夏は暑さで食欲もなく毎日汗だくになるので何もしなくても痩せていきそうなものですが、逆に太ってしまったという経験のある人は多いのではないでしょうか。
この夏の怪談よりも恐ろしく奇怪な夏太り。一体何故起こってしまうのでしょうか。夏太りの原因や解消法について、詳しく解説します。
夏太りの原因は?
夏太りの原因には様々なものがありますが、共通していえることが「基礎代謝の低下」です。
基礎代謝とは、私たちがただ生きているだけでも消費されていくエネルギーのことです。その40%は筋肉に消費されます。
まずは、なぜ夏は基礎代謝が低下してしまうのか?そして基礎代謝が低下することで太ってしまうメカニズムについて解説します。
日本の夏は基礎代謝が低下しやすい
気温の低い冬は、身体が体温を保つためにエネルギーを燃やそうとするため基礎代謝が高くなります。逆に、昼夜を通して暑い日本の夏は体温を保つ必要がないため、基礎代謝は下がってしまうのです。
その上、暑くなると日中外出を避けて室内にこもりがちになるので、ますますエネルギーの消費量は低下してしまいます。
そこに以下に挙げるような夏特有の行動・現象が加わることで、夏太りが引き起こされてしまいます。
夏太りの原因1:冷たいものの飲み過ぎ
夏は暑く、汗もかくので水分補給は欠かせません。でも、飲むものを間違えると夏太りを引き起こしてしまいます。
ジュースなど糖分が多くカロリーの高い飲料ばかり飲んでいると太ってしまうことは言うまでもありませんが、冷たい飲み物も夏太りの原因になります。
冷たい飲み物を飲むと内蔵が冷えてしまいます。内蔵が冷えると血行が悪くなって脂肪を燃焼する力が落ちてしまったり、冷えから身体を守ろうとお腹周りに脂肪がついてしまうようになります。
夏は暑くて冷たいものを飲みたくなってしまいますが、できるだけ常温のものを飲むようにして、内蔵を冷えから守りましょう。
夏太りの原因2:汗のかきすぎ
夏はたくさん汗をかくのでその分エネルギーを消費して痩せると思いがちですが、新陳代謝の落ちている夏に何の運動もせず汗だけかいても逆に太る原因になってしまうんです。
汗は、体内の水分と一緒に様々な栄養素も体外に排出されています。
その中には、ビタミンB1、B1、B6やミネラルといった脂肪の燃焼を促すものも含まれており、汗をかけばかくほど脂肪が燃焼されにくい身体になってしまうんです。
その状態で汗をかいた分だけ水分を摂っても、むくみや冷えの原因にしかなりません。
運動をしてかく汗と暑さでかく汗は違うということを覚えておきましょう。
特に、エアコンの効いた室内に入ることの多い人の場合、汗をかく機能が衰えているので、肌に張り付くような大粒でベタベタした汗をかきやすく、「体温調節」という汗本来の役割を果たすことができずに、どんどん汗が噴き出して栄養素が排出され続けてしまいます。
夏太りの原因3:食欲の低下
夏は暑くて食欲がわかない……と、食べる量も減ってしまいがちですよね。でも、それも太る原因なんです。
たとえば、あまり食べられない分少しでも栄養を摂ろうと脂っこいものなどカロリーの高いものばかり食べていると、当然太ってしまいます。
逆に、夏に食べることの多くなる素麺や冷やし中華、ざるそばなどの麺類は、1食分の麺自体がご飯1膳よりカロリーが高い上に、麺+トッピングで1食になってしまうので栄養はかなり偏りがちに。
さらに、暑いからとアイスクリームやかき氷などばかり食べていると、カロリーの摂り過ぎに加えて内蔵の冷えまで引き起こしてしまうんです。
夏太りを解消する方法
夏太りを解消するためには、冷え過ぎを防止するとともに、適度な運動、バランスの良い食事、質の良い睡眠といった規則正しい生活が大切です。
冷えの防止
お風呂は暑いからとシャワーだけで済まさず、できるだけ毎日湯船に浸かるようにしましょう。
40℃前後のお湯に浸かって身体を芯から温めることは、自律神経を整えて基礎代謝を上げることにも繋がります。湯船に浸かりながらマッサージなどを行うと、血行やリンパの流れも改善され、さらに夏太りの解消に効果が期待できます。
