モラハラ(モラルハラスメント)は、今では社会問題ともなっています。職場であるのはよくあることと思われますが、夫婦間でも「モラハラ夫」の被害を受けて、苦しんでいる女性が増えています。
では、いったいモラハラとはどういうことを指しているのでしょうか。その被害を受けやすい女性には特徴がありますので、ご紹介いたします。自分がモラハラを受けていると気付いた時にどうすればいいのか、対処法も併せてご紹介いたします。
「モラハラ」とは?
いろんなハラスメントが問題となっていますが、このモラハラというのは、暴力を伴わないという特徴があります。職場であれば部下に、夫婦間であれば妻に、というふうに特定の誰かに対して集中的に言葉や態度の暴力をあびせることです。
夫婦間では、モラハラと亭主関白が同じようなイメージなので、どちらなのか分からないという声もあります。確かに、どちらもかなり態度が大きく、家の中で一番エライというのを平気で口にしたり、態度であらわします。
ですが、大きな違いは、亭主関白の夫は、態度が大きくえらそうにしていても、きちんと家族の幸せを考えてくれています。一方モラハラ夫というのは、自分の幸せを一番に考えています。これが大きな違いとなります。
モラハラ夫の特徴の一つとして、「常に自分が正しい」という考えをもっています。少しでも反論しようものなら、すさまじく言葉の暴力をあびせてきます。また、口をきかなかったり、食事を一緒にしなかったり、細かい所まで家事をチェックして指摘したりしてきます。
こういった夫婦間のモラハラは、暴力と違って形がありません。さらに、モラハラな言葉や態度などは、少し機嫌の悪かった時などによくある光景と他人からは見られがちです。誰にもわかってもらえないと一人悩みながら我慢している女性も多いのです。
また、自分が受けているということを自覚していない女性も増えています。
被害を受けやすい女性の特徴
面倒見がいい
相手の世話をするのが好きで、面倒見が良い女性です。「私がいないとダメなんだから」と何から何までお世話をしていると、いつの間にか自分の立場が弱くなってしまいます。世話をされる側は、最初は「感謝」の気持ちがあっても、自分をまるで王様のように扱ってくれる女性のことをいつしか下に見るようになってしまうのです。
ネガティブ思考
「嫌われるのが怖い」「顔色をみながら話してしまう」「甘えるのは苦手」など、とにかく自分の気持ちを主張するのが苦手でネガティブ思考な女性です。自分に自信がなく、ついつい相手に合わせるばかりになってしまいます。男性はそういう女性といると、自分がえらいと思いこんでしまうのです。
真面目で責任感が強い
こういった女性は、モラハラを受けても、相手が悪いという考えにはなりません。自分が何か悪いことをしたからだと、自分がそういった所を直さないといけないんだと思い込んでしまいます。モラハラを受けているという自覚がない女性は、こういったタイプの女性が非常に多いです。
コンプレックスをもっている
コンプレックスがあり、周りの人に嫌われることを極端に恐れているという特徴があります。こういう女性は孤独感を抱いているので、誰かに必要とされたいと強く願っています。
モラハラ夫や彼氏が自分軸の常識を振りかざしても、たまにしか優しくしてくれなくても、とにかく嫌われることを恐れています。一人になることが怖いので、何でも言うことに従ってしまいます。
周囲の評判を気にする
自分自身だけでなく、夫や彼がどう思われているのかを気にします。当然まわりからは良い人と言われたい、見られたいはずです。「まさか自分がモラハラを受けているなんて、口が裂けても言えない」となって、相談する機会を失い、どんどんモラハラがエスカレートしてしまいます。
モラハラに気付いた時の対処法
専門機関に相談する
夫婦間のモラハラに気付いたら、各自治体が設けている窓口に相談しましょう。身内や友人などに相談するのもいいのですが、モラハラ夫は口がうまく、身内や友人が欺かれるケースもあります。結果、モラハラがエスカレートしてしまうことにもなりかねません。
専門機関の相談員は、客観的に夫婦をみることができます。適切なアドバイスなどもしてもらえるので、一人で思い悩まず、足を運んでください。
夫の言葉は聞き流す
これは比較的モラハラが軽い場合の対処法です。モラハラを受けていると、どうしても夫に言われた言葉を全てそのまま受け止めてしまう傾向があります。モラハラな言動は、聞き流すようにしていきましょう。
夫を立てる
モラハラ夫は、自分が常に上であり優位でありたいと思っています。それならいつも夫を立てて気分良くさせてあげます。悪く言えば「手のひらでころがしておく」です。普段から夫を立てておけば、モラハラ予防にもなります。
モラハラ夫になっていることを気付かせる
モラハラがまだ軽いレベルの方に対する対処法となります。モラハラ発言を受けたことで、深く傷つき苦しいという気持ちを素直に伝えます。それを聞いて自分がモラハラ夫であることに気づき、改めてくれるケースもあります。
証拠をとる
モラハラはなかなか立証しにくいものです。モラハラの証拠を残すには、ボイスレコーダーなどが便利です。夫に気付かれないよう、夫のモラハラな発言をしっかりと残しておきましょう。証拠を残すことで、立証することもでき、離婚や別居などもしやすくなります。
離婚にむけて準備する
モラハラがどんどんエスカレートするようなら、夫に気付かれないように、少しずつ離婚の準備を進めましょう。一時の感情に任せて家出をしても、連れ戻され、さらにモラハラがひどくなってしまいます。
離婚後、自分の生活を守るために、各市町村ではそういった方の為の相談窓口もあります。子供がいるとなかなか離婚にまで踏み切れず、日々を耐えるという生き方を選択する方もいます。ですが、モラハラを受けている母親をみているのは、子供にとってもよくありません。
よく考えて、離婚という形を選択するのであれば、少しずつ準備を進めていきましょう。
モラハラに負けないで!
モラハラは立証が難しく、どこからがモラハラになるのかの線引きは非常に難しいものです。ただ、モラハラがエスカレートしていくと、言葉の暴力も他人から見てもわかる程になります。
傍からみれば普通の優しい夫でも、いつモラハラ夫になってしまうかわかりません。誰にでもその可能性はあります。もしも、目の前の夫がモラハラな言葉や態度をとるようになり、それに気付いたら、自分を責めたり、一人で悩んだりしないでください。
いつ自分が被害者になるかわかりません。そんな時の為にも、どういった対処をすればいいのかという知識は持っておきましょう。