化粧品を選んだり買ったりした際、シアバター配合の商品を見かけたことはありませんか?保湿力が高く乾燥肌にとても良いシアバターですが、シアバターの実力はそれだけでないのです。
今回はシアバターの効果や使い方についてご紹介します。
シアバターとは
シアバターとはシアの木の種子の胚から採れる植物性油脂です。常温ではバター状の固体ですが、肌に塗ると溶けてオイル状になります。
シアは主にアフリカ大陸のガーナ・ブルキナファン・ナイジェリアなど、の約16ヶ国のシアベルトと呼ばれる一帯で生育されています。シアは花が咲くまで20年、実がなるまで20年かかるそうです。
シアの木は「神秘の木」として崇められ、女性のみがその木に触ることができます。なので果実の収穫や製造など全て女性が行います。ちなみにシアバターは全て手作業で行われているんです!
シアの果実は中の果肉は食用にし、シアの種子から作られるシアバターは石鹸やクリームなど化粧品に使用されます。
シアバターに含まれている成分はステアリン酸とオレイン酸がメインとなっています。他にもカロチノイドやトコフェロールなど自然由来の成分が含まれています。
精製と未精製の違い
シアバターには、「精製」と「未精製」の2種類があります。
精製のシアバター
精製されたシアバターは、油脂の中から不純物を取り除いたものです。色が真っ白になっていて、香りもほぼ無くなっています。美容成分も精製の過程で一部取り除かれていますが、万人受けしやすいように作られていると言えます。
未精製のシアバター
未精製のシアバターは茶色っぽい、ベージュのような色をしています。シアバター本来の美容成分や香りがそのままになっています。近所でのドラックストアで買える、市販のシアバターはほぼ精製済のものとなっており、未精製のものはネット通販でのお買い求めになります。
シアバターの効果
1.高い保湿力
サッと肌に馴染みやすいシアバターは、高い保湿力があることで知られています。シアバターは人の皮脂に近い成分を持っており、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸などの脂肪酸を含んでいます。
特にシアバターの成分の80%を占めているオレイン酸とステアリン酸は、高い保湿力と抗酸化力を持っています。そのことから「シアバター=保湿力が高い」と代名詞のように言われるようになりました。シアバターの高い保湿力により肌の水分を閉じ込め、肌にハリを出す効果があります。
2.シミ予防
シアバターには抗酸化作用のあるビタミンEが含まれているので、紫外線の影響で出る活性酸素を除去してくれる働きがあります。紫外線の影響で体内で活性酸素が増えるとシミの発生の原因になるので、シアバターを塗ることによってシミ予防の効果があると言えます。
またシアバターを日焼け止めで使うことによって、日焼け止めで肌が荒れてしまう敏感肌の人にも使いやすく、肌のダメージを軽減させてくれます。
3.美肌
代謝を活性化してくれる働きがあるシアバターにより、メラニンを含んだ古い角質も追い出してくれる効果が期待出来ます。ちなみに油焼けしないか気になるところですが、シアバターに含まれるステアリン酸が非常に酸化しにくい性質があるため、油焼けの心配はありません。
さらに、天然のビタミンE成分が豊富に含まれており、シアバターは肌への抗酸化作用が高いため、アンチエイジングも期待できます。肌の老化予防にも役立ち、また肌の潤いをキープするのでシワ予防も期待できます。
4.ニキビ予防
抗炎症効果があるので、ニキビ予防にも効果を発揮します。ニキビ予防以外にも、吹き出物や肌の炎症、肌の赤みや肌荒れなども抑える効果があります。
シアバターの使い方
シアバターは身体、顔、髪と全身に使えます。保湿クリーム代わりに使っていただけるので、特に変わった使い方はしません。ですがシアバターの効果を生かしたい場所に塗ることで、市販の保湿クリームよりも高い効果を発揮します。そんなシアバター使い方をいくつか紹介します。
ちなみに、シアバターとしながら、コストを下げる為に添加物が混ざっているものもあります。純度の高いシアバターが一番効果がありますので、成分100%のものを選ぶようにすると良いでしょう。
シアバターは油脂なので、常温だとバター上に固まっています。そんなシアバターを使うときは、液状にしてから使いましょう。溶かし方は簡単で、手で温めて液状にします。冬場は冷え性で溶けないという人は、一度お湯で手を温めてからシアバターを溶かすといいしょう。お風呂場でシアバターを使うと温かいのでシアバターが溶けやすく、また肌の水分の保湿効果も高まるのでおすすめです。
1.スキンケアとして使う
- 通常通り、洗顔〜化粧水までを行う。
- 0.5〜0.6g(1円玉位)の量のシアバターを取り、手で温める。
- 顔全体にしっかりと塗る。
