「パイナップルが体に良い」という話を聞いたことはありますか?パイナップルは食物繊維だけでなく酵素も豊富でダイエット効果が高いことから、美容と健康に敏感な女性はもちろん、現役モデルの方も取り入れているくらいなんです。
パイナップル酵素の持つ効果や、しっかりと酵素を摂り入れる方法、缶詰やジュースでもダイエットできるのか?など、綺麗に痩せたい人のためのパイナップルのあれこれをわかりやすく解説します。
パイナップルの酵素とは?
パイナップルには、消化酵素の一つでたんぱく質を分解するはたらきのある「ブロメライン」が多く含まれています。消化酵素を含む食品といえば、キウイやメロン、イチジクなども挙げられますが、パイナップルのブロメラインはヒトの胃の消化液にも含まれている成分であり、消化力もずば抜けています。
酢豚やステーキにパイナップルを使うことで肉が柔らかくなることは有名ですが、これはブロメラインが肉にたんぱく質を分解するためです。肉が柔らかくなると消化吸収しやすくなり胃腸の負担も減らすことができます。
パイナップルを食べると舌がピリピリと痛むのもブロメラインが舌を保護しているたんぱく質を分解し、唾液によりたんぱく質が補充されるまでの間、一時的に舌が敏感になってしまっているからです。
この強力な消化酵素を上手に摂り入れることで、ダイエット効果をはじめとする様々な美容効果を得ることができるのです。
パイナップルの酵素の効果
では、具体的にパイナップルの酵素にはどのような効果があるのでしょうか。特に注目したい5つをご紹介します。
1.美肌効果
パイナップルの酵素は、食べたものの消化・吸収を助けるはたらきを持っています。そのお陰で体内に元々存在する消化酵素の使用量を減らせるので、その分を代謝酵素に回してより効率的に体内に溜まった毒素などの不要物質を排出することができるようになります。
また、パイナップルには抗酸化作用のあるビタミンAやCも豊富に含まれており、老化の原因となる活性酸素の生成を抑えることができるんです。
このデトックスと抗酸化作用の2つが合わさることで、肌荒れやシミなどの肌トラブルを解消・予防し、若々しい肌を手に近づくことができます。
2.便秘解消効果
パイナップルは食物繊維が豊富で、腸内環境の改善や便秘解消の強い味方です。
食物繊維を多く含む食べ物はほかにもたくさんありますが、パイナップルであれば消化酵素のはたらきで体内の代謝酵素のはたらきが活発になっているため、より効果的に便秘を解消することができます。
3.疲労回復効果
酵素には、新陳代謝や基礎代謝を向上させるはたらきもあります。
特に基礎代謝は疲れやすさとも密接な関係があり、基礎代謝が向上することで疲労物質をスムーズに体外に排出できるようになったり、体質も内蔵に脂肪がつきにくく疲れにくいものに変わっていくんです。
4.肝機能の向上効果
肝臓は、「人体の化学工場」と呼ばれるほど様々なはたらきを持っています。
代表的なものは、アルコールなどの毒素を分解するはたらきが挙げられますが、それ以外にも胃で消化され腸で吸収された食べ物の栄養素を貯蔵し、体の各部位に使いやすい物質に分解・合成して全身に運ぶ役割も担っています。
そして、分解する際にもっとも労力を必要とする栄養素が、お肉のたんぱく質です。
パイナップルに含まれる強力な消化酵素がお肉のたんぱく質を予め分解することで肝臓の負担が軽減し、その分のエネルギーを毒素の分解などほかの役割に回すことができるようになり、結果として肝機能が向上します。
5.胃腸の負担軽減効果
パイナップルの酵素であるブロメラインは胃の消化液にも含まれている成分である上、食べ物から摂取する天然の栄養素です。パイナップルの酵素が胃腸のはたらきを助け負担を軽減し、より効率的に食べ物を消化・吸収できるようになります。
パイナップルの酵素をしっかりと摂るためには
パイナップルの酵素をしっかりと摂る方法としては、「一食置き換え」と「食前にパイナップルを摂る」の2つが挙げられます。カットしたパイナップルをそのまま食べても構いませんし、パイナップルジュースにしたりパイナップル酵素ジュースを作っておくと、カットする手間もかからずお手軽です。