また、仕事の関係などで日中どうしても冷房の効いた場所で過ごさなければならない人は、
腹巻きやブランケットなどを使用して身体が冷え過ぎないようにする工夫も必要です。
適度な運動
夏の暑い最中に激しい運動を行うことは危険を伴いますが、早朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングやジョギングを行ったり、屋内プールでスイミングを行うといったスポーツは夏太り解消に効果的です。
ただし、運動後にジュースなど冷たい飲み物を飲んでしまわないように注意してくださいね。
運動をする時間がないという人は、できるだけ階段を使ったり、1駅分多く歩くといった、日常の中でできるちょっとした運動を積み重ねていきましょう。ほんの少しの積み重ねが大きな結果に繋がります。
バランスの良い食事
夏は暑くて食欲がわかないかもしれませんが、1日3食バランスの良い食事を摂るように心掛けましょう。
特に、脂肪燃焼に欠かせないビタミンB1やB2、汗と一緒に排出され、不足するとむくみの原因にも繋がるカリウムなどを積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンB1の多い食品としていは豚肉やうなぎ、ビタミンB2を多い食品としては納豆やレバー、カリウムの多い食品としてはアボカドやバナナ、にんにくやニラ、納豆が挙げられます。
質の良い睡眠
日本の夏や夜になっても気温が下がらず熱帯夜になることが多く、寝苦しい日が続きます。
しかし、睡眠不足は自律神経のバランスを崩してしまうだけでなく、脂肪の分解にも重要な成長ホルモンの分泌も妨げられて、太りやすく痩せにくい体質を作ってしまいます。
足元に扇風機を置いて風を当てる、部屋の除湿を行う、頭や脇の下などに保冷剤を入れて冷やす、パジャマや枕、布団を通気性の良い涼しいものに変えるなど、エアコンに頼らない対策を行って、熱帯夜を乗り切りましょう。
夏太りに効くツボ
ご紹介した夏太りを解消する方法に加え、気付いたときにすぐできる解消法として、夏太りの原因になる冷えやむくみに効くツボを3つご紹介します。
痛気持ちいいくらいの力加減で10回程度、ゆっくりと5秒くらいかけて押し、また5秒くらいかけて離すようにしてください。
陽池(ようち)
出典:http://r-yakuzaishi.net/
手首を手の甲側に反らせてシワができる辺りの、手首の中央できるくぼみです。
手首にあるツボですが、全身の血の巡りを良くして、手足の指など末端の冷えを改善します。
三陰交(さんいんこう)
出典:https://192abc.com/21390
両脚の内側のくるぶしから指4本分上にある、骨と筋肉の境目です。
冷え対策として有名なツボで、手足の冷えやむくみはもちろん、生理痛や生理不順、更年期障害など女性にとって重要なツボです。ただし、陣痛を早めるツボでもありますので、妊婦さんは自己判断でこのツボを押さないようにしてください。
湧泉(ゆうせん)
派幽の足裏の土踏まずの中央より少し上にあります。足の指を曲げたときに凹む場所です。
足が疲れたときなどに、存在を知らずとも湧泉を押していたという人も多いのではないでしょうか。
血液脳運感を促すとともに腎臓と膀胱の機能を高めるので、冷えとむくみの両方に効果があります。
夏太りをしないためには
夏太りしないための予防法は、基本的に夏太りの解消法と同じです。
・エアコンを使いすぎない
・冷たいものばかり飲まず、できるだけ常温のものや温かいものを飲むようにする
・毎日湯船に浸かったり、エアコン対策をして身体を温める
・栄養バランスの良い食生活を心掛ける
・適度な運動を取り入れる
・質の良い睡眠を摂る
また、ストレスは自律神経を乱れさせて基礎代謝の低下や身体の冷えを引き起こしてしまいますので、できるだけストレスを溜め過ぎず、規則正しい生活や気分転換などでストレスを解消するようにしましょう。