シアバターをたくさんつけすぎてしまうと、ベタベタ重くなってしまいます。シアバターは少量でもしっかり伸びるので、取りすぎないようにしましょう。化粧水後にシアバターを塗ると保湿効果が高くなり、しっとり感が持続します。
2.ヘアケアとして使う
- 通常通り、シャンプーをする。
- シアバターを髪に直接塗り、数分放置する。
- 洗い流して、トリートメントをする。
シアバターの美容成分で髪にツヤがでます。頭皮のフケやかゆみが気になるという方は、2のときに頭皮にシアバターを塗り込むようにしてマッサージをすると良いでしょう。ただしあくまでもシアバターは「油」なのです。あまりに付けすぎてしまうと、洗い落とすときに身体がべたべたしてしまいますので注意してください。
3.肌の余分な油を取って肌ケア
- 化粧水を塗った後に、シアバターを顔全体に塗り馴染ませる
- コットンに化粧水を浸して、肌に塗ったシアバターを抑えるようにして拭き取る
オイリー肌の人におすすめの、シアバターを使った肌ケア方法です。この方法では肌の余分な油を取り、さっぱりとした肌触りにしてくれます。シアバターを拭き取るときはゴシゴシと拭き取らずに、優しく拭き取りましょう。
4.毛穴のケア
- 毛穴が気になる部分にシアバターを塗る
- シアバターの上にラップをかけて、5〜10分放置する
- ラップを外して、くるくると撫でるようにマッサージをする
- シアバターをぬるま湯で洗い流す
シアバターは気になる毛穴の黒ずみや、肌のザラザラなどを取るのにも使うことができます。入浴中に毛穴ケアを行うと蒸気で毛穴が開くので、効果が倍増します。その場合はラップをして放置する必要はなく、シアバターを塗ったまましばらく置いておきましょう。
5.妊娠線予防
妊娠線は一度ついてしまうと、なかなか消えません。妊娠中の方は早めにケアをしていくようにしましょう。方法は気になる箇所に、シアバターを塗り込むだけでOKです。1日2回シアバターを塗ってあげるといいので、朝着替えるときやお風呂上がりなどに毎日の日課として取り入れてください。
6.UVクリームとして使う
シアバターには紫外線防止効果もあるので、日中短い時間外出する程度なら日焼け止めを使わなくても大丈夫です。シアバターにはケイ皮酸のエステルが含まれており、UV-Bを吸収してくれる働きがあるためです。ですが長時間や強い紫外線に当たるようなら、市販の日焼け止めをしっかり塗ったほうがいいですよ。
7.まつげの育毛
まつげの育毛をするのにシアバターを、まつげ美容液として使うことができます。シアバターを指先に少量取って、まつげを抜かないように優しく塗りこみます。シアバターが目に入らないように注意して、塗るようにしてくださいね。
8.シアバターを使ったアロマクリーム
シアバターにアロマオイルを加えて、自分好みのアロマクリームを作ることができます。
アロマクリームはシアバターにお好みのアロマオイルを加えて、混ぜるだけです。小さい密閉容器の中にクリームを入れれば、ハンドクリームとしても使うことができます。アロマオイルにそれぞれ効能があります。体調やお肌の状態に合わせて、アロマオイルを選んでもいいと思います。
肌に嬉しい効果があるアロマオイル
- ゼラニウム、ローズウッド:肌を引き締める効果
- ラベンダー、ローズマリー:肌のターンオーバーを促進する効果
- ティーツリー、ラベンダー:ニキビを予防する効果
- ローズ、サンダルウッド、ゼラニウム:肌を保湿する効果
メンタルや体に嬉しい効果があるアロマオイル
- イランイラン、ゼラニウム、ベルガモット:ストレスを軽減する効果
- オレンジスイート、ベルガモット:眠りやすくする効果
- グレープフルーツ、レモングラス、ユーカリ:リフレッシュ効果
- オレンジスイート、レモン、ヒノキ:冷え性を軽減する効果
アレルギーについて
肌に直接使うものだからこそ、アレルギーの作用がないか気になりますよね?
アレルギー体質で、特に天然由来の成分にアレルギー反応が出るという人は、少量ずつ使用して様子を見るようにしましょう。
またアトピー性皮膚炎という人は、精製されたシアバターに含まれている保存料に反応して、炎症が悪化する可能性があります。また未精製のシアバターは不純物が含まれているので、肌への刺激が強く肌荒れを起こす可能性があります。
基本シアバターはアレルギーのリスクが低いとされています。ですが心配な場合は顔以外の場所に少量使って、肌に異変が起きないか注意しましょう。
まとめ
シアバターは敏感肌や赤ちゃんにも安心して使えて、万能なアイテムです。シアバターに含まれる保存料などが気になる場合は、自然派化粧品のお店か通販で購入するのが良いでしょう。
シアバターは乾燥対策はもちろん、アンチエイジングやニキビにもどんな肌にも使えるのが魅力ですぜひ、シアバターにトライしてみてはいかがでしょうか。