妊娠中期、赤ちゃんが動くのを実感する時期です。安定期に入って一息つきたいところですが、初めての妊娠だと不安なことばかりですよね。胎動を感じて喜びが生まれる一方で、赤ちゃんがビクッとしゃっくりをしていると気になってしまいます。
一度や二度なら気になりませんが、頻繁に何度もしゃくりをしていると赤ちゃんが苦しいのではないかと思う人もいるかもしれません。胎児のしゃっくりは大人のものと仕組みは同じですが、理由が異なります。
今回は、胎児がしゃっくりをする原因と感じ方、しゃっくりにどんな影響があるのかを解説します。
胎児のしゃっくりの感じ方や位置
大人がしゃっくりをするように、胎児もしゃっくりをします。胎児のしゃっくりは、一定間隔で「ピクッピクッ」というリズムで起こります。はじめのうちは、何の動きなのか分からないかもしれませんが、しばらく続くとお母さんもしゃっくりだと気がつきます。はじめのうちは、お母さんも一緒にビクッとしてしまうことも。
しゃっくりの長さや間隔は胎児によって様々で、すぐに終わることもあれば10分以上など長時間しゃっくりが続くこともあります。
胎児のしゃっくりは妊娠20週目あたりから始まり、妊娠後期の32週頃になるとしゃっくりだとはっきり認識する人が増えます。胎児のしゃっくりは個人差があるので、妊娠中に全くしゃっくりを感じない人もいますよ。
妊娠中期のしゃっくりはおへその周辺で感じる場合が多いです。おへその下あたりが震える感覚で、胎児が逆子の場合はおへその上が震えます。妊娠が進むにしたがってしゃっくりを感じる位置が下にずれ、臨月に近づくと膀胱のあたりで感じます。
おへその上でしゃっくりを感じても逆子とは限らないので、心配しすぎるのも体に良くありません。また、胎児は羊水の中で動き回っているので、常に同じ場所で感じるとは限りません。突然位置が変わっても問題はありませんよ。
しゃっくりをする理由
胎児がしゃっくりをする理由は、未だはっきりとは解明されていません。現在のところ、以下の2点が有力です。
・羊水の異物を吐き出すため
・生まれてからの呼吸の訓練をするため
胎児のしゃっくりは大人と同じように、横隔膜が痙攣することで起こります。大人と異なるのは、しゃっくりをする理由です。大人のしゃっくりは、呼吸や病気に起因し、ネガティブなイメージがあります。胎児のしゃっくりは成長過程の一つでありポジティブな活動の場合が多いです。
胎児のしゃっくりは妊娠中しか感じられない、胎児の成長の証です。慣れてくると愛おしくなってきます。胎児の成長を全身で感じ取ることのできる妊婦さんは、神秘的で不思議な経験をしているのですね。
しゃっくりの頻度や間隔
胎児のしゃっくりをお母さんが全て感じ取るとは限りません。そのため、1日に何度もしゃっくりを感じる日や、1度も感じない日もあります。しゃっくり自体は悪いものではなく、基本的には心配要りません。大人のしゃっくりも、病気が理由の特別なもの以外は問題ありませんよね。
胎児にとってしゃっくりは、苦しいものや不快なものではないと考えられています。神経質にならなくても大丈夫です。
しゃっくりの回数に関しては、妊娠が進むにつれてしゃっくりを感じることが増えた妊婦さんもいれば、反対に減った妊婦さんもいます。ちなみに妊娠後期のしゃっくりの方がしっかりと感じ取れます。
しゃっくりが頻繁だからと毎回心配しなくても大丈夫ですよ。
しゃっくりしていても大丈夫?
前述したように、しゃっくりは特に心配要りません。しゃっくりが多いからといって胎児が病気であるとか、苦しいとは限りません。
ダウン症や逆子の可能性があるなどの噂が流れていますが、相関はありませんのであくまで噂話です。それよりも、妊婦さんがしゃっくりで不安になって嫌なイメージを抱え、ストレスを感じてしまうことの方が心配です。お母さんの不安や心配は赤ちゃんに伝わります。できるだけリラックスして過ごしたいものです。
痙攣するような動きを感じたら、”赤ちゃんがしゃっくりをできるようになったのだな”と、ゆったりとした気持ちで構えましょう。
妊娠経験がある人では、一人目はしゃっくりをほとんど感じなかったのに、二人目の妊娠中はかなり頻繁にしゃっくりを感じた、という人もいます。
こんな時には病院へ
しゃっくり自体は特に心配しなくても良い現象です。またしゃっくりを一度も感じなくても、胎児は元気に育ちます。しかし、「しゃっくり以外に胎動がない」という時には注意が必要です。
妊娠後期に入ってもしゃっくり以外の胎動がない、または途中で胎動を感じなくなった場合は自己判断せず病院を受診しましょう。毎日頻繁に胎動を感じていたのに、数時間から半日ほど胎動がない場合も同様です。
胎動は胎児の健康を表す大切なサイン。胎動やしゃっくりが頻繁だと夜に眠れなかったり、疲労が溜まってしまいます。けれども全く胎動やしゃっくりがないのも心配になってしまいますよね。
もちろん問題ない場合もありますが、あまり思い詰めずに、気になることがあれば専門医に連絡しましょう。