胸の大きさが左右で違うとブラ選びでも困ってしまうし、何より見た目が気になり、恥ずかしいですよね。特に水着になることも多い夏場には憂鬱な気分になってしまう人もいると思います。
実は、そんな風に胸の大きさが左右で違って悩んでいる女性は少なくないんです。
今回は、なぜ左右の胸の大きさが違ってしまうのか?同じ大きさにするにはどうしたら良いのか?といった、ちょっと人には聞きづらい胸の悩みについて解説します。
胸の大きさが左右で違うことはよくあるのか?
胸の大きさが左右で違うひとは多い……というより、実は左右でサイズがまったく同じという人はいないんです。
顔がまったくの左右対称ではないのと同じように、バストのサイズや形も左右で違うのが極自然なことなんですよ。
とはいえ、その「程度の差」が問題で、差が大きければ大きいほどアンバランスに見えますし、できるだけ揃っていた方が良いと思うのもまた自然なことですよね。
胸の大きさが左右で違う原因
では、どうして胸の大きさが左右で違うのでしょうか?その原因は、大きく4つあります。
原因1:骨格の歪みによるもの
脚を組んで座る癖があったり、いつも同じ腕で鞄を持っていたり、寝そべってテレビを見たり本を読んだり、うつ伏せや横向きで寝たり……。そんな日々の何気ない習慣が積み重なることで、骨盤などの骨格は歪んでしまいます。
特に女性に多いのが、「側湾(そくわん)」という、歪んだ骨盤を補うために肩や腰が逆方向に歪んで背骨がS字に曲がってしまうというものです。
背骨が曲がることで片側の胸が圧迫されるのはもちろん、骨盤の歪みが女性ホルモンのはたらきを悪くしたり、血流が悪化して片側の胸にだけ十分な血液が行き渡らないことで、片方の胸だけが小さくなってしまいます。
原因2:筋肉のつき方の違いによるもの
骨格に歪みがなくても、筋肉の付き方に違いがあると胸の大きさにも差が出てしまいます。
胸はほとんどが脂肪ですが、それを支えているのは「大胸筋」や「小胸筋」といった筋肉です。この筋肉が発達している方の胸はしっかりと支えられて上向きになり、よく動かされることで血液やリンパの流れも活発なのでボリュームが出てきます。
逆に、この筋肉があまり使われず衰えていると、胸がたれたり、血液がリンパの流れが悪くて小さくなってしまうんですね。
筋肉の付き方は、テニスやバドミントン、卓球などの特に片方の腕を使うスポーツをしている場合はもちろんのこと、利き腕によっても変わってしまいます。
もちろん「いつも利き腕で文字を書いている」程度のことで、見た目に影響があるほどの筋肉はつきませんが、「いつも同じ腕や肩で荷物を持っている」「調理の仕事をしていて利き腕ばかり動かしている」など、知らず知らずのうちに片腕にばかり負荷をかけていると左右で筋肉の付き方に違いが出てきてしまうんです。
原因3:授乳によるもの
授乳によって胸の大きさがアンバランスになってしまった……というのは、授乳中または断乳・卒乳後のママさんからよく聞かれる悩みです。
赤ちゃんに「飲み癖」があって好んで飲むおっぱいが決まっていたり、ママさんがつい赤ちゃんを支えやすい方の胸でばかり授乳していたりしていると、赤ちゃんが飲む側のおっぱいの乳腺ばかりが発達し、左右の大きさに違いが出てしまうんです。
原因4:病気によるもの
これは恐ろしいケースですが、胸の大きさが左右で違うことが、乳腺炎や乳癌のサインであることがあります。
まず「乳腺炎」とは、授乳中のママさんによくあるもので、何らかの原因で乳腺が詰まることで起こる炎症です。
乳房の腫れや張り、痛み、発熱といった症状が見られ、産婦人科や母乳外来などで治療を受けないと授乳できない場合があります。乳腺が衰えて左右の胸の大きさに違いが出てしまうだけでなく、患部が化膿して最悪の場合切開になってしまいます。
次に「乳癌」です。
