衣替えの時期、お気に入りの服が着れる！とワクワクしながら取り出すと、虫食いの跡を見つけて大ショック…なんてことは絶対に避けたいですよね。部屋の中を綺麗に保っているのに害虫がわいてしまうのには、幾つか理由があります。この記事ではまず虫食いが起こりやすい条件・服を食べる害虫の種類を紹介し、対策としてそれらの害虫からお気に入りの服を守る方法をお伝えします。
虫食いが起こりやすい条件とは？
虫食いが起こりやすい主な条件は、「暖かく湿気のある場所」「服の素材」「季節の変わり目（特に春先）」人間と同じく、害虫は暖かく適度な湿気のある環境を好みます。特にクローゼットが服でいっぱいの状態だと、高温多湿の環境が更に進みます。その結果、害虫が産卵を繰り返しながら増加していってしまうのです。
害虫が好む素材について知っておくことも大切です。ウールやシルク、カシミヤ、アンゴラ等動物性繊維でできている素材は特に害虫に狙われやすいので、それぞれ正しい方法を確認し収納するようにしましょう。
また季節の変わり目も注意が必要です。特に暖かくなる春先から梅雨にかけては気温と共に湿度が急激に上がります。その時期に突入する前に、クローゼットの十分な換気と防虫対策を行いましょう。
服を食べる害虫の種類
実は服を食べるのは害虫の成虫ではなく、幼虫のみということをご存知でしょうか。そのため成虫が服に産卵するのを防ぐことが重要です。
主な害虫は、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシという甲虫、そして蛾の1種であるコイガ、イガといった4種類です。これらの幼虫が服に付着した汚れやホコリを餌にして成長するのです。最も多く見られるのはヒメカツオブシムシで、4～5月ごろに発生します。
お気に入りの服を害虫から守る方法
それではお気に入りの服を害虫から守る為に、どんな対策方法があるのでしょうか。主な対策方法としては次の2つが挙げられます。
1.服をしまう時は必ず清潔な状態にしてから
「しまい洗い」とも呼ばれるこの方法は、害虫を寄せ付けないためにとても効果を発揮します。害虫が動物性繊維を好むことは先にお伝えしました。しかし皮脂の汚れや食べ残し・ホコリが服に付着していると、動物性繊維だけでなく綿や麻等の植物性繊維・ポリエステル等の化学繊維も害虫の格好の餌になってしまいます。
虫食いを避けたい場合は、洗濯もしくはクリーニングで汚れをしっかり落としてから収納するようにしましょう。それによって虫食いの被害を減少させることができます。
2.効果の高い防虫剤と一緒に収納する
服を清潔に保つことを徹底しても、害虫は服の繊維そのものを餌にしているので、やはり防虫剤の併用がおすすめです。防虫剤には害虫を服に寄せ付けなくしたり、害虫の食欲を無くさせるなどの効果があります。
防虫剤を購入する際は、現在主流である「ピレスロイド系」（無臭）のものを選ぶようにしましょう。代表的な商品としては「ムシューダ」「タンスにゴンゴン」などが挙げられます。ピレスロイド系の他には「ナフタリン」「パラジクロルベンゼン」「しょうのう」など有臭のものがあります。ピレスロイド系は有臭のものとも併用できますが、有臭の防虫剤同士は併用できないので注意が必要です。
虫食い被害に遭った時はどうする？
収納方法や防虫剤の使用に気をつけていても、虫食い被害に遭ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。専門店へ修理に出す前の応急処置として、次の方法をお伝えします。
1.虫食いの裏側からかがり縫いして直す
虫食い被害が小さなものであれば、服の裏側から虫食いに遭った箇所をかがり縫いすることがおすすめです。当て布をする必要はありません。使用する糸はポリエステル製のミシン糸または手縫い糸を使用しましょう。綿や絹の糸を使っても良いのですが、時間が経ってから切れやすい・縫い目が硬くなり目立ちやすいなどのデメリットがあります。
2.補修シートの使用
かがり縫いでは十分に直せないという場合は、補修シートを使用するのをオススメします。わざわざ縫わなくても、虫食いの裏側からあてた補修シートの上からアイロンをかけるだけで完了するので、学校や仕事で忙しい毎日でもとても便利です。更に手間のかからない貼り付けるだけの補修シートも揃っており、様々な虫食いの事態にも対応できる商品が揃っています。
服の虫食いが起こりやすい条件の説明から始まり、服を食べる害虫の種類・お気に入りの服を害虫から守る方法・そして万が一虫食い被害に遭ってしまった場合はどのような対処方法があるかお伝えしてきました。
お気に入りの服は、できる限り寿命を延ばして長く着用してあげたいですよね。ご紹介したように、一旦虫食いに遭ってしまっても補修は可能ですが、日常でクローゼットのこまめな換気や掃除を心がけたり、適切な防虫剤を使用することで害虫の発生・虫食いの予防ができます。換気や掃除を頻繁に行えば部屋も綺麗になり、スッキリとした心でお気に入りの服を着ることができて一石二鳥です。防虫対策を万全にして、お洒落をもっと楽しみましょう！
