昔からよくいわれる言葉に、「笑う門には福来たる」ということわざがあります。この場合の「門」は玄関のことではなく、一門=一族や家族のことをいいます。つまり「いつも皆が笑顔で、笑いの絶えない明るい家には、幸福が集まってくる」という意味です。
お正月に皆が集まって遊ぶ「福笑い」が、みんなで遊ぶと笑顔になる、ということから「笑う門には福来たる」になったという説もあります。
実は笑うことは福が来るだけでなく、色々な効果があるということをご存じでしょうか。今回は笑顔の持つ効果や、笑顔になるための方法について、詳しくご紹介します。
笑顔が持つ効果とは?
笑顔の人を見ると、自分も明るい気持ちになって、元気づけられますよね。笑顔には心や体に良い影響を与えるだけでなく、周りの人間関係にも影響を与えます。笑顔によって、どんな効果がもたらされるのか、詳しく見ていきましょう。
免疫力がアップする
笑うことで免疫細胞のNK細胞とB細胞が活性化するといわれています。はっきりとした理由は明らかになっていませんが、がんの患者さんを笑わせることで、ガン細胞が減ったというデータもあります。
病気の症状が軽減される
すべての病気に対してではありませんが、リューマチや糖尿病、心臓病の症状が、笑うことで改善されたという研究結果があります。薬を使わなくても、笑顔で症状が軽くなるというのは驚きです。
認知症の改善に効果がある
脳の海馬が小さくなることで引き起こされると考えられている認知症が、笑顔での交流により、症状が軽減されるという研究発表があります。笑顔になると、記憶を思い出そうとする脳の刺激になると考えられています。
自律神経の安定につながる
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、笑顔は副交感神経を優位にするため、心を落ち着かせます。そのためリラックスした状態になります。
アレルギーの症状が軽減される
笑顔には免疫力をアップさせる効果がありますが、同時にアレルギーに対抗する抗体を活性化する働きもあります。笑顔でいることでアトピーの症状が軽減したという報告もあります。
ホルモンバランスが整う
笑顔になると、幸せホルモンと呼ばれるエンドルフィンが大量に分泌され、幸せな気持ちになります。このエンドルフィンは体のホルモンバランスを整え、ストレスを発生させるホルモンを軽減させる働きがあります。女性の場合は正常な女性ホルモンの分泌につながり、美容にも効果があります。
美容の効果がある
表情に変化がない人は、顔の筋肉が衰え、シワやたるみの原因になります。笑顔を作り、顔の筋肉を活性化させることは、美容効果があるだけでなく、小顔にもつながります。
このように健康や美容にも大きな効果がある笑顔は、自分だけでなく周りの人にも大きな効果があります。
周りの人にも良い効果をもたらす
笑顔は私たちの体に良い効果をもたらすだけでなく、周りの人間関係にも良い影響を与えます。
周りの人を笑顔にする
仕事や勉強ができても、いつも難しい顔をしている人には、何となく近寄りがたい雰囲気があります。逆にいつも笑顔でいる人は、周りも笑顔にしてくれますし、皆がリラックスしている状態なのでコミュニケーションがしっかりできるようになります。
相手の気持ちも明るくする
笑顔でいる人は、相手の気持ちも明るくするので、初対面でも打ち解けて話をすることができます。しかめ面の人とは相対していてもなかなか心を開いて話すことができません。自分が笑顔でいることで、相手の心のガードを解くことができるのです。
笑顔を増やす方法
笑顔でいることが自分にも周りにも良い影響があるといっても、毎日の仕事で疲れ、笑顔どころではないという人もいるのではないでしょうか。笑顔を増やすためには、まず以下のことを心がけるようにしましょう。
ネガティブな言葉を使わない
疲れたりストレスがたまっていると、つい愚痴やネガティブな言葉が増えてしまいます。そういった言葉を使い続けていると、だんだん笑顔が減ってしまいます。嫌なことがあっても、それが終われば、と前向きに考えるクセをつけましょう。
またネガティブな言葉を使わなくても、言葉遣いが荒かったり、早口だったりすると、相手を不快な気持ちにさせてしまいます。丁寧な言葉遣い、急いでいるからこそゆっくりと落ち着いて話をしましょう。
自分から挨拶をする
笑顔がすぐに作れなくても、自分から積極的に挨拶をするよう心がけてみましょう。自分から話しかけていくことで、笑顔も一緒についてくるようになります。
姿勢を正す
道を歩いている時、無意識にうつむいて下を向いていないでしょうか。胸をはり、前を向いて姿勢良く歩くようにするだけでも、気持ちが前向きになり、笑顔につながります。
今日から始めたい笑顔のトレーニング
笑顔にならなくちゃ、と思うとかえってプレッシャーになり、自然な笑顔ができなくなってしまいます。普段から笑顔になれるよう、トレーニングも合わせてしてみましょう。
表情筋を鍛えるトレーニング
普段あまり笑わないと、表情筋がこわばってしまいます。毎日表情筋を柔らかくするトレーニングをしましょう。「う」といいながら口の周りの筋肉をしっかりすぼめ、「き」で唇を横にしっかり伸ばしましょう。歯がしっかり見えるよう、またしかめ面にならないよう注意しましょう。
鏡の前で笑顔を作るトレーニング
まずは作り笑いでもいいので、顔全体で笑顔になるように練習しましょう。口だけでなく目元も笑顔になるよう、顔を動かします。笑顔が素敵な芸能人の写真を見ながら、まねをするのもおすすめです。
作り笑いであっても、笑顔の時と同じような効能があるとされています。疲れている時、苦しい時だからこそ、笑顔を作って気持ちを前向きにすることも大切なことです。それでも笑顔ができない時には、周りの人の笑顔を分けてもらいましょう。笑顔になる場所に出掛けていくことも、笑顔になる方法の一つです。