赤ちゃんの寝ている時の姿は、ずっと見ていても飽きませんね。時々顔を触ったり、ビックリしたようにビクンと動いたりする様子を見て、起こしたくなっちゃうと時もあります。
赤ちゃんの寝姿で、とっても可愛いなぁと思うのが、両手を上げてバンザイをしているような姿勢で眠る時です。「どうしてバンザイしているの?」と、不思議に思う方もいるのではないでしょうか。
小さな拳を上げて寝ているバンザイ姿勢の不思議について、解説します。
赤ちゃんがバンザイの姿勢で寝る理由
赤ちゃんが、両腕を上げてバンザイの姿勢で寝るのは、体温の調整をするというのがイチバン大きな理由です。赤ちゃんは、大人と比べて体温は高めです。体温が多少高めなのは、特に問題になるわけじゃないのですが、体温調整が苦手なのは、身体の中に熱をこもらせるので、身体に負担があります。
なぜ体温を調整するのが苦手なのか、それは人間のカラダが体温を調整する時の機能がまだ十分に発達していないからです。大人の体温調整は、汗を出して、その汗が蒸発して気化熱となり、皮膚から体温を放出させることで調整します。
汗腺は全身にありますが、しっかり機能させることがまだ十分にできないのが、生まれて間もない赤ちゃんです。
大人よりも、成長が激しい赤ちゃんは、ホルモンの分泌も盛んで、体温が上昇しやすいのに、体温を放出させる機能がまだ不十分なので、他の方法で体温を調整しなければいけません。
そこで、ワキを冷やそうとする本能が働いて、腕を上げてバンザイをするように寝るんですね。ということは、腕を上げている時は、赤ちゃんが熱いと感じているから、自然にその本能が働いていることになります。
バンザイをしていると、ついつい、「寒くないのかな」と心配になってしまいますが、体温が高くなっている可能性が高いので、無理に布団をかけて手を隠そうとしない方が良いのです。
体温が高くなる理由
赤ちゃんの体温は、大人よりも高めです。37度くらいの体温は普通のことなので問題はありませんが、小さな赤ちゃんは、ついつい大人は温め過ぎる傾向にあります。
「風邪を引いたら大変」だと思ってしまうのですよね。でも、意外と赤ちゃんは暑がりで、冬でもしっかり布団をかけて寝ていると、身体の中は汗で湿っていることも少なくありません。部屋の温度が高く設定してある時には、布団や毛布を重ねて寝かせると、体温がこもってしまいます。
新生児から半年くらいまでの赤ちゃんには、母体からの免疫が残っているので、とてもか弱く見えても意外と風邪のウィルスなどには強いので、過剰に温め過ぎないように注意しましょう。
バンザイをして寝ている時には、体温が高くなっていることが多いので、もしも心配なら、体温を計測してみましょう。高熱が出ているような場合は、自然な体温調整と静観することはできません。
バンザイをしているだけじゃなく、頭などから汗が沢山出ていたり、顔が赤くなっていて、呼吸が荒いような様子がみられたら、その時は体温を測って、小児科を受診するなど、適切に対処しましょう。
バンザイの姿勢で寝るのはいつから?
新生児の頃は、バンザイをして寝ることはあまりありません。これは、母体の中にいた時に、身体を丸めてお腹の中にいたので、身体を大きく伸ばすことが少ないからです。
両手を握って、顔の横あたりに置いて寝ている姿勢が多いですね。新生児でも肘が曲がったバンザイっぽい姿勢になることはあります。
とくに何カ月からバンザイの状態で寝るようになると、決まっているわけではないので、もしもバンザイの姿勢で寝なくても心配はありません。体温調整が上手くできているので、快適だからしないのです。
バンザイの姿勢で寝るのはいつまで?
バンザイの姿勢で寝るのは、成長すると徐々に減っていきます。成長すると、自分で布団を外して調整するようになるので、バンザイ以外でも体温調整できるからです。
ただし、中には小学生くらいになってもバンザイで寝る子供もいます。腕を伸ばして寝る姿勢が、リラックスできて気持ちが良いので自然にその姿勢になっているのだと考えられます。
とくに問題があるわけじゃないのですが、寝ている時に暑く感じている可能性もあるので、部屋の温度や寝る時の衣類などを見直してみるとしなくなるかも知れません。
寒さ対策は必要?
バンザイで寝ている時には、そのままにしていていいのか迷いますよね。手が冷たくなってしまわないか心配になります。
しかし、バンザイの姿勢になるのは、赤ちゃんの体温調整なので、熱を放出するのを邪魔してはいけません。手袋(ミトン)で覆ったり、せっかく寝ているのに、腕を布団の中に入れて隠したりする必要はありません。
それよりも、部屋の温度を少し下げてみるか、布団を薄いものに交換してあげる方が、体温が高くなりすぎるのを防ぐことができます。大人が重ね着をしないで、薄着で過ごせる部屋の中で寝かせている時に、沢山着せて寝かせるのは、体温が高くなりますので、布団の中の汗の状態をこまめに確認して調整してあげましょう。