結婚~出産という流れは、当たり前のことではなくなってきています。近年ではそもそも結婚する男女が減少傾向にあるだけでなく、結婚する年齢も高齢化してきています。そこで問題に取り上げられ始めたのが“不妊症”です。
不妊治療は精神的にも体力的にもかなりの負担となり、それが原因で離婚してしまう夫婦も残念ながらいらっしゃいます。子供ができないことを妻のせいにしたり、夫のせいにしたり、そんな悲しい争いが起きてしまわないためにも、結婚前に子供を望むのか、子供を授かれる状態にあるのか、チェックすることが大切です。
今回は、最近では結婚前の常識ともなりつつあるブライダルチェックについて詳しくご紹介していきたいと思います。
ブライダルチェックとは?
このチェックは簡単に言えば、婦人科検診のひとつです。子宮頸がん検診などを受けたことのある方ならご存知かと思いますが、子宮や卵巣の状態を確認するためには、エコーなどを使って診察する必要があるのです。
不妊検査とは異なります
ブライダルチェック=不妊症かどうかを検査するものと思われている方もいらっしゃいますが、この2つはそもそもの目的が異なります。
ブライダルチェックの目的
・子宮や卵巣が赤ちゃんを授かることのできる状態にあるか
・赤ちゃんに影響を及ぼすような疾患がないか
・性病などの病気に感染していないか
このような不安を取り除き、安心して赤ちゃんを迎えることができるかどうかを調べるための検査となります。妊娠・出産が当たり前ではなくなってきたことからも、現在では結婚の予定がなくても検査をする女性が増えています。
ブライダルチェックの内容とメリット
では、ブライダルチェックの詳しい内容と、受けることによるメリットについてお話していきます。
検査内容
問診
まず、あなたの月経周期などを問診するところから始まります。周期は正常か、過去の妊娠経験や生活習慣などについても詳しく話すことになります。
おりものに異常を感じたことがある場合や、生理がこない月があるなど、不安なことがある時にはきちんと相談しておくとよいでしょう。
内診
膣内から外陰部まで視診し、エコーで卵巣や子宮を確認します。この時子宮筋腫が見つかった場合などは、内診中に先生から説明を受けることになるでしょう。
血液検査
血液検査によって、性病に感染していないかどうかを確認することができます。
・梅毒
・エイズ
・クラミジア
また、卵巣年齢や風疹ウィルスなどの検査も血液の採取によって確認します。
がん検診
子宮頸がんや子宮体癌、乳がんなどのがん検診も合わせて行うこともできます。今まで一度も受けたことがないという方はこの機会に受けておくと良いでしょう。
チェックすることによるメリット
1.パートナーへの配慮
いずれ授かる赤ちゃんのため、母体の健康状態確認のためには必須といえる検査ですが、パートナーにとってもメリットが大きいといえます。
本来なら、性交渉を持つ前に性病などの検査は受けておくべきといえますが、結婚前にお互いチェックしておくと安心ですね。妊娠が分かってから性病に感染していることが発覚してしまうと、どっちが原因なのか、ひどい修羅場になりかねません。
パートナーへの配慮にもなるため、女性だけでなく男性にも検査してもらいましょう。
2.不妊症予防になる
また、性感染症を放っておいたことが原因で不妊症になってしまうこともあります。夫婦二人ともが感染に気付かずそのまま性行為を続けていれば、結婚後の妊娠に大きな影響を及ぼすことになる可能性も。さまざまなリスクを避けるためにも、ブライダルチェックはメリットのある検査といえます。
3.子宮筋腫、子宮内膜症なども確認できる
卵巣嚢腫や子宮内膜症は、若い女性に多く見られるものです。どちらも妊娠しにくい原因になる可能性もあり、今後の妊活のためにどうすればよいのか、その場で相談することができるのもメリットのひとつです。
ブライダルチェックにかかる費用
基本的にレディースクリニックや産婦人科、婦人科などで受けることのできるチェックとなっていますが、費用面においては保険の適用はされないため注意してください。
基本コースにオプション追加で値段もアップ
基本的には1万円~2万円以内で基本的な検査を受けることができます。ただ、がん検診などが別料金になっていたり、検査項目を増やすと値段がアップする場合もあります。
それでも、通常なら4万円程度で満足できるレベルの検査を受けることができるでしょう。
検査を受けるタイミング
結婚前の検査を予定している方は、新生活の準備や式場の準備などに追われる前に済ませておいた方が良いです。診察予約から始まり、検査結果が判明するまでには2週間程度時間を要することになるでしょう。
がん検診などでもそうですが、検査結果が分かるまでには1週間~2週間程度かかることになります。結婚が決まった時点でまず先に検査を済ませておくと、結婚準備だけに時間を割くことができますね。
生理後に受けられるよう予約する
生理中だと、がん検診などの内診ができないこともあります。また、生理前は検査結果の精度が低くなる恐れもあるため、生理後に検査できるよう予約しておきましょう。
ナプキンを持参しておく
病院によっては、内診後出血する恐れがあるためナプキンを渡してくれるところもありますが、自身で準備しておく必要がある場合もあります。おりものシートなどの軽いもので大丈夫なので、念のため持参しておくと良いですね。
時間がない方はセルフチェックだけでも受けておこう
現在は、郵送で検査できるキットがネットなどで販売されています。尿や膣内部の分泌物を採取し、郵送することで結果が送付される仕組みとなっています。
とはいえ、子宮・卵巣の健康状態を詳しく把握するには、病院にての検査がおすすめです。超音波検査をすれば、自分の子宮、卵巣をその目で確認することができますし、下腹部の触診検査なども受けられます。自分では健康と思っていても、何が潜んでいるかは分かりません。
性病じゃないから安心ではなく、子宮頸がんのように症状がないまま進行するがんも多いことは知っておくべきでしょう。パートナーのためにも、赤ちゃんのためにも、安心してお母さんになれる準備のひとつと考えておいてくださいね。
今回は、ブライダルチェックについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。愛を誓いあい、二人で人生を歩んでいくと決めたのなら、お互いの体のことをきちんと知り、健やかな赤ちゃんを産んであげられるよう努力することも大切だといえるでしょう。