ゆらぎ世代を襲う「ホットフラッシュ」の原因と、自宅でできる対処法

更年期障害として知られるホットフラッシュは、女性だけでなく男性にも見られる症状です。
特に女性はホルモンが急激に減ることから、ホットフラッシュの症状も起こりやすくなります。
更年期にいたるまでの「ゆらぎ世代」といわれる世代に起こるホットフラッシュについて、詳しくご紹介します。

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ホットフラッシュとは?

ホットフラッシュは、更年期障害の症状の一つです。
頭部から背中にかけて、のぼせやほてり、そして突然大量の汗をかいたりといった症状が出ます。
ホットフラッシュは時や場所を選ぶことなく突然起こるため、外出先や寝ているときなど対処に困ることも少なくありません。

ホットフラッシュの主な症状

ホットフラッシュの症状には、以下のようなものがあります。

○のぼせ
○ほてり
○大量の汗が突然出る
○急に暑くなる
○下半身は冷えているのに、上半身だけがほてり、汗が出る
○寝汗がひどい
○首から上が熱っぽくなる

ホットフラッシュの症状が発生し、持続する時間には個人差があります。
さらにその頻度にも違いがあります。1週間に数回から10回以上起こり、数分で症状が治まる人から30分や40分以上も治まらない人もいます。
このようなホットフラッシュの発症率は、更年期の女性では約40%から80%ほどになるといわれています。

更年期とは、閉経の前後5年間、40代の半ばから50代半ばに見られる生理現象で、男性も加齢により男性ホルモンが減少し、更年期障害が起こります。
しかし女性はホルモンの分泌が減少していく40歳過ぎから女性ホルモンのリズムが乱れ始め、卵巣機能が低下し、更年期になる前から更年期の症状が起こる場合があります。
この時期は「女性ホルモンのゆらぎ世代」と呼ばれ、この時期からホットフラッシュの症状に悩まされる人も少なくないのです。

ゆらぎ世代を襲う「ホットフラッシュ」の原因と、自宅でできる対処法

ホットフラッシュの原因とメカニズム

ではホットフラッシュはなぜ起こるのでしょうか。
女性のホットフラッシュの原因としては、女性ホルモンのエストロゲンの減少や、卵胞を刺激するホルモンの分泌量が増加することが考えられます。
一方の男性では、男性ホルモンであるテストステロンの減少により引き起こされるとされています。

ホットフラッシュのメカニズム

○男性の場合

男性ホルモンであるテストステロンが減少すると、皮膚表面の血管が拡張し、大量の血液が流れるため、ほてりや大量の汗といった症状が起きます。
ストレスや疲労の蓄積により、自律神経が乱れて、血管の収縮のコントロールができなくなります。

○女性の場合

卵巣機能の低下で、エストロゲンが減少し、視床下部からの命令に対し、十分なホルモンの分泌ができなくなり、ホルモンバランスが乱れ、これが自律神経の乱れにつながります。

自律神経は血管の収縮と拡張を司る神経です。
そのため自律神経が乱れると血の巡りが悪くなり、体温が低下します。
これを回復させるために急いで血管を拡張状態にするため、血流が急激に促進されます。これがほてりや発汗の症状、ホットフラッシュとなります。

女性の体は、卵巣で卵胞を育てるためにエストロゲンというホルモンを分泌し、排卵後は受精のためにプロゲステロンというホルモンを分泌しています。この切り替わりによって生理周期を保っているのです。
しかしこの機能も加齢で卵子が育たなくなっていくと、ホルモンの分泌をやめてしまうため、生理周期が乱れ、自律神経が混乱しはじめます。

更年期障害が強く出る人と出ない人の違いは、減少するエストロゲンと似た働きをするエクオールが腸内で生産できるかどうかの違いにあるのです。
エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝され変化したもので、エストロゲンが足りないとき、その代わりに肌や骨、血管を守る作用があります。

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外出先でホットフラッシュが起きたときの対処法

ホットフラッシュは時や場所を選ばず起こります。
もし外出先でホットフラッシュが起きても対処できるよう、事前に準備しておくことが大切です。

○ハンドタオルなど、大量の汗に対処できるよういつも持っておく
○着替えや下着などを用意して、汗をかいたときに取り替えられるようにしておく
○脱ぎ着しやすい服装を心がける
○保冷剤やウェットティッシュを持つ
○起きてしまったときには、自販機の冷たい飲み物などで首筋を冷やすなど対処する
○クールネックを外出時に首に巻いておく

またホットフラッシュが起きる前に、頭が重くなる、圧迫される、体が締めつけられるといった前兆がある場合があります。
こういった前兆を見逃さないようにし、前兆があったら休むといった対処も必要です。

ゆらぎ世代を襲う「ホットフラッシュ」の原因と、自宅でできる対処法

自宅でできる対処法

ホットフラッシュの対処法として、ホットフラッシュが起こりにくいように改善していくことも必要です。
自律神経を整えることで、更年期障害の症状が改善することもあります。

○規則正しい生活をする
軽い運動を毎日の習慣にする
○体を冷やす食べ物を避け、体を温める食材を積極的に摂る
○お腹を冷やさないよう、温かい飲み物を飲む
○シャワーではなくお風呂で体を温める
○足湯や手湯で体の末端を温める
○寝る前に携帯を見ない、朝起きたら太陽の光をしっかり浴びる

更年期障害が起きる目安ともされるホットフラッシュですが、更年期障害は精神的な影響も大きい症状です。
症状が起きたら自分一人で悩まず、産婦人科などで適切な対処を指導してもらうことも大切です。