昔から、風邪や咳がひどいときには蓮根湯が良いと言われてきました。効果が早く実感できるため長く言い伝えられてきた蓮根湯。その効果と作り方をご紹介します。
蓮根湯ってどんな飲み物?
蓮根湯とは、蓮根と生姜のしぼり汁を混ぜたもので、辛い咳を沈め、痰を切りやすくしたり、気管支炎などの症状にも即効性があると言われています。咳に効く薬が少なかった昔には、喉の特効薬と言われていました。
材料の「蓮根」が持つ効果
ではなぜ蓮根湯が喉や咳によく効くのでしょうか。主原料の蓮根が持つ驚くべき効果についてチェックしてみましょう。
ムチン:粘り気で粘膜を守る
蓮根を切ったり擦ってみると粘り気が感じられます。これはムチンというタンパク質の一種で、唾液や胃液に含まれているものと同じです。
ムチンは呼吸器や目、消化器といった粘膜を保護し、水分を蓄える作用をもっています。蓮根からムチンを摂りいれることで鼻や喉の粘膜を保護し、ウィルスが入るのを防いだり炎症を抑えることができるため、風邪の予防、喘息などの辛い咳に効果を発揮すると言われているのです。
タンニン:粘膜を引き締めて腫れを改善
蓮根には緑茶や柿、コーヒーなどと同様に、タンニンと呼ばれるポリフェノールが含まれています。蓮根を切ってそのままにしておくと切り口が黒く変化しますが、これはタンニンが空気に触れることで酸化したためです。つまり、タンニンが酸化することで劣化を防ごうとしているのです。
また、渋みのもとであるタンニンが持つ収れん作用によって、喉や気管支の粘膜を引き締め、腫れや咳をしずめたり、抗炎症作用により喉の傷みや赤味、痰の改善効果もあります。
ビタミン:免疫力を高める
風邪のときにはビタミンCを多く摂るように言われますが、蓮根はビタミンCが豊富な野菜として知られています。ビタミンCによってコラーゲンが作られると身体が強くなり、ウィルスや風邪の菌に感染するのを防いでくれます。蓮根を食べたり飲むことで風邪にかかりにくい強い身体作りが可能となります。
身体を温めたりアレルギーにも効果が
蓮根は糖質が多く含まれる野菜のため、エネルギーのもとになり、身体を芯からポカポカと温めてくれます。健康を維持するためにも、風邪をひかないためにも冷えは厳禁。蓮根を食べることで免疫力と体温が上がり、風邪をひいても早く治ると言われています。
さらに蓮根には、現代病とも言えるアレルギーに効果があることがわかっています。アレルギーの症状を引き起こして広げるヒスタミンを抑える効果が蓮根にはあると言われているので、蓮根を食べ続けることでアレルギーに負けない肌が手に入るかもしれません。
蓮根湯の作り方
スーパーフードの蓮根を使って風邪に効く蓮根湯を作ってみましょう。とても簡単なのでぜひ覚えてくださいね。
(材料:1人分)
・蓮根のしぼり汁 30~40cc
・生姜のしぼり汁 少々
・熱湯 150~250cc
・しょうゆ・塩 少々
・くず粉または片栗粉 小さじ1
(作り方4ステップ)
1.蓮根はすってザルやさらしで絞っておく。
2.鍋に材料を全て入れて木べらでよくかき混ぜる。
3.全体が混ざったら火にかけてさらによく混ぜる。
4.とろっとしてひと煮立ちしたら火をとめて完成!
蓮根のしぼり汁は冷凍OK!
蓮根のしぼり汁は作り置きすることができます。蓮根は切った状態、しぼった状態からすぐに酸化し変色してしまうため、冷凍保存しておきましょう。すりおろした蓮根のしぼり汁を適当な保存容器か製氷器に入れて冷凍するだけ!解凍はレンジで加熱するか熱湯で溶かしましょう。
しぼりカスにも栄養がいっぱい
蓮根湯はしぼり汁だけを使いますが、しぼったときのカスにも栄養がいっぱい詰まっているので捨てずに活用しましょう。ハンバーグや肉だんごに入れたり、スープに混ぜると栄養満点のおいしい料理が楽しめます。
蓮根は捨てるところがない万能野菜。風邪をひいたときにはもちろん、ふだんから蓮根湯を飲んだり、しぼり汁やカスを活用してぜひその効果を実感してください。