お子様の離乳食がスタートして気になるのが、食物アレルギーですよね。小さい頃から、食べ物でアレルギーなんて出たことないというお子様でも、成長の過程で体質が変化することがあります。今まで食べられた物に対して、ある日突然アレルギーを発症することもあるのです。
突然の時にも慌てない為に、まずは食物アレルギーが起こる仕組みと遺伝性について知っておきましょう。アレルギーの元となる食品や、防ぐポイントなども併せてご紹介いたします。
食物アレルギーが起こる仕組みと遺伝性
人間の体は、体内に異物が入ってきた時にそれを追い出す仕組みが備わっています。これを免疫反応と言います。この免疫反応が正しく働いてくれているおかげで、私たち人間の体は異物から守られているのです。
ですが、異物ではない物に対しても「異物である!」と過剰に反応してしまうことで、アレルギー反応がでてしまいます。
ママやパパに食物アレルギーがあると、子供にも遺伝してしまうという話を聞いたことがあるのではないでしょうか?実際、小さい子供がいるママやパパは不安でたまりませんよね。
食物アレルギーは遺伝しません。例えば、ママが牛乳アレルギーだったとしても、100%子供が同じようにアレルギーになるということはありません。ですが、体質は遺伝する可能性があるのです。
両親や兄弟姉妹の誰かに症状が出る場合、その体質が遺伝することがあるということなのです。体質が遺伝してしまうのであって、特定の食物に対してアレルギーがでるのは、遺伝ではなく育つ環境などが関係しています。
アレルゲンとなりやすい食べ物
卵
食物アレルギーといえば「卵」です。卵白と卵黄がありますが、卵白の方がアレルギー反応は強く出ます。特に生食や半熟などだと当然アレルギー反応がでます。ですが、高温で加熱調理したものであれば、アレルギーが起こりにくくなります。
注意していただきたいのは、高温で調理すれば大丈夫なのではありません。卵が含まれている料理は、たとえしっかりと火を通したとしても、100%アレルギーが起こらないわけではありません。
牛乳
これも卵と同様に、食物アレルギーが出やすい物です。牛乳は卵と違って、どんなに加熱処理したとしても、アレルギー反応に変化はおこりません。加工食品などに牛乳成分が使われている事もありますので、原材料表示はしっかりとチェックする必要があります。
小麦
小麦アレルギーは、食物負荷試験を受けることで、正確な診断をすることができます。小麦はパンやクッキー、ケーキなどいろんなものに含まれています。高熱で調理しても、アレルギー反応に変化が起こることはなく、弱まることもありません。
甲殻類
カニやエビなどは、スープや出汁を取る際に利用されることも多く、それを飲むだけでもアレルギー反応が出てしまいます。
大豆
以前は、卵と牛乳と大豆で三大アレルゲンといわれていましたが、実は、大豆アレルギーはそんなに多くないのです。ただ、近年、豆乳でアレルギー反応を出す人が増加傾向にあります。
そば
そばのアレルギーは、アナフィラキシーを起こす確率がとても高いことで知られていますね。小さな子供にそばを初めて食べさせる時は、注意しなければいけません。
そばを茹でたお湯を使い、うどんを茹でて食べても、そばアレルギー反応はでます。そば殻を使った枕でさえ、アレルギー反応が出る方もいます。非常にアレルギー性が強い食品です。
ナッツ類
アレルギー性の強い食品で、アナフィラキシーを起こす可能性が非常に高い食品でもあります。ナッツ類が体に良いということで、日本でも食べる人が増えているので、それと比例してナッツアレルギーを発症する方も増えています。
フルーツ・野菜
アレルギーを発症する人が多い食品としては、キウイやバナナ、桃、トマト、などがあります。子供がこれらを食べた時の反応として、口やのどを痛がったり、辛味や苦味を訴える傾向があります。ですが、成長の過程で反応が出なくなり食べられるようになることもあります。
これらの他にも、肉や魚といった食品もアレルゲンとなります。どの食品に対してアレルギー反応が出るかはわかりません。初めて食べさせる食品には注意をしてあげるようにしましょう。
食物アレルギーを防ぐポイント
お肌の保湿対策をしっかりする
食物アレルギーと肌の保湿対策がどうしてつながるのか、違和感があるかもしれません。ですが、意外なことに、この保湿対策が食物アレルギーを防いでくれるのです。
お肌が乾燥したり荒れた状態でいるとします。ママが料理をしていて、小麦粉を使っていました。舞い上がった小麦粉が肌に付着すると、そこからアレルギー反応を起こすということがあるのです。日頃からスキンケアは怠らずに、しっかりと保湿して、お肌のバリア機能をアップさせてあげてください。
離乳食は5ヶ月頃から
昔と違って、アレルギー対策の一環として、離乳食を遅らせる傾向がありました。驚くことに、遅い子供で2歳から始めたという子もいます。ですが近年、この考え方が見直されて、離乳食は5~6ヶ月頃から初めて、いろんなものを早くから食べさせてあげた方がいいという考えに変わってきています。
離乳食をいくら遅らせたところで、食物アレルギーがでないということにはならないことがわかりました。ですが、アトピー性皮膚炎などの症状がある子供に関しては、始める時期が5~6ヶ月でも、進めるペースをゆっくりにして、普通よりももっと少ない極少量からスタートしてください。
規則正しい生活
規則正しい生活をすることは、健康な体作りの基本です。離乳食をスタートさせたら、それまで以上に健康管理に注意が必要です。体調を崩した状態だと、アレルギー症状がでやすくなってしまいます。少しでも体調が悪かったり、元気がないなど、いつもと違ったところが見られる場合は、新しい物を食べさせるのはやめましょう。
アレルギーの有無を検査する
離乳食を始める前などは、小児科などで、アレルギーの検査を受けることをおすすめします。その場合は、血液を採取して検査することになります。これで、どの食品に対してアレルギーが出るかの予測をすることができます。
ただし、この血液検査で陽性反応がでたからといって、その食品全てにアレルギー症状がでるわけではありません。食物を除去しすぎるのも良くないので、まずは、食物経口負荷試験を受けてみるとよいでしょう。
食物除去のしすぎは禁物!
アレルギー検査の結果、食物アレルギーがでる可能性があるとわかると、徹底的に除去するというのが今までの対策でした。ですが、子供の発育にとって、除去しすぎるのは良いとは言えません。医師の指導の元、食物経口負荷試験などを受けながら、本当に除去しないといけないもの、除去する必要がないものなどを調べることをおすすめします。
食物アレルギーは、アナフィラキシーなどの重篤な症状に陥ると大変なことになります。自己判断で食べられる量を探ったりするのはやめてください。必ず医療機関で医師の指導の元行うようにしましょう。