頭皮からパラパラと落ちてくる「フケ」。
不潔なイメージがあるので周りの人には相談しにくく、一生懸命ケアをしているつもりなのになかなか改善する気配がなくて困っているという方も多いのではないでしょうか。
フケには色々な種類があり、それぞれにあったケアをしなければ、逆に症状を悪化させてしまう事もあるんです。
今回は、そんなフケの原因や対策について詳しくご説明します。
フケの正体
「フケ」とは頭皮が剥がれ落ちたものです。
頭皮も皮膚の一部ですので、日々ターンオーバーを繰り返しており、フケの自覚がない人でもシャンプーなどにより毎日頭皮は剥がれ落ちています。
フケの目立つ人は、何らかの理由で通常の2倍近く頭皮が剥がれ落ちているとされており、
根本的治療方法がないため一度フケを患うと再発しやすいという特徴があります。
フケが出る原因
フケには、頭皮の乾燥が原因の「乾燥性のフケ」と、頭皮の脂分が原因の「脂性のフケ」、そしてそれ以外が原因のフケの3種類があります。
自分のフケがどのタイプに当てはまるのかを見極めなければ、フケを解消するどころか逆に悪化させてしまうというわけです。
それでは、それぞれのタイプの原因を見ていきましょう。
乾燥性のフケ
接触性皮膚炎(いわゆる「かぶれ」)や空気の乾燥により頭皮が荒れたり乾燥することで現れるものです。フケの原因である頭皮の乾燥を防ぐことで、症状が改善します。
フケを何とかしようと一生懸命シャンプーをすると、頭皮に必要な脂分や肌の持つ保湿成分を根こそぎ取り除いてしまい、まったくの逆効果となってしまいます。
脂肪酸系のタウリン系、アマイドサルフェート系、アミノ酸系などの刺激の少ないシャンプーを選んだ上で頭の洗い方を見直し、シャンプーは多くても1日1回までにしましょう。
脂性のフケ
脂性のフケは、頭皮の皮脂とそれを餌にするマラセチア菌が増殖することによって現れます。脂漏性皮膚炎を発症することもありますが、症を伴わない脂漏性皮膚炎もあり、必ずしも炎症を伴うとは限りません。医学的に「フケ」といえば、 脂性のフケを指すことが多いです。
症状を改善させるためには、抗真菌治療でマラセチア菌の増殖を抑えるが必要があります。
それ以外に自宅でできる対策としては、頭の洗い方や食生活の見直しです。
頭の洗い過ぎは乾燥性のフケの原因になりますが、余分な皮脂が残らないように綺麗にしておく必要はあります。脂性フケ対策用のシャンプーを使用するのも良いですね。
また、脂っぽい食事は避けるようにしましょう。
その他のフケ
「頭皮が剥がれ落ちて、白い粉のようになって肩や頭に積もっている」というフケのような症状は、アトピー性皮膚炎や 乾癬(かんせん)などの病気でも見られます。
頭皮に合わないシャンプーやリンス、パーマ液やカラーリング剤を使用することで頭皮が刺激を受けて角質層のターンオーバーを異常に早めてしまうことや、精神的ストレスやホルモンバランスの崩れなどが原因であることが多いです。
シャンプーなど頭皮に使うものを見直したり、生活習慣の見直しが重要です。
頭皮の潤い対策
脂性フケ対策にはシャンプーが大切。でも、洗い過ぎは乾燥性フケを引き起こす。となると、頭皮の清潔と潤いを保つ方法を学ばなければいけません。
正しい頭の洗い方
1.洗髪前(入浴前)に念入りにブラシや串で髪をとかします
絡まりをなくすとともに、髪の表面についている汚れが浮き上がり、汚れを落としやすくなります。
2.30秒ほどかけて頭皮までしっかりと濡らし、髪にも指が通るようにします
3.シャンプーを手に取ってしっかりと泡立て、頭皮全体に馴染ませます
4.決して爪を立てず、指の腹で頭皮をマッサージするように洗います
髪の汚れは念入りに洗わなくても落ちますが、毛先まで整髪料などを付けている場合は意識しながら洗いましょう。
5.ぬるま湯で丁寧にすすぎます
熱いお湯ですすぐと頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうので、必ずぬるま湯ですすぎましょう。
シャンプーの成分が頭皮に残っていると、頭皮のトラブルを引き起こしてしまうので、すすぎ残しの内容にしっかりと洗い流しましょう。
6.リンスやトリートメント、コンディショナーは、毛先を中心に馴染ませるように使用します
正しい髪の乾かし方
シャンプーのあとは、皮脂が減って頭皮が乾燥しやすい状態になっています。かといって濡れた髪を放置していると、雑菌が繁殖して痒みやニオイの原因になってしまうので、タオルとドライヤーでしっかりと乾かしておかなければいけません。
1.しっかりとタオルドライする
ゴシゴシとこするのではなく、ポンポンと軽く叩くようにしたり、タオルで挟んで水を押し出すようにして水分を吸い取ります。
2.手櫛で毛の流れを整えます
毛の流れに逆らわないようにしましょう。
3.ドライヤーを髪から20cm離し、熱風が1カ所に集中しないようにドライヤーを揺らしながら根元を乾かします
4.根元から毛先に沿うようにドライヤーをあてて乾かしていきます
この時もドライヤーと髪の距離は20cmをキープし、髪の裏側もしっかりと乾かしましょう
5.仕上げに、全体にドライヤーの冷風をあてます
このとき、触ってみて冷た過ぎる部分があれば、その部分がまだ乾き切っていない証拠です。
頭皮の保湿
顔はローションや美容液で保湿しても、頭皮まで保湿しているという方は少ないのではないでしょうか。
特乾燥性のフケの改善を目指すのであれば、頭皮の保湿は欠かせません。
タオルドライとドライヤーでしっかりと髪を乾かしたあとには、しっかりと保湿をしましょう。頭皮専用のローションやエッセンスが市販されていますし、顔と同じローションを使用しても構いません。
ただし、アルコールが多く入っているローションは、蒸発する際に頭皮の水分も奪ってしまうので避けましょう。
紫外線対策もしよう
紫外線は頭皮のバリア機能を衰えさせ、乾燥や痒み、フケといった肌トラブルを引き起こしてしまいます。
特につむじや分け目など肌が露出している部分は、顔の3倍の紫外線を浴びていると言われていますので、帽子や日傘、日焼け止めなどで紫外線対策を行い、頭皮がヒリヒリするときは冷たい水やタオルで冷やすなどアフターケアにも気を使いましょう。
毎日少しずつ分け目を変えて、同じ場所ばかり紫外線を浴びてしまわないようにすることも良いですね。
食事も見直そう
食生活もフケの原因に繋がります。
揚げ物やインスタント食品、スナック菓子などの脂分の多い食べ物を好んで食べていると、皮脂の分泌も多くなり、頭皮の皮脂と水のバランスを崩れさせてしまいます。
バランスの良い食事を1日3食きちんと摂るように心掛け、特に健康な頭皮や髪を作るのに欠かせないビタミン類や、たんぱく質、亜鉛を積極的に摂るようにしましょう。
頭皮が乾燥してもオイリーになっていても出てしまうフケ。フケは根本的な治療が難しいため、頭皮の清潔と潤いを保ち続けることが大切です。
シャンプーの仕方や頭皮のケア、食生活を見直して、頭皮環境を整えるようにしましょう。