最近では若い女性にも増えている乳癌ですが、痛みがほとんどありません。そのため、早期発見・早期治療が重要になります。早期発見ができれば、10年生存率は95%を越えています。
乳癌検査のために毎年マンモグラフィー検診を受けているという女性もいらっしゃるかもしれませんが、日本女性の半数以上が乳腺密度が高くマンモグラフィーでは異常が発見できないという報道は記憶にも新しいですよね。
また、2009年には米国予防医療作業部会が40代以上の女性にはマンモグラフィーがほぼ効果がないので推奨しないという勧告を出しています。
マンモグラフィー検査の結果で安心せず、超音波検査を受けたり、日々の自己検診が早期発見のためには重要になってきます。
乳癌は左右いずれかに発症するので、お風呂上がりなどに鏡で自分の胸をよく確認してくださいね。
・左右の胸の形や大きさが変わった
・しこりがある
・胸の表面にくぼみやひきつれがある
・乳頭の先端の向きが左右で違う
といった違和感を感じた場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
胸の大きさの左右差をなくすためにできること
病気によるものではなく、左右で胸の大きさに違いがある場合に、その差をできるだけ小さくしてバランスの良い胸を手に入れるためにできることをご紹介します。
左右の負荷を均等にする
骨格や筋肉の付き方に違いが出てしまわないよう、左右の負荷を均等にしましょう。
鞄を持つ手や掛ける肩を時々替えたり、リュックサックを使用したり、セカンドバッグを持って左右の重さを同じくらいにするなどして、腕にかかる負担が左右で大きく異ならないように調整してください。
また、寝る時も片方に負荷がかからないように仰向けで寝るのが一番です。
筋肉の付き方の違いで胸の大きさにも違いがある場合は、胸の小さい方の筋肉を鍛えるトレーニングもおすすめです。
バストアップのエクササイズやマッサージは小さい方を重点的に
通常、バストアップのためのマッサージやストレッチ、エクササイズは、両方の胸を均等に行っていても、普段刺激や負荷の少ない胸の方が効果が現れやすく、自然と左右の大きさが揃ってくるものです。
でも特に左右の大きさの激しい人の場合は、小さい方の胸を多めにケアしてあげると効果的です。
ブラの選び方・付け方にも注意して
ブラジャーは、大きい方の胸に合うサイズを選びましょう。
小さい方に合わせたものを着けると、圧迫されることで血行が悪くなって大きい方の胸まで小さくなってしまったり、胸の脂肪が背中に流れてしまう恐れまで出てきてしまいます。
大きい方の胸に合わせたサイズのブラジャーを選んで、周りの脂肪を集めながら小さい方の胸を先にカップに収めることで、小さい方の胸に脂肪を定着させて、左右のバランスの良い胸を目指しましょう。
骨盤の歪みを治すならエクササイズが一番
骨格の歪みによって左右の胸の大きさが違う場合、日常生活のちょっとした癖を見直すのと同時に、骨盤のゆがみを治すエクササイズも平行して行いましょう。
骨盤回し
1.両手を腰にあて、両脚を肩幅程度に開く(膝は曲げない)
2.骨盤を動かすことを意識しながら、腰を大きく右に10回まわす。
3.同じように左に10回まわす。
顔は前を向いたままで、途中で膝が曲がらないように注意しましょう。
左右10回ずつで1セットを3セット行うようにしますが、特に回しにくい方があれば、そちらを多めに回すようにしてください。
お尻歩き
1.脚を揃えて膝を伸ばした状態で、背筋を伸ばして床に座る
2.大きく腕を振って状態をひねりながら左右のお尻を使って前に10歩進む
3.同じように10歩後ろに下がる
前に10歩、後ろに10歩で1セットを3セット行います。慣れてきたら回数を増やします。
骨格や筋肉のバランスを整えて、左右の大きさや形の揃った胸を目指しましょう。