を下げているのです。

汗の役割は主には体温調節ですが、体温調節以外にも汗をかく原因はいくつかあります。

  • 味覚性発汗:香辛料など辛いものを食べた際にかく汗のことで、このときの汗は顔が中心になります。
  • 精神性発汗:緊張したりストレスを感じたときにかく汗で、顔や手のひら、ワキ、足の裏が中心です。精神性発汗は、脂汗や冷や汗といった方がわかりやすいかもしれませんね。

汗かき体質になる原因と改善する方法

汗は2種類ある

ひとくちに汗といっても、2種類の汗があります。

汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。どちらから出る汗かによって、汗の性質が違ってきます。

1.エクリン腺

エクリン腺は全身にあり、小汗腺とも呼ばれています。全身に200万個~500万個ほど存在していて、体温調節や皮膚の乾燥予防、腎臓機能のサポートのための汗を出します。エクリン腺から出る汗は透明で、主成分は水で少量のミネラルが含まれています。エクリン腺から出る汗は無臭でサラサラしているのが特徴です。1時間ほどすると雑菌分解によってニオイがするようになります。

2.アポクリン腺

全身にあるエクリン腺とは違い、アポクリン腺はワキの下、陰部、乳首付近に限定されています。エクリン腺が活動するのは思春期以降です。アポクリン腺から出た汗は、タンパク質やアンモニア、鉄分、糖質などが含まれ、ねばねばした濁った汗です。栄養が豊富なので雑菌が繁殖しやすく、ニオイも出やすいのが特徴です。

広告

汗かき体質になる原因

生まれつき汗かきという方もいますが、大人になってからいつの間にか汗かき体質になっていたというケースもあります。汗かき体質になるにはいくつかの原因が考えられます。

代謝の低下

女性に多い冷え性ですが、代謝が低下することによって汗かきになりやすくなります。代謝が低下して冷え性だったりむくみを感じている場合は、血流が滞って老廃物の排出もスムーズではありません。余分な水分などをためこむことで体は冷え、その水分を汗として排出するのです。

肥満

太っている人は汗かき、というイメージはありませんか?これはそのイメージ通り、痩せている人よりも太っている人の方が汗をかきやすいです。これは肥満の方は体の内側に熱がこもりがちになるので、熱を放出させるため汗の量が増えます。

ホルモンバランスの乱れ

女性はホルモンのバランスが男性と比較すると乱れやすいです。更年期の女性だけでなく、過度なダイエットなどで女性ホルモンの量が減少すると、汗を止める信号がうまく働かず、汗の量が増えます。更年期障害によく見られる症状ですが、過度なダイエットやストレスによって、若い女性でも同じような症状が起こることがあります。

自律神経の乱れ

自律神経には汗をコントロールする働きがあります。何らかの理由によって自律神経のバランスが乱れてしまうと汗をコントロールできなくなり、汗の量が増えてしまうことがあります。自律神経の乱れは、ストレスが大きく影響しているといわれています。上手な発散方法を見つけましょう。

汗腺機能の低下

全身には汗腺といわれる汗を出す器官があります。運動不足や、常に温度や湿度が調節された室内で過ごすことで、汗をかく機能が衰えてしまいます。汗腺機能が衰えると、体の汗はほとんどでないのに、よく動かす顔だけに汗をかいたりと特定の場所にだけ大量に汗をかくようになります。

汗かき体質になる原因と改善する方法

汗かき体質を改善するには?

汗かき体質を改善するには、生活環境を見直すことが大切です。衰えた汗腺機能を鍛えたり、規則正しい生活で自律神経を整えたり、ホルモンバランスの乱れを整えることで改善することができます。

汗腺機能を鍛えるには、エアコンに頼らない生活と適度な運動をするのが近道です。現代にエアコンのない生活は考えられませんが、温度設定が重要です。汗腺機能を低下させないためには、外気温との温度差を5℃程度にするのがおすすめです。夏場、外気温が30度なら、エアコンの設定は25℃以下にしないようにしましょう。

またウォーキングなど適度な運動をして、わざと汗をかくようにすることで、機能が低下してしまった汗腺も鍛えることができます。日ごろ運動不足を感じている方は、1駅歩いてみてはいかがでしょか?

そして規則正しい生活をすることは、自律神経のバランスを整えてくれます。早寝早起きや栄養バランスの摂れた食事を3食きちんと取ることで、徐々に乱れたバランスも整っていきます。ストレスを感じたら、友達と話をしたり、ショッピングをしたり、カラオケをしたりと自分なりの発散方法を見つけましょう。

女性ホルモンは年齢とともに減少してしまいます。これは食事で補うのがおすすめです。体内で同様の働きをするイソフラボンを積極的に摂取しましょう。イソフラボンは大豆製品に多く含まれているので、大豆や豆腐、納豆、みそなどを食事に摂り入れましょう。