最近、平熱の低い「低体温」の人が増えています。
「冷えは万病の元」と言いますよね。
低体温はただ体温が低いというだけに留まらず、免疫力や基礎体力の低下を引き起こし、様々な病気にかかりやすかったり、太りやすい体質の原因にもなってしまうんです。
今回は、低体温とはどういったものなのか、低体温の原因やそのリスク、低体温を改善する方法など、低体温について詳しく解説します。
そもそも低体温とは?
低体温とは、体温が35℃以下の状態を指します。
ここでいう体温とは直腸などで計った体温を指し、脇の下で計った体温とでは1℃程度差があるとされていますので、脇の下で計った平熱が36℃を下回っている方は、低体温の恐れがあると言えるでしょう。
人間の免疫力や代謝が一番良く働くベストな体温は36.5~37℃とされており、低体温になると、血行が悪くなって免疫力も低下し、身体に様々な悪影響が現れます。
たとえば35.5℃を下回ると代謝機能や排泄機能が低下し、脂肪を燃焼しにくくなって太りやすく痩せにくい体質になったり、身体の機能が狂ってアレルギー症や自律神経失調症などを発症する恐れがあります。
35℃ではガン細胞にとってベストな体温で、活発に増殖しはじめてしまいます。
34℃になると生存ギリギリの体温で、それをさらに下回り33℃にまで体温が下がると、凍死寸前になってしまいます。ベスト体温からたった3℃下がっただけで凍死寸前とは、恐ろしい話ですよね。
低体温の原因
様々なものが考えられますが、以下のような生活習慣の乱れが最も大きな原因と言えるでしょう。
食生活の乱れ
不規則で偏った食生活や無理なダイエットによる食事制限といった食生活の乱れが、低体温を引き起こす原因になります。
熱を作り出すのは筋肉です。食生活の乱れで筋肉の元となるたんぱく質が少ないと、筋肉量が減って体温が下がってしまいます。
また、糖質をエネルギーに変えるはたらきのあるビタミンやミネラルが不足すると食べ物からのエネルギーを作り出すことができず、やはり体温が下がってしまいます。
また、冷たい食べ物はもちろんのこと、精白された砂糖が大量に使われた甘い食べ物・飲み物も身体を冷やして低体温を引き起こす原因となってしまいます。
運動不足
筋肉は熱を作り出すだけでなく、血液を送るポンプの役割も持っています。
慢性的な運動不足で筋肉量が減少すると、十分な熱を作り出すことができなくなる上に血行が悪くなり、低体温を引き起こしてしまいます。
自律神経の乱れ
不規則な生活や精神的なストレスなどで自律神経が乱れると、体温を上手くコントロールすることができなくなり、低体温を引き起こしてしまいます。
特に女性の場合、月経や妊娠、出産、更年期などでホルモンバランスが乱れやすく、それにより自律神経お乱れて低体温に陥ってしまうことが少なくありません。
便秘
便秘になると、腸のぜん動運動が弱くなり、基礎代謝も低下してしまいます。
基礎代謝とは、何もしていなくても消費される生命維持に最低限必要となるエネルギーのことで、基礎代謝が低下するということは体温が低下するということに直結しています。
低体温でかかりやすい病気
人間にとってベストな体温から3℃下がると生命の危機という話をしましたが、体温が下がると体内の様々なはたらきが低下するため、体温は1℃下がるだけで免疫力が37%、代謝が12%下がるとも言われているんです。
それにより、頻繁に風邪をひいたり、花粉症などのアレルギー症を発症しやすくなってしまいます。
ほかにも、以下のような様々な症状が引き起こされてしまいます。
・身体のだるさを感じる
・睡眠障害
・朝、起きられない
・冷え性
・太りやすい・やせにくい
・肌のくすみ・肌荒れ
・自律神経失調症
・生理不順・生理痛
・肩こり・頭痛・腰痛
・更年期障害
・鬱病
など
また、ガン細胞は35℃で最も活発かするため、低体温の人はガンになりやすいというデータもあるんです。特に、胃や大腸、子宮、乳房といった冷えやすい部分でリスクが高まります。
低体温を改善する方法
体温を上げて低体温を改善するためには、生活習慣の見直しが大切です。
・規則正しい生活を送る
・旬の野菜や果物を中心としたバランスの良い食事を摂る
・冷たいものや甘いものは食べ過ぎない
・飲み物はできるだけ温かいものにする(一番よいのは白湯です)
・ストレッチやウォーキングなどの適度な運動を習慣づける
・夏でもお風呂にはゆっくり浸かる
・タバコは控える
といった点を心掛けましょう。
また、ストレスも自律神経を狂わせて低体温を引き起こしてしまいますので、ゆっくりと入浴したり早寝早起きを心掛ける以外にも、自分なりのストレス解消法を見つけておくと良いですね。
生活習慣の乱れが引き起こす低体温は、体温が下がって太りやすく痩せにくい体質になってしまうというだけでなく、様々な病気のリクスを高めてしまいます。
日頃から規則正しい生活や適度な運動を取り入れて身体を温めて代謝を高める生活を心掛け、36.5~37℃の人間にとってベストな体温を目指しましょう。