意外と知られていない、精油の光毒性をご存知ですか?

 

アロマオイルが好きな方なら利用することが多い精油。スキンケアに利用している方も多いですね。いろいろな効果のある精油なので愛用している方も多いですが、実は中には光毒性を持つものもあります。知らないまま使用していると思わぬ肌トラブルに。今回は意外と知られていない精油の光毒性をご紹介します。

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精油とは

精油とは何かを知らずに「お肌に良いから」「いい香りがするから」という理由で使っている方もいるのではないでしょうか。

精油とは植物の花や葉っぱ、果実、根、種子、樹皮・樹脂などからさまざまな方法で抽出されたものです。精油は方向性・揮発性・親油性という3つの特徴がありますから、取り扱いには注意が必要になります。古い精油を引っ張り出してお手入れに使用することは避けるようにしましょう

一般的にエッセンシャルオイルといわれているものは精油を指します。

意外と知られていない、精油の光毒性をご存知ですか?

 

精油の光毒性とは

精油の中には紫外線を浴びることでお肌に炎症などを引き起こしてしまう成分が含まれているものがあり、これを光毒性といいます。

光毒性の原因となるのが、一部の精油に含まれているフロクマリンという成分です。

精油を使ってマッサージをしたり、スキンケアに使用した場合には、その後数時間は紫外線を避けるようにすることで、肌トラブルを防ぐことができます。光毒性は太陽光だけでなく、日焼けサロンのマシンから照射される紫外線にも反応しますから注意が必要です。

外出する予定がある場合は、光毒性を持っている精油の使用は控えましょう。

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光毒性がある精油

精油はかなりの種類がありますが、そのどれもが光毒性を持っているわけではありません。

光毒性を持っている精油で一番知られているのが「ベルガモット」です。

ベルガモットは柑橘系の爽やかな香りで、アロマに利用している方も多い人気の精油です。紅茶の香り付けに使われる香料としても利用されています。

ベルガモットには、ストレスの緩和や気持ちのリフレッシュ、イライラを落ち着かせたりするだけでなく、ストレスが原因の胃腸障害や食欲不振、感染症予防としてのこうかがあります。

他の光毒性のある精油としては、
・クミン
・ライム
・アンジェリカルート
・ビターオレンジ
・レモン
・グレープフルーツ
・バーベナ
・タジェット
などがあげられます。

見ていただくと柑橘系が多いので、柑橘系の精油にはすべて光毒性があると勘違いをされる方も多くいますが、柑橘系精油=光毒性ではありません。柑橘系の精油でもマンダリンやスウィートオレンジ、柚には光毒性がありません。

このような光毒性を持っている精油でも、希釈することで光毒性を避けることができます。いずれも指定されている希釈で使用する分には、それほど神経質になる必要はありません。

意外と知られていない、精油の光毒性をご存知ですか?

 

光毒性の症例

実際に光毒性を持っている精油を使用し、紫外線を浴びたことで起こってしまう肌トラブルは、皮膚の炎症、色素沈着、やけどです。もう少し具体的にいうと、水疱や浮腫、紅斑、シミ、サンバーンといった症状が出てきます。実際にベルガモットを希釈せずに原液を塗布して、水で洗い流し、その後サンベッドで長時間日光を浴びたせいで1週間も入院が必要な大やけどを負ったという事例もあります。

精油はお肌に塗布することで、お肌の奥深くまでたどり着き、真皮層の血管に精油の成分が吸収されるので、肌の表面を水で洗い流しただけでは光毒性を防ぐことはできません。

また精油の光毒性が原因で、「光線過敏症」という病気を発症してしまう場合もあります。

光線過敏症とは、光に対して起こる反応で、発疹や発赤など皮膚が炎症を起こしてしまうものです。光線過敏症の治療法としては、軽いものであれはそのまま放っておいても自然と完治しますが、ひどい場合にはステロイドでの治療が必要となります。

意外と知られていない、精油の光毒性をご存知ですか?

 

光毒性をなくしたフロクマリンフリー精油

光毒性をさけるため、光毒性を持つ精油から光毒性の原因を取り除いた精油を一般的にフロクマリンフリー精油といい、「FCF」と表記します。

例えば光毒性が強いベルガモットには、フロクマリンという光毒性の原因となる成分が含まれています。そのフロクマリンを蒸留することによって除去したものをベルガモットFCFといいます。

精油を専門に扱っているショップやネットなどで購入することができます。値段もフロクマリンフリーのものとそうでないものを比較しても特に差はありません。

光毒性があるのは、あくまで精油をお肌に塗布した場合のみですから、アロマディフューザーで使用する場合は、光毒性を気にする必要は全くありません。アロマディフューザーとして使用する場合にも、香りにさはありませんから、どちらを利用しても問題はありません。

ベルガモットFCFには光毒性がありませんから、マッサージやスキンケアで使用する場合は、普通のベルガモット精油を使用するよりもベルガモットFCFを使用するのが安全です。

意外と知られていない、精油の光毒性をご存知ですか?

 

精油を購入するときの注意

精油はストレス緩和したり疲労回復、心身のバランスを整えるのにとても有効なものです。光毒性をむやみに怖がるのではなく、正しい精油と光毒性の知識を持って、スキンケアや入浴など日常生活に上手に取り入れましょう。