やたらと目やにが出る、
朝起きたら大量の目やにで
目が開けられない、
目やにが固まって取りにくい、
花粉症やアレルギーでくしゃみ・鼻水・
目やにが止まらない、
なんていう経験のある方は
いらっしゃいませんか?
たがか目やに、されど目やに。
もしかすると、その目やには
怖い病気が原因かもしれません。
今回は、目やにが出るメカニズムや
目やにを伴う怖い病気、
そして目やにの予防法などを解説いたします。
そもそも目やにとは?
目やにとは、老廃物や涙、
目の中に入ってきたホコリや
ウイルス、細菌などを
体外に排出するために分泌された
粘液が固まったものです。
人間の目には、まつげの生え際の内側に
マイポーブ腺という小さな穴が
並んで空いています。
マイポーブ腺からはまばたきの働きを
スムーズにする粘液が分泌されていて、
涙と一緒に「涙の膜」となって
角膜の表面を覆い、
角膜を守っています。
「涙の膜」は瞬きの度に
新しいものに変わり、
不要になった古い膜は
目の表面についたホコリなどの
異物と一緒に目頭から鼻の方へ
排出されます。
起きている間は、
目頭から鼻の方に繋がっている
鼻涙管という管を通って流れていき、
鼻垢となって排出されます。
寝ている間は瞬きをしないため
鼻涙管に流れることができず、
目頭近辺に溜まったまま
乾燥して固まってしまいます。
これが、朝起きたときに
目にこびり付いている
「目やに」の正体です。
目やににはもう一つ種類があります。
目の炎症による目やにです。
これは、体内に侵入した細菌やウイルス、
花粉などや、それらを排除するために
取り込んだ白血球が
体外に排出されたものです。
通常より多くの目やにが
発生することもあり、
炎症の原因によって目やにの色や
粘度が違います。
・黄緑色でドロっとした膿のような目やに
↓
細菌による炎症
・白や透明で涙のようにサラサラした目やに
↓
花粉やアレルギーによる炎症
・白くネバネバと糸を引いたような目やに
↓
ウイルスによる炎症
子どもの場合、まだ目と鼻の距離が短いため、
鼻風邪や鼻の病気などにより鼻水が
鼻涙管を逆流して目やにになってしまう
ケースが多いです。
目やにの原因
突然目やにの量が増えてしまう原因としては、
次の6つが挙げられます。
1.涙の量の変化
2.最近
3.ウイルス
4.アレルギー
5.コンタクトレンズ
6.眼精疲労・ドライアイ
1.涙の量の変化
目に異物が入りやすい環境にいると、
異物を排出するために
涙や粘液の分泌が増え、
目やにが増えやすくなります。
特に女性の場合、アイメイクにより
目に異物が入りやすくなり、
目やにの量が増えることがあります。
逆に、涙や粘液の分泌量が減った場合も、
溜まった老廃物や異物を排出しきれないまま
固まってしまい、目やにが増えてしまいます。
2.細菌
黄緑色でドロッとしている目やにが増え、
充血や痒みなどの症状もある場合、
細菌性結膜炎を起こしている可能性が高いです。
眼科など専門医の検査を受け、
適切な治療を受けましょう。
3.ウイルス
白くネバネバと糸を引いたような
目やにが出る場合、
アデノウイルスによる
はやり目(流行性角結膜炎)の
可能性があります。
目やに以外に、白目の充血や
まぶたの裏のブツブツ、
酷い場合には耳のリンパの腫れ
などの症状も現れます。
非常に感染力が高く、
お風呂や洗顔タオルの共有でも
感染してしまうほどなので、
速やかに専門医による治療を受けましょう。
4.アレルギー
白や透明で、さらさらとした涙のような
目やにが出る場合、
ダニやホコリ、花粉といったアレルゲンによる
アレルギー症状である可能性が高いです。
目の痒みやくしゃみ、鼻水といった症状も
出ているかもしれません。
季節的な花粉症であれば、
その時期を過ぎれば自然に治まります。
ダニやホコリのような
季節に関係のないものが原因であれば、
掃除や空気清浄機の使用などで、
原因となる物質を減らす対策をしましょう。
花粉症でもダニやホコリが原因でも、
あまりにも症状が酷いようであれば
専門医に相談して、
適切な対策をとると良いでしょう。
5.コンタクトレンズ
コンタクトレンズは目やにを増やす
原因になります。
特にソフトレンズは目に張り付くので
