いきなり「グキッ」と強烈な痛みにびっくりしてしまうぎっくり腰。それと同じような衝撃や痛みが背中を襲うことを「ぎっくり背中」といいます。ぎっくり腰と違って「ぎっくり背中」はあまり聞きなれないので、発症したとしても原因や対処法がよくわからずにどうしたらいいのかわからなくて困るという方が多くいます。ここでは、ある日突然襲ってくる「ぎっくり背中」に関して詳しくご紹介します。
「ぎっくり」背中の原因と症状
突然の強烈な痛みが走るぎっくり背中。
ぎっくり背中の症状は、突然前触れなく、唐突に背中に強い痛みがあらわれるというものです。痛みの程度には個人差があるので、ひどい場合は動くこともできなくなるほどの痛みに襲われます。
前触れなく背中にちょっとした違和感から始まり、それがだんだんと強い痛みに進行するしてくることもあります。ぎっくり背中になると、寝返りすらも困難になる場合もあり非常につらい状態が続きます。
痛みの程度同様に、痛みがあらわれる範囲にも個人差がありますが、肩甲骨から背中の真ん中までの広い範囲にあらわれます。
ぎっくり背中は病名ではなく、背中に突然前触れもなく急激な痛みがあらわれる症状を指します。
ぎっくり背中の原因として考えられるのは、老化や運動不足によって引き起こされる筋力低下、背中の疲労などが関係しています。
ぎっくり腰同様、重い物を持ったり、スポーツ、かがんだ時、といった日常の何気ない動きで起こることが多く、くしゃみや咳が出た拍子にぎっくり背中になってしまう場合もあります。
ぎっくり背中は慢性化し治りづらくなることもまれにあるので、単なる背中の痛みと簡単に考えないようにすることが大切です。
ぎっくり背中の予防法
長引いてしまうこともあるぎっくり背中は普段から発症しないよう予防が1番大切になります。ぎっくり背中に対して効果的な予防方法を4つほどご紹介しましょう。
背中をねじらない
重いものなどを持つときやくしゃみ、咳をするときにねじらないよう意識しましょう。体をねじってしまうと体の片側の筋肉に負担がかかり、ぎっくり背中の原因となってしまいます。「姿勢をまっすぐ」を意識しましょう。
日常生活の癖を直す
座るときに足を組む、立ったときに片方の足に重心をかける、バッグを同じ肩にかけるといった習慣は体のねじれを生じさせてしまうので、こういった何気ない日常生活の癖を直すような心がけが大切です。
ストレッチ
ぎっくり背中の主な原因は、筋力が低下してしまうことや筋肉が疲労することです。ですから、毎日ストレッチで筋肉を動かして柔軟性を失わないよう意識しましょう。ストレッチをするならお風呂に入った後の筋肉が柔らかくなっているときに行うのが良いタイミングです。
決して無理はせず、気持ちいい程度で大丈夫です。その日1日の体のゆがみがリセットされます。。
ウォーキング
適度な運動をすることはぎっくり背中を予防するためにはに効果があります。運動不足が気になる方でも取り入れることができるのがウォーキングなんです。改まって始める必要はまったくなく、普段自転車で移動しているところを歩くだけで問題ありません。
なってしまった時の対処法と注意点
ぎっくり背中になったときの1番の対処法は安静にすることです。
無理に動くと痛みがひどくなったり、痛いと感じる範囲が広がってしまうため、楽だと感じる姿勢で1週間ほど安静に過ごしましょう。
ぎっくり背中になった場合ですが、温めると良い気がしますが、ぎっくり背中は温めるという行為はNGです。ぎっくり背中になっても痛い部分をわざわざ冷やす必要はありませんが、温めることは逆効果です。温湿布はもちろんのこと、入浴も避けましょう。
動けないほど痛みが強いぎっくり背中だと、トイレに行くのも大変な状況です。そんな場合には深呼吸を繰り返すことで痛みが和らいできて、少しずつですが動かすことができます。
また深呼吸と合わせて足先を少しだけ動かしても、足から筋肉がほぐれるので、少しずつ体も動かすことができます。
病気が隠れているケースも
ぎっくり背中の中には恐ろしい病気が隠れている場合もあります。
左側の背中が痛む場合は、心臓に何らかの異常がある可能性もあります。背中の左側でも肩甲骨やその周辺が痛いと感じる場合は注意が必要となります。反対に背中の右側が痛む場合は、肝臓に何らかの異常がある可能性があります。背中が痛む具体的な部位にも注意を向けてみましょう。
また背骨自体に異常があらわれていることも考えられるので、非常に痛みが強かったり、痛みが長引くときには病院を受診した方が良いでしょう。
このような場合には1度検査を受け、何も異常が見つからなければぎっくり背中と考えてよいでしょう。
ぎっくり背中でもOKな楽な寝方
ぎっくり背中になると辛いのが就寝ではないでしょうか。
寝返りをうつと激痛が走るので、安眠できず日常生活にも大きく支障が出ることも多いです。
ぎっくり背中になったときの楽な寝方は、痛い方が上になるようにして横向きの姿勢を取りましょう。体を動かしたい場合は、おなかに力を入れ、ゆるやかに動かすことで痛みを少し軽減させることができます。
ぎっくり背中の世間での認知度はぎっくり腰と比較すると低いですが、これから増えることが予想されます。ぎっくり背中はいったん完治したように思っても、日常生活の癖などを改善しない限り再発しやすいので、日ごろから予防を意識しましょう。