手荒れ予防に!シアバターを使ったハンドクリームの作り方

洗い物やお掃除などで、何かと酷使しがちな手は、季節を問わず荒れやすい場所です。ハンドクリームも色々な種類がありますが、使いやすくても効果がなかったり、効果があってもべたついて使いづらかったりと、なかなか自分に合うものが見つからないといったことも多くあります。

そんな人におすすめしたいのが、天然のシアバターです。ハンドクリームとして使えるだけでなく、リップクリーム代わりに、また乾燥肌のケアなど全身に使うことができます。そこで今回は、シアバターの効果や、シアバターを使ったハンドクリームの作り方などについて詳しくご紹介します。

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シアバターとは?

シアバターとは、シアバターの木の種子から取れる植物性の油脂のことです。ナイジェリアやガーナ、ブルキナファソ、マリといったアフリカ諸国で生産されていて、元々はアフリカ国内でのみ使われていました。後に外国の有名コスメメーカーによってその効能が広く知られるようになり、世界中で使われるようになっています。

常温では固形ですが、体温で溶けるため、油脂ではありますがバターと呼ばれます。アフリカ諸国では薬として長く使われてきており、かゆみ止めや日焼け止め、また火傷やすり傷などの治療薬など万能薬として知られています。

シアバターには未精製のものと精製されたものとがあり、日本で流通しているのはほぼ精製された白いシアバターです。またガーナでは生まれてすぐの赤ちゃんの体にシアバターを塗ることで、紫外線や乾燥などの刺激からから赤ちゃんの肌を守る習慣があります。

熟したシアの実は自然に落ちるため、実が熟す4月から8月にかけて、女性たちが実を集めて手作業でシアバターを作ります。実の部分は食用として利用し、種子から仁を取り出して砕き、すりつぶした後練っていくという重労働です。それでも手で感触を確かめながら作業ができるため、手作業でシアバターの製造は行われています。

手荒れ予防に!シアバターを使ったハンドクリームの作り方

シアバターの効果は?

シアバターの成分の大部分を占めるのが、ステアリン酸とオレイン酸です。ステアリン酸は動物性植物性の脂肪に含まれる飽和脂肪酸で、石けんや化粧品に用いられています。抗菌効果があり、肌を清潔に保つ他、水と油を乳化させて肌を保湿します。オレイン酸はオリーブオイルに多く含まれていることで知られていますが、抗酸化作用の強い不飽和性脂肪酸です。ステアリン酸にも抗酸化作用があり、肌を健やかに保ちます。

さらに肌に浸透しやすい成分であると共に、蒸発しにくい不乾性油でもあるので、肌や髪の毛などを乾燥から保護してくれます。その他の成分として、肌の柔軟性を高めてくれるトリテンペンアルコールや、肌荒れを防止してくれる天然ビタミンのトコフェロール、皮膚や粘膜の再生に働く成分であるカロチノイドなども少量ですが含まれています。

シアバターは肌を保湿してくれるだけでなく、外部の刺激からも守ってくれるバリア機能もあります。そのため、アトピーやニキビなどの炎症に対してもその炎症を抑え、肌の回復を手助けしてくれます。ただしシアバターは未精製のほうがより効果が高いのですが、アレルギーを持っていると未精製のシアバターに含まれる不純物をアレルゲンと認識してしまい、アレルギー反応する可能性があります。精製された物でも、念のためパッチテストをしてから使うようにするといいでしょう。

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シアバターの使い方は?