目が酸素不足に陥ってしまい、
涙の分泌が多くなってしまいます。
また、しっかりと洗浄が行われていない
コンタクトレンズや
使用期限を過ぎたコンタクトレンズを
使用している場合、
目に細菌が入って
炎症を起こしてしまうこともあります。
6.眼精疲労・ドライアイ
長時間パソコンやスマホを使った作業を行い
目を酷使していると、
目が乾燥して涙の分泌量が減り
目やにが増える原因になります。
また、ドライアイには涙が止まらなくなる
という症状が出ることもあり、
当然目やにの量も増えてしまいます。
恐ろしい病気の可能性も…
目やにが急激に増えたり、
目やにの色や粘度が変わったり、
大量の目やにが何日も出るようであれば、
何かしらの病気にかかっているかもしれません。
結膜炎をはじめ次のような
恐ろしい病気である可能性もあります。
速やかに専門医の診察を受けましょう。
1.結膜炎
細菌やウイルス、アレルギー物質により
目の結膜に炎症が起きる目の病気です。
目が充血したり、悪化すると目の痛みや
視力低下を引き起こすこともあります。
結膜炎は
・細菌性結膜炎
・アレルギー性結膜炎
・ウイルス性結膜炎
の3種類があります。
それぞれに治療方法も違うので、
症状が現れたらすぐに
専門医の検査を受けましょう。
・細菌性結膜炎
細菌への感染による結膜炎です。
黄緑色の目やにが出やすいほか、
目が充血したり、ゴロゴロとした異物感を
感じます。
・アレルギー性結膜炎
花粉やダニ、ホコリ、動物の毛といった
アレルゲンが目に付着することによって
起こる結膜炎です。
目やにのほかに痒みが
強く出ることがありますが、
周囲の人に感染することはありません。
・ウイルス性結膜炎
ウイルスへの感染による結膜炎です。
目やにの色以外の症状は
細菌性結膜炎と同じですが、
より強く症状が現れます。
感染力も高く、目や顔を拭いたタオルを
共有するだけでも感染してしまう
恐れがあります。
・春季カタル(しゅんきかたる)
春季カタルは重症のアレルギー性結膜炎で、
特に子どもに多く見られます。
症状は一年中でますが、
春など季節の変わり目に
重症化することが多いため、
この名前が付きました。
白い糸状の目やにがたくさん出て、
強い痒みを伴います。
まぶたの裏に乳頭という白いブツブツができ、
さらに重症になるとブツブツが大きくなり
巨大乳頭となって角膜を
傷つけてしまうこともあります。
巨大乳頭は、手術で切除することもあります。
角膜にびらんや潰瘍ができて
目を開けていられないほどの痛みが出たり、
潰瘍が治る過程で視力低下が
起こる場合もあります。
2.涙嚢炎(るいのうえん)
鼻涙管の上部、鼻の付け根あたりに、
「 涙嚢」という涙が流れ込んでくる
袋状の器官があります。
何らかの原因により鼻涙管が詰まって
涙?に目やにや涙が溜まり、
細菌感染を起こしたものが 涙嚢炎で、
先天性のものと後天性のものがあります。
目やにが増えるだけでなく、
悪化すると類脳が大きく腫れ、
発熱や強い痛みが起こります。
涙嚢炎は進行具合によって
治療方法が違いますので、
目やにとともに鼻の付け根に
痛みを感じる場合は専門医に相談しましょう。
目やにの予防方法
目やにの予防で大切なことは、
目に異物を寄せ付けないことです。
日常生活の中で、
以下のようなことに気を付けましょう。
・汚い手で目にをこすらない
・部屋の掃除をこまめにして
ハウスダストなどをなくす
・コンタクトレンズを着けたまま寝ない
・コンタクトレンズはきちんと洗浄し、
使用期限を守る
・結膜炎にかかっている人とは
タオルの使い回しをしない
・温泉やプールなどは
細菌やウイルスも多いので目薬で目を守る
・適度に目を休めて疲れ目を解消する
目の機能回復に効果のある
アントシアニンやルテインなどを含む
サプリメントを利用するのも有効です。
急に目やにが増えるのは、
何らかの原因で涙の量が変わったり、
目の炎症を起こしていることが原因です。
目の痒みや充血、異物感、
まぶたの裏にブツブツができるといった
症状が伴うこともあり、
正しい治療を行わないと
視力低下など重大なリスクを
引き起こす恐れもあります。
普段と目やにの様子が違うときは、
できるだけ早く専門医の検査を
受けるようにしましょう。