なんだか毎日軟便気味でお腹がモヤモヤする…そんなこと、ありませんか?いつもの排便は通常通りで、たまに軟便になるくらいだったら「お腹を壊したのかな?」くらいで済むのですが、症状が慢性化するとちょっと心配になりますよね。
もしかしたら慢性的な軟便は、思わぬ病気が潜んでいる場合もあるのです!そこで今回は、軟便になる原因や病気が考えられる場合、そして軟便の解決法のひとつである腸内環境を整えるということを中心にご紹介します。
軟便の原因
通常、理想的な便における水分量は70~80%なのですが、軟便となると80~90%で水分量が多い状態のことをいいます。ちなみに90%以上の場合は下痢になります。実は1日に腸の中を流れていく水分はなんと9リットルにもなるのです!
その99%は腸内に吸収されてしまいますが、残りの1%のみが便に吸い込まれて排出されるのです。この腸内の水分バランスが崩れると、軟便になってしまうんですね。
腸内の水分バランスが崩れる原因は、主に4つあります。
お腹を冷やした
多くの人が割となりやすい急性の腹痛を伴う軟便の場合は、お腹を冷やしたり冷たいものを飲み過ぎたことによるものです。
食中毒、ウイルス感染
夏に良く話題になる大腸菌O-157や冬に流行するノロウイルスなどが原因の場合がありますが、この場合は軟便より下痢になりやすいです。
ストレス
会社への通勤途中や、会議中に腹痛を起こして軟便気味になってしまう場合はストレスによる「過敏性腸症候群」になっている可能性があります。また不規則な生活習慣を送っている人は、その生活リズム自体がストレスの元となって軟便の原因となってしまうのです。
乳糖不耐症
牛乳を飲んだ後にお腹がゆるくなるという人は、牛乳に含まれる糖分をうまく分解できない乳糖不耐症の可能性があります。
薬の副作用
抗生物質を飲んだ後に軟便気味になるという人は結構多いです。これは抗生物質が腸内環境のバランスを崩してしまうせいなのです。
病気
軟便が多くなるのは、大腸ポリープなどの良性なものから大腸ガンなど様々な病気の可能性も考えられるのです。こうした腸内の環境を調べるには、大腸検査が必要になります。大腸の検査方法などは後ほど説明しますね!
病気のサイン?
軟便気味になっているということは、何かしらの病気のサインである場合があります。まずは軟便を抑えるためにできることを始めていきましょう。
消化の良い食事をとる
軟便ということは腸のはたらきが弱まっていることなので、まずは消化の良いものを食べるようにしましょう。
温かい飲み物を飲む
胃腸が冷えてしまうと軟便になりやすくなりますので、飲み物はいつも温かいものか常温のものを飲むように心がけましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活を心がけることで、ストレスに強くなっていきます。また免疫力も上がるので腸内環境も改善されていくのです。
刺激物を避ける
辛いもの、スパイスなどは胃腸にとってかなりの負担になります。腸に負担がかかるとはたらきも弱くなり、軟便気味になってしまいます。
このように基本的な生活習慣を見直しても症状が改善されない場合には、早めに病院へ行くようにしましょう。診療科は消化器科や胃腸科がある病院に行くと専門的な検査も受けられて安心です。
腸内環境を整えよう
軟便を改善していくには、腸内環境を整える必要があります。腸内は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つが存在しています。日和見菌というのは、善玉菌か悪玉菌どちらか優勢になっている方の味方をするどっちつかずの存在です。腸内環境を整えるには、腸のはたらきを活発化する善玉菌を優位にした環境にしていかなければなりません。
善玉菌を優位にするにはまずは食生活、次に生活習慣を整えることです。悪玉菌は現代の欧米化した食事にたっぷりと含まれている糖質や脂質が大好物!赤ちゃんのウンチが臭くないというのは、この食事が大いに影響しているのです。
そして生活習慣からくるストレスにより、さらに悪玉菌は増えていきます。寝不足や運動不足でも腸のはたらきがうまくいかなくなるので、まずは規則正しい生活と食生活をしっかり実践していかなければなりません。腸内環境を整えるのは、自分の心持ち次第といっても過言ではありません。
腸の検査方法とは
やはり軟便が続くと何か悪い病気なのではないかと不安になって検査を受けようかなと検討する人も多いのですが、実は大腸検査はあらゆる検査の中でも受診率がかなり低く不人気なのです。これは肛門から直接内視鏡を挿入して検査するという恥ずかしさ、そして何より腸内を空っぽにするための前処置がつらいというのが主な理由です。
検査3日前くらいから腸内をキレイにしていくための消化に良い検査食を食べなくてはなりません。病院によっては食事指導のみの場合もあります。そしてかなりの量の下剤を少しずつ、時間をかけて飲んで腸の中に便が全く残っていない状態にしなければなりません。これが大腸検査の一番の試練なのです。
検査当日は肛門周辺に麻酔をかけて内視鏡を入れて検査をします。痛みなどは特にありませんので安心してリラックスしながら受けてくださいね。そのまま内視鏡検査をしてポリープが見つかった場合は、切除をして細胞検査に回されます。
まとめ
慢性的な軟便に悩んでいる人のために、軟便の原因や病気との関連性や腸内環境を改善するための対策や大腸検査の方法などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
軟便には様々な原因がありますが、やはり腸内環境を整えて症状を改善していくには普段からの生活習慣や食生活が重要になっているんですね。
また自分で「これはおかしいな」と思った場合は早めに病院へ行って検査を受けることをおすすめします。自分の健康に関わることですから、検査が恥ずかしいなんて言っていられません。しっかりと検査をして、悪いものではないことを確認するようにしましょう!