年齢とともに増えてくる白内障。
大丈夫だろうと放置してしまうと視力を失ってしまうことにも繋がってしまう為、あなどれない病気の1つです。
白内障の症状や原因、さらに知っておきたい治療法についてもご紹介いたします。
白内障とは
白内障とは水晶体という目のレンズの役割をする部分が白く濁ってしまう病気です。健康な水晶体は透明で光をよく通す性質を持っています。
例えるならば、カメラのレンズやメガネのレンズに汚れがついたり白くなっている状態です。レンズが汚れていると当然見えにくくなりますよね。
ただ白内障自体は病気として深刻なものではなく、年齢とともにお肌にシワが出来る、耳が聞こえづらくなるといった症状と同じものです。
ただし、目は私たちが生活する上で非常に重要な役割を果たしている部位であるために、日常生活に支障をきたしてしまいます。
視力が落ちるという症状とは違い、レンズ自体が濁る症状なので眼鏡で矯正をすることができないのです。
加齢に伴って起こる為、80代になるとほとんどの人がなんらかの症状を持っているほどポピュラーな病気だとはいえ、早い人だと40代から発症する人もいますので若いからといっても油断はできません。
白内障の症状と種類
白内障といっても一気に目のレンズが白く濁るわけではなく、徐々に進行していきます。その為、初期の頃は気づかない人も多く、気づいた頃には随分と進行しているというケースも多いのです。
そこで白内障の症状を知っておくことが大切です。
・霧がかかっているかのように目がかすむ
・小さな字が読みにくくなり、視力の低下がみられる
・急に眼鏡が合わなくなる
・光を見るとまぶしく感じる
この症状だけを見ても、目の疲れやパソコンやスマホをよく使うようになったからかなと勘違いしてしまいそうですよね。初期症状は、目のかすみとまぶしさですので覚えておいてくださいね。
白内障の3つの種類をご紹介しておきましょう。
1.核白内障
水晶体の中でも核となる中央部分に濁りが出るタイプ。物が2重や3重に見えるなどの症状があらわれ、老眼が改善し近視が進んだような特徴を感じます。
2.皮質白内障
水晶体の中心にある核の外側の「皮質」と呼ばれる部位に濁りが出るタイプ。明るいところでは特に問題ないのですが、薄暗いところで見ると瞳孔が開き濁りのある部位にかかることで、2重や3重に見えてしまいます。
3.後嚢下白内障
水晶体の裏側の「後嚢」と呼ばれる部位に濁りが出るタイプです。特にまぶしさを強く感じ、暗いところの方が見えやすいのが特徴です。視力の低下は早く進む傾向にあります。
白内障が起こりやすい要因
次に白内障が起こりやすい要因にどんなものがあるのかも知っておきたいですよね。
最も多いのは最初にもご紹介した「加齢」ですが、それだけではありません。「遺伝」によって起こるケースも多く、強い近視がある人は特に遺伝的な要素が強くなります。
また「紫外線」や「ダイオキシン」による活性酸素も影響し、紫外線を受ける機会が多い人ほどかかりやすい傾向があります。喫煙や、血糖値が高く糖尿病が長く続くことも白内障の発症率を高めてしまいます。
性別でいうと女性ホルモンの影響で男性よりも女性に多い傾向がある病気です。
さらにアトピー性皮膚炎の治療にステロイド剤を使用すると子供でも白内障を発症してしまうこともあります。
白内障の原因
では白内障はいったい何が原因で起こるのでしょうか？
少し難しい話になりますが、たんぱく質が酸化することが引き金となります。
簡単に言うと加齢・老化現象なのですが、私たちの身体は活性酸素がたまると酸化してしまい、老化が進行するいうことを聞いたことがあると思います。要はそれと同じなのです。
目の水晶体の中の細胞内にはクリスタリンタンパクというたんぱく質が存在します。そのたんぱく質が先ほどご紹介した、加齢による活性酸素や紫外線などが原因で変性し、白く濁るわけです。
若い頃はたんぱく質がダメージを受けても、それを修復する能力が強いのですが、年齢とともにその能力も低下してきてしまうのです。
白内障の治療法
もし白内障になってしまったら、どういう治療法を行うのか気になりますよね。
1.点眼
まだ白内障の進行がそこまで進んでいない場合は、点眼や内服薬を服用することで進行を抑えていきます。
ただしこれはあくまでも進行を抑えるための処置にしかすぎず、濁ってしまった水晶体を改善させることはできません。
2.手術
症状がある程度進行し、視力の低下が著しいなど生活に支障が出る場合は手術を行うこととなります。手術というと怖いイメージがありますが、白内障の場合は15分程度の日帰りで行える病院もあるほど手軽なもので安全性も高い為、そこまで心配する必要はないでしょう。
ただし高血圧や高血糖という症状がある人は入院が必要な場合もあります。
白内障は、世界では失明原因のナンバーワンにのぼる病気ですが、日本では失明する人のわずか3％です。早めに処置を取っていけば失明などのリスクもなくなる病気ですので、初期症状を感じたら我慢せず病院を受診しましょう。
