【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

風邪を引いたときや体調が悪いとき、消化に良いものを食べなさい、と病院で指示されることがあります。しかし実際に消化に良い、とはどのような意味なのでしょうか。また消化に良い食べ物とはどのようなものなのか、その具体的な食材や調理方法について、詳しくご紹介します。


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「消化に良い」とはどういうことか

食べた食べ物は胃で消化され、腸で栄養分が吸収されます。しかしこの胃の中での消化は、大量の胃液を分泌し、また収縮活動をおこなうため、消化に時間を要する食べ物は胃に負担をかけてしまいます。

つまり消化に良いとは、胃に負担をかけずに、合わせて回復するために必要な栄養を補給することといえます。

【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

消化に良い食べ物の条件

胃に負担をかけないためには、胃の働きをなるべく抑えることが必要となります。

1.食物繊維が少ない食べ物

食物繊維が多い食べ物は、胃で消化するときに時間がかかります。また繊維が胃を傷つける原因になります。

2.脂肪の少ない食べ物

脂肪分が多い食べ物は、消化に時間がかかり、胃に負担となります。

3.柔らかい食べ物

生の野菜は消化に時間がかかります。柔らかい食べ物なら胃が動く必要が少なくなります。

4.刺激が少ない食べ物

刺激のあるもの、甘いものなども胃液の分泌を増やすため、胃に負担をかけます。薄味を心がけるようにしましょう。

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消化に良い食べ物や料理の種類

消化に良く、栄養も補うことができる食材を詳しくご紹介します。

エネルギー減となる炭水化物

・おかゆ
・ぞうすい
・うどん
・じゃがいも

胃の粘膜を修復させるために必要なたんぱく質

・ささみ
・白身魚
・豆腐
・卵

免疫力をつける野菜や果物

・ほうれん草
・小松菜
・キャベツ
・長いも
・大根
・バナナ
・りんご

胃腸の炎症を抑える

・ヨーグルト
・ゼリー
・プリン

胃腸の働きを助けるための水分

・白湯
・スポーツドリンク
・具のない味噌汁

さらに胃に負担をかけないような調理方法を心がけましょう。

【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

胃腸に優しい調理法

温かくする

冷たい状態では胃に刺激となります。水なども室温においたものや白湯にして飲むようにしましょう。また逆に熱すぎるのも負担となるので注意が必要です。

柔らかく煮る、もしくは蒸す

米やうどんは体に必要な炭水化物ですが、そのままでは消化に時間がかかり、胃に負担をかけてしまいます。噛まなくても大丈夫なぐらいに煮込むようにしましょう。またじゃがいもや大根、ほうれん草などの根菜や葉物野菜は食物繊維も含まれているので、よく煮ることで胃の負担を減らせます。また蒸すのもおすすめの調理法です。

小さく切る、すりおろす

大きく切るとその分消化に時間がかかることになるため、胃に負担がかかります。なるべく小さく切ってから煮込む、すりおろしてから食べるようにしましょう。

【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

胃腸が弱っているときに食べないようにするべきもの

胃に負担をかけるものは、控えることが必要です。

油や脂肪の多い食べ物

・揚げ物
・スナック菓子
・ラーメン

甘いもの

・チョコレート
・ケーキ
・あんこ

冷たいもの

・アイスクリーム
・かき氷

糖分の多い果物・酸味のある果物

・レモン
・イチゴ
・パイナップル
・トマト
・パイナップル

食物繊維の多い野菜

・ごぼう
・セロリ
・さつまいも
・たけのこ
・ナッツ類

このほかキノコ海藻類も消化に時間がかかる食物繊維が多く含まれています。さらに乳酸菌を多く含むヨーグルトも酸味が胃腸に負担をかけることがあるので、受け付けないときには無理に食べないようにしましょう。

また胃が弱っているときには、コーヒーやアルコール、炭酸ドリンクも刺激が強いので飲まないようにしましょう。

【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

消化にいい食事の仕方

胃腸の負担をやわらげ、効果的に栄養を摂るためには、食べ方にも注意する必要があります。
さらに今は元気であっても、毎日の食事の仕方によっては、胃に負担をかけ結果的に胃腸の調子を悪くすることもありますので、日頃から注意しましょう。

よく噛んで食べる

よく噛むことで、食べ物が細かくなり、唾液も多く分泌するので胃がそれほど働かなくても消化されやすくなります。

一度にたくさん食べない

食欲が戻ってきても、一度に食べることは胃に負担となります。できれば少し時間をおいて食べるようにすると、胃の負担が軽くなります。

飲み物も食べ物もゆっくり食べる

飲み物も食べ物も、ゆっくりよく噛んで食べましょう。早食いや一気に飲むことは胃に負担となります。

食べた後は胃を休ませる

食後はすぐ動き回ったりせず、休みましょう。安静にしていることで、体の中の代謝が胃の消化や栄養吸収の働きにまわり、しっかり働きます。

完全に回復するまでは胃に負担がかからない食事を続ける

普通の食事に戻すと、また胃の調子が悪くなることがあります。調子が良くなってきたと思っても、胃に優しい食事をしばらく続けるようにしましょう。またすぐに切り替えるのではなく、少しずつおかゆの水分を少なくしていくなど、段階を踏んで通常の食事に戻すのがおすすめです。

食べる順番にも気をつける

消化のしやすいものから食べるようにしましょう。おすすめの順番は果物や野菜を最初に食べ、炭水化物、そしてたんぱく質という風に、消化に時間がかかるものは最後に食べるようにします。

【体調不良時のご飯】消化に良い食べ物の4つの条件と種類

胃腸が弱っているときに摂りたい栄養素

胃腸が弱っているときには、少量で胃の健康を取り戻す栄養が含まれているものを食べるようにしましょう。

胃の炎症を抑えるEPA

青魚に多く含まれる栄養素であるEPAは、胃の炎症を抑え、胃の働きを正常に戻す働きがあります。胃腸が弱っているときには白身魚がおすすめですが、回復してきたら少量でも食べておくと予防にもなります。

抗酸化力のあるカテキン

炎症を抑えてくれるカテキンを多く含む緑茶を食後に飲むのもおすすめです。

胃腸の炎症を抑えるセレン

カテキンと同じく、セレンにも抗酸化力があります。たまねぎや卵、貝類やイワシに多く含まれています。

このほか胃の消化を助けてくれるミントを飲み物やデザートに取り入れるのもおすすめです。

朝食を抜いて昼や夜にたくさん食べる、また冷たい飲み物を多く摂るといった食生活は、胃腸を弱らせます。規則正しい食事と栄養バランスの取れた食事が丈夫な胃を作りますので、すこし調子が悪いときなどは胃を休めるためにも、胃に優しい食事を取り入れるようにしましょう。