シアバターは全身に使うことができます。

フェイスエアに使う

洗顔して化粧水で肌を整えた後に、指先に少量のシアバターを取り、顔全体に伸ばします。油分が主成分なので、寝る前につけて保湿ケアとして使うといいでしょう。

唇のケアに使う

指先に少量のシアバターを取り、唇にマッサージをしながら塗ります。乾燥がひどい時には、シアバターを塗った後、ラップで覆いパックをすることでケアができます。

クレンジング代わりに使う

シアバターを少量手のひらに出して、手のひらで温めて溶かします。溶かしたシアバターを顔全体に伸ばし、指先でマッサージをしましょう。力を入れすぎないようになでながら伸ばし、メイクが浮いてきたらお湯でシアバターを溶かすようにして洗い流します。

ボディケアに使う

お風呂上がりに水分をとり、手のひらで温めて溶かしたシアバターを体に伸ばします。少量でも十分伸びますので、手のひらに500円玉ぐらいの量で十分です。

ヘアケアに使う

シャンプーの前に髪の毛になじませると、髪の毛につやが出ます。乾いた状態でシアバターを髪の毛になじませ、15分ぐらい置いてから洗い流し、いつも通りにシャンプーをしましょう。

シアバターはハンドケアやネイルケアの他、かかとや膝の乾燥など、体のあらゆる部分に使えます。肌になじみやすいので、べとつかず使いやすい点もうれしいですね。特に乾燥であかぎれなどができてしまった場合でも、炎症を抑えてくれる効果があるので、安心して使えます。

手荒れ予防に!シアバターを使ったハンドクリームの作り方

ハンドクリームの作り方

シアバターをそのまま使ってもいいのですが、手作りのハンドクリームを作れば、自分の好きな香りをつけたり、好みの柔らかさにすることもできます。気分を変えたい時に香りを変えることも可能なので、ぜひチャレンジしてみましょう。

材料

シアバター

精製されたシアバターを購入しましょう。手作りコスメ用のシアバターなら安心です。

オイル

精油を薄めるために、キャリアオイルと呼ばれる植物性のオイルを使います。精油を販売しているショップで一緒に販売されています。オリーブオイルやアボカドオイルなどがありますが、刺激の少ないホホバオイルがおすすめです。

ミツロウ

ミツバチが作る天然のロウです。食用にされるほど安全性が高く、化粧品にも多く使われています。

精油

植物から抽出される芳香物質で、果物の皮や花や葉などを絞ったり加熱したりして作られます。多くの種類があるので、香りで選んでもいいですし、効能で選んでもいいでしょう。精製に手間や多くの材料を必要とするものほど、価格が高くなります。

リラックス効果のあるラベンダーや、保湿効果のあるカモミール、アンチエイジング効果のあるローズなどが人気です。

分量

携帯もできる10gのハンドクリームを作る場合、シアバター7gにオイル2ml、ミツロウ1g、精油が2滴でできます。たくさん作りすぎないほうがいいでしょう。

作り方

1.耐熱性のビーカーや容器を用意し、材料を入れます。
2.小さな鍋に水を入れて、容器を湯煎にかけます。
3.水が沸騰したら火を止め、精油以外の材料をゆっくり混ぜ合わせます。ガラス棒があると便利です。
4.全部溶けたら容器を取り出し、精油を入れて混ぜ合わせます。
5.冷めると固まり出すので、使う容器に入れ替えましょう。

手荒れ予防に!シアバターを使ったハンドクリームの作り方

おすすめのシアバター

精製されたシアバターは色々なメーカーから販売されていますので、その中でもおすすめのものをご紹介します。

シアバター ココロピュア

オーガニック認証のエコサートを取得しているシアバターで天然100%のバターです。熱を加えずに加工しているため、シアバター本来の成分がそのまま入っている点で安心して使えるシアバターです。

ハンドクリーム ママバター

チューブ入りのパッケージのシアバターです。天然成分100%で無添加、シンプルな処方で赤ちゃんも使用できるなど使いやすさで人気があります。またブランドコスメに比べて、比較的安い価格で購入できる点もポイントが高いといえます。フェイス&ボディークリームやローションなどラインナップも豊富です。

オーガニックシアバター Dr.Itsuko

化学溶剤を使わず精製され、シアバターの独特の香りが少ないので使いやすいバターです。シアバター自体もオーガニック栽培で作られた原料から作られているので、安心して使うことができます。

シアバターは直接肌につけるので、安全性に配慮したものを選ぶようにしたいですね。