現代人はパソコンやスマホを使う影響で、ドライアイに悩まされがちです。ドライアイといえば、目が乾くだけだと思われがちですが、実はそれだけにとどまらず、いろいろな不快症状を引き起こします。パソコンやスマホの使用をやめてしまえば、ドライアイの症状からも解放されるのですが、そういうわけにはいきませんね。今回はドライアイのさまざまな症状や治し方・予防方法などをご紹介しましょう。
「ドライアイ」とはどのような状態?
ドライアイは涙の分泌量や質が低下して、目の表面が潤い不足になり、角膜や結膜の一部分が露出してしまった目の病気です。日本のドライアイ人口は約2,000万人で、年々増加傾向にあります。
特にオフィスワークの方では3人に1人がドライアイだといわれています。
通常は一定の涙が分泌されて目の表面は潤った状態にあります。
涙は外側からみて「油層」「水層」「ムチン層」の3層により、眼球の表面を覆っている状態です。ところがドライアイではこの3層のバランスが崩れるため、目が無防備になってしまっているのです。
涙には殺菌、乾燥防止、洗浄、栄養補給などさまざまな役割がありますが、いくつかの原因で涙の分泌が低下すると、眼球を守るバリアがなくなってしまうのと同じなので、眼球が傷つきやすくなります。
ドライアイの原因と症状
ドライアイの原因はさまざまですが、加齢による乾燥やパソコン、スマホ、コンタクトレンズ、エアコンによる乾燥、睡眠不足、市販の目薬の使い過ぎなどが考えられます。また、目にあらわれる症状もいろいろです。
・乾燥する
・痛みがある
・痒みがある
・ピクピクとけいれんする
・充血する
・光をまぶしく感じる
・しみる
・目やにが出る
・かすむ
・10秒ほども目を開けられない
・涙が出る
・異物感がある
・ショボショボする
・まぶたが重い
これらはいずれもドライアイであらわれる症状です。目のかゆみや目やにといった症状は花粉症やアレルギー症状、他の目の病気でもあらわれる症状なので、ドライアイかどうかの見極めが大切です。
ドライアイの治し方と予防法
ドライアイはセルフケアが難しいと思われがちですが、実は自分で治したり予防することが可能です。ポイントは目の乾燥を防ぎ、疲れをとることです。
長時間のパソコンやスマホ操作をやめる
オフィスワークの方などはとくに目を酷使しているので、どうしてもドライアイになりやすいですね。またスマホがどうしても手放せないと、通勤通学や夜布団に入ってからもスマホを操作してしまう方も多いでしょう。
パソコンやスマホ操作をやめることでドライアイを予防改善できます。
とはいえ、仕事でパソコンを使用しないわけにはいきません。そこで、1時間~1時間半に1度、5分程度パソコンの画面を見ることをやめて、目を休めてください。
トイレに行ったりコーヒーを淹れに行ったり、お化粧直しに行くなど、小休憩を取ってください。
度数に合ったメガネやコンタクトレンズを使用する
視力はそんなに頻繁に測るものではありません。会社の健康診断や学校の視力検査も1年に1度程度ですし、裸眼視力が0.1以下の場合は、「0.1以下」とされるだけで詳しく測ってもらえません。
そのため、視力の弱い方は視力が落ちていて、メガネやコンタクトレンズの度数が変わっていても気づかなかったり、見づらくなったと感じてもついついそのまま放置しているという方も多いでしょう。
メガネやコンタクトレンズは自分の目の度数に合うものを使用しなければ、目を疲れさせてしまうのです。定期的に測りなおして自分の度数に合ったものを使用してください。
またメガネやコンタクトレンズの長時間使用も避けてください。
目を乾燥させない工夫をする
まばたきの回数が減ると、涙の分泌量が減り目が乾燥しますが、それだけではなく外気が乾燥しても目は乾くのです。
それを防ぐためには部屋をしっかり加湿することが大切です。加湿は加湿器を使用しなくても、水の入ったコップを傍に置くだけでも十分なので、オフィスでも対策ができますね。
適度な目薬の使用も効果的です。
十分な睡眠を取る
目を休めるためには十分な睡眠をとりましょう。睡眠は体の疲れだけではなく、目の疲れも取りリフレッシュさせてくれます。
布団に入ってからも長時間スマホを操作すると、睡眠に影響しますから、布団に入ったらスマホ操作はしないようにしてください。
効果のあるツボを押す
ドライアイに効果的なツボは「清明」と「瞳子りょう」です。
清明は目頭と鼻の骨の中間にあるツボです。ドライアイの症状を感じたときに押してみてください。眼精疲労にも効果が期待できます。
瞳子りょうは目尻にあるツボで、刺激することで涙の分泌を促してくれるでしょう。
目を直接温める
蒸しタオルなどで目を直接温めると目の疲れが取れます。最近では蒸しタオルを用意しなくても温めてくれるアイテムがドラッグストアでも簡単に手に入りますから、仕事の休憩中に温めることも可能です。
目は寝る前に温めるのが特におすすめですよ。
目薬を選ぶときの注意点
目が乾燥すると目薬をさす方も多いですが、ドライアイに有効な成分が配合されていなければ、何度さしても効果が得られず、逆に症状を悪化させてしまう場合もあります。
特に目の充血をとるための血管収縮剤が配合された目薬を常用すると、さらに充血を悪化させる恐れがあります。
またドライアイは目薬に配合されている防腐剤の影響を受けやすい状態ですから、防腐剤の配合されていないものを選んでください。
目薬をさすときには、片目あたり1滴で十分な効果があります。たくさんさしても、目の周りの皮膚にダメージを与えるだけなのでやめましょう。そして目薬をさした後はしばらく目を閉じることで成分が眼球全体に行き渡りますから、まばたきは控えてください。
ご紹介した方法をぜひ実践して、ドライアイから大切な目を守りましょう。