不足NG!カリウムの多い食品を、普段の食生活に取り入れよう

 

「カリウム」という栄養素の名前を聞いたことのない方はいらっしゃらないでしょう。

でも、カリウムが一体どういう役割を持っているのか、不足すればどういった症状が現れるのかまでご存知の方は多くはないのではないでしょうか。

カリウムは健康を維持するために必要不可欠でありながら、逆に取りすぎても健康を害してしまう難しい栄養素です。

今回は、そもそもカリウムとはどういった栄養素なのか?不足した場合や過剰摂取した場合に引き起こされる症状や、摂取目安量、そして毎日の食事に取り入れたいカリウムが多く含まれる食品など、カリウムについて詳しく解説します。

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カリウムとは?

カリウムとは、100種類以上あるミネラルの中で生命維持に必要不可欠な必須ミネラルと呼ばれる16種類のミネラルの1つです。ミネラルは身体の中で作る事が出来ない栄養素なので、食品などから摂取しなければいけません。

カリウムは、神経や筋肉などの情報の伝達、心臓や筋肉の機能の調製、細胞の浸透圧の調整、腎臓でのナトリウムや老廃物の排泄やそれによる血圧の低下といった役割を持っています。

不足NG!カリウムの多い食品を、普段の食生活に取り入れよう

 

カリウム不足による症状・病気

カリウムは、体内の様々な場所で多くのはたらきを持っているため、カリウムが不足すると、神経が興奮状態になったり、心臓などの筋肉の動きが弱まってしまいます。

また、ナトリウムが排出されず蓄積されることで、血液中のカリウムとナトリウムのバランスが崩れたり肝臓の負担が増加してしまったりします。

その結果、次のような様々な症状や病気が引き起こされます。

・足がつりやすくなる
・吐き気やめまいがしやすくなる
・疲れやすくなる
・イライラするようになる
・脱力感を感じる
・無気力、
・むくみが酷くなる
・便秘になりやすくなる
・心臓のはたらきが弱まる
・筋力が低下する
・高血圧
・不整脈
・排尿困難や夜間多尿
・脳卒中

以上はカリウムが不足することで引き起こされる症状や病気のごく一部で、カリウム不足が悪化すると知覚障害や意識障害、呼吸困難の原因になることさえあります。

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カリウムの目安摂取量

では、カリウムが不足しないようにとにかくたくさん摂取しておけば良いのかと言えばそうではありません。カリウムの過剰摂取は、突然死にも繋がりかねない高カリウム血症を引き起こす恐れがあるからです。

現代人は慢性的にカリウムが不足しがちですが、意識的にカリウムを摂取するにしても、必ず目安摂取量を守るようにしなければいけません。

厚生労働省が制定しているカリウムの摂取目安量は、成人の場合男性が2,500mg、女性が2,000mgとなっています。成長期に当たる15~17歳はもう少し増えて、男性が2,800mg、女性が2,100mgです。

「目安量」とは別に高血圧などの生活習慣病の予防を目的とした場合の「目標量」というものも制定されており、その場合15歳以上の男性は3,000mg以上、同じく女性は2,600mgとされています。

ただし、腎不全や腎臓病など、腎機能に何らかの障害を抱えている方の場合、この限りではありません。

腎臓は尿を作り出す臓器で、通常は老廃物や水分と一緒にカリウム尿として排出されます。
しかし、腎機能に障害があると尿の排出が上手くいかなくなり、 高カリウム血症のリスクが高まります。

主治医の指導のもと、適切な量のカリウムを摂取するようにしましょう。

不足NG!カリウムの多い食品を、普段の食生活に取り入れよう

 

カリウムの多い食品と食べ方

カリウムは体内で作り出すことのできない栄養素なので、食品からの摂取が基本となります。カリウム含有量の多い食品と、カリウムを効率よく取り入れるための食べ方のポイントをお伝えします。

カリウムの多い食品

・じゃがいも、さつまいもなどの芋類
・わかめ、ひじきなどの海草類
・ほうれん草
・枝豆
・しいたけ
・カボチャの種、落花生、アーモンドなどの種子類
・バナナ、アボカドなどの果実類

食べ方のポイント

カリウムは、上記に挙げたもの以外にも多くの食品に含まれています。しかし、カリウムは水溶性なので、洗ったり茹でたりしている間にどんどん溶け出していってしまいます。

食品中に含まれるカリウムをムダなく取り入れるために、調理中は

洗う時は手早く洗って、長く水に浸けておかない

・長く茹でたり煮たりしない

ということを意識して、さつまいもなら蒸して食べるなど、調理の仕方を工夫してみましょう。

また、インスタント食品や加工食品は塩分が多く、カリウムが不足しやすくなります。忙しいと、ついコンビニ弁当や外食に頼りがちになりますが、食生活を見直し、できるだけ塩分が控えめの手料理を心掛けるようにしましょう。

また、ナッツ類や果物はカリウムが豊富でナトリウムは控えめです。調理しなくてもそのまま食べられるので、手軽で効率よくカリウムを摂取できる優秀な食品として間食に取り入れるのも良いですね。

むくみや便秘といった女性に多い悩みから、高血圧や脳卒中といった命に関わる病気まで、カリウムの不足は体中の様々な不調として現れます。

しかし、過剰に摂取すると高カリウム血症を引き起こす恐れがあるので、摂取目安量を守ることが大切になります。

カリウムが多く含まれる食品を積極的に取り入れ、水に溶けやすいカリウムをムダにしない調理法を心掛けるなどの工夫で、現代人に不足しがちなカリウムを上手に摂取していきましょう。