パイナップルジュース・パイナップル酵素ジュースの材料
・パイナップル
・砂糖(カットしたパイナップルの1.1倍の重量)
・煮沸消毒したガラス容器
・保存用の瓶
パイナップルジュースの作り方
煮沸消毒したガラス容器にパイナップルと砂糖のストライプを作るように交互に入れ、最後に残った砂糖を上に振りかけます。
容器は密封して冷暗所で保管し、毎日1~2回瓶を揺すって中身を混ぜます。清潔なスパチュラや木べらなどで混ぜても構いません。
砂糖が全て溶けたら完成です。煮沸消毒した保存用の瓶に液体だけを移し替えて冷蔵庫で保管します。お水やお湯、炭酸水などで割ると飲みやすいですよ。
もし途中で泡が出てきてしまった場合は、液体のみを取り出して弱火で軽く煮込み、発酵止めを行います。
ジュースができたあとのパイナップルは、そのまま食べても良いですし、お菓子作りに使ったりヨーグルトに混ぜても美味しいですよ。
パイナップル酵素ジュースの作り方
綺麗なガラス容器(煮沸消毒してあればベターです)にパイナップルと砂糖をかわりばんこに入れます。最後に残った砂糖を上に振りかけましょう。以前作った酵素ジュースが残っていれば、少量入れておくと発酵を助けてくれます。
発酵ガスで容器が膨張して破裂してしまう恐れがあるため、容器は密封せず布巾やガーゼ、キッチンペーパーなどで封をするか、蓋に少し隙間を空けておきます。
直射日光の当たらない場所で保管し、毎日1~2回瓶を揺するか清潔なスパチュラや木べらなどで混ぜます。
時々「常在菌を入れるために手で混ぜる」という情報を目にしますが、どんなにきれいに洗ったつもりでも、人間の手には食中毒の原因となる菌や雑菌が大量に存在しています。安全性を考えると、手で混ぜるのは避けるべきでしょう。手の常在菌などいなくても、パイナップルだけで十分発酵可能です。
1週間~10日程度すると全体に泡が出てきますので、ザルなどで液体だけを漉して、煮沸消毒した保存用の瓶に移し替えます。完成後も発酵は進んでいますので、密封はしない方が良いでしょう冷蔵庫で保管し、1ヶ月程度で飲みきるようにしましょう。
残った果実は食べられますので、ヨーグルトに入れたりお菓子作りに活用できます。
缶詰や市販のパイナップルジュースでも効果はあるの?
毎日毎食パイナップルをカットしたり、ジュースを手作りするより、缶詰のパイナップルや市販のパイナップルジュースの方が手軽なので、同じ効果が得られるのならそちらを選びたいという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、そういった市販品でも同じ効果が得られるかと言えばそうではありません。
まず、ブロメラインは熱に弱いという性質があり、加熱して60度以上になるとそのはたらきが失われてしまいます。缶詰やジュースは製造過程で加熱処理されているので、生のパイナップルほどのはたらきは期待できません。添加物も大量に含まれていますので、市販品はおすすめできません。せめてスーパーで売られているカットパインを利用するようにしましょう。
ジュースよりもパイナップルをそのまま食べる方が良いという方は、購入したパインをカットして冷凍保存しておくと、食べる前のカットの手間が省けます。
酵素は冷凍しても失われてしまうことはなく、解凍することでまたはたらき出しますが、電子レンジで加熱解凍してしまうと意味がありませんので、前日のうちに翌日食べる分だけ冷蔵庫に移すなどして自然解凍するようにしましょう。
なお、冷凍庫での保存期間は、1ヶ月が目安です。
パイナップルの酵素を摂り入れる際の注意点
美容と健康に様々な恩恵をもたらしてくれるパイナップルの酵素ですが、南国の果物なので食べ過ぎると身体を冷やしてしまいます。代謝が上がるからといって油断せず、食べ過ぎないように注意しましょう。
また、パイナップルを食べて舌がピリピリするだけでなく、口周りが痒くなってしまったり湿疹が出てしまう場合は、パイナップルアレルギーの可能性があります。すぐにパイナップルを取り入れるのは中止して、専門の医療機関を受診してください。
正しい取り入れ方で、パイナップルの酵素のパワーをしっかり活用できるようにしましょうね。