子供が生まれて初めての子育てには、わからないことだらけです。何人目の出産でも、子供は個性があるので、経験だけで解決できないこともあります。
相談できたり、助けてもらえる人が近くにいないと、不安になってしまうこともあるでしょう。そんな時に少し心を落ち着かせるために、子供が癇癪(かんしゃく)を起こした時の対処法について解説します。
子供の癇癪とはどのような状態?
癇癪持ちというのは、大人にも使われる表現ですが、子供の癇癪と大人とでは少し違います。子供の癇癪は、成長過程での一つの感情表現と考えられます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の欲求を泣いて発信します。それをしないと生きることができないので、空腹や苦痛を大きな泣き声で周囲に知らせます。
しかし、徐々に成長してくると、泣くだけではなく、行動で自分の欲求を伝えようとしたり、言葉を発して具体的に伝えようとします。この成長段階で、上手くその欲求が伝わらなかったりすると、感情が押さえられなくなり、火のついたように泣いたりすることがあるのです。
癇癪を起しやすい年齢
成長過程で癇癪を頻繁に起こすことが多くなる年齢は、二歳前後です。このくらいの年齢になると、発する言葉も多くなってきますし、行動範囲も広くなり、色々なことに興味が出てきます。
「自分でやってみたい」と思うことが沢山あるのに、思うようにできなくて癇癪を起してしまうことが増えてくるのです。性格的に色んなタイプの子供がいますから、できなくてもアッサリ諦めてしまう子もいれば、癇癪を起してしまう子もいるわけです。
子供が癇癪を起こす原因
癇癪の原因として、前述のような成長過程の感情表現をもう少し具体的にご説明します。
思い通りにならない
子供が成長して自立心が養われてくると、与えられるものを受け入れるだけではなく、自分で行動したくなります。
「自分で食べたい」とか「自分で着替えたい」とか。実際にやってみると上手くできないので物を投げつけて大きな声で叫んだり、泣きわめくことがあります。
好奇心が強く、積極性があると起こしやすい傾向にありますが、これは成長していることを表しています。
空腹
お腹が空いている時に泣くのは、赤ちゃんの頃から続けていることですが、少し成長してくると、ただお腹が空いているだけではなく、食べることにも色々と要求が増えてきます。
好きなものを食べたいのに、それを食べさせてくれないことも原因になります。好きなものでも、自分で食べようとして思うように食べられないと、癇癪を起してスプーンや食器を落としてしまったり、感情を爆発させてしまうこともあります。
疲労
子供は遊びに夢中になると、空腹も疲労も忘れてしまい、ふと気が付くと疲労のピークを迎えていて、癇癪を起して伝えようとすることがあります。
眠いのに眠れなかったり、お腹が空いているけど疲れていて食べられないようなバランスが崩れるほどの疲労は、癇癪を起すきっかけになることがあります。
注意を集めたい
子供が奇声のような甲高い声を発して癇癪を起す時には、周囲の人の注意を自分の方に向けたいという感情が原因になることがあります。
周囲が大人ばかりで、大きな声を出せば振り向いてくれることをわかっているケースや、複数の子供の中で自分の存在をアピールしようとすることがあるのです。
体調
癇癪の原因は、ほとんどが成長過程の感情の起伏によるものなので、心配することはないのですが、体調が悪くて、それを上手く伝えられなくて癇癪を起してしまうこともあるので、なかなか原因がつかめない場合は、身体の具合が悪くなっている恐れも考えてみなくてはいけません。
癇癪を起した時の対処法
子供の癇癪は、一時的なもので、すぐにケロリとなってニコニコとしていることもあるので、あまり心配することはありませんが、対処できることはやってみましょう。
大きな声を出さない
子供の声を遮るような大声で叱りつけることは、成長過程の感情表現を抑え込んでしまうのでやめましょう。他の子供や周囲に迷惑をかけるようなケースでは、大きな声ではなく静かに根気よく言い聞かせるようにしてください。
無視しない
癇癪はわがままを押し通そうとする時に起こすこともあるので、無視した方が子供のためになると思うこともあるでしょうが、最初から無視するのはやめてください。
なぜ癇癪を起しているのか、落ち着いて伝えられるようになるまで、ガマンして待ちましょう。
焦らない
子供は、母親や父親など、自分を守ってくれる存在の人が動揺したり、焦ったりすると、それが伝わって余計に感情がコントロールできなくなることがあります。
子供が癇癪を起しても、いつもと同じように、冷静に対応するように心がけてください。まずはやさしく抱っこしてあげたり、ひざの上に招き入れて、高ぶった感情が落ち着くように対応してください。
癇癪イコールわがままではない
自分の要求が通らない時に癇癪を起すのは、わがままだと判断する大人もいますが、子供はそうではありません。
無理なことを判断できるような年齢になるまでは、わがままだと決めつけないで、温かい気持ちで接してあげるように心がけてください。
心配なほど繰り返したり、おさまらない時は、念のために小児科医に相談してみましょう。