加齢によって、肌が衰えていくことは仕方ないと諦めていませんか?しかし肌の老化は加齢だけが原因ではありません。毎日の生活習慣や肌のお手入れを見直すことで、肌の老化を遅らせることはできます。そこで、肌老化を進行させてしまう原因とともに、肌老化を予防する方法について詳しくご紹介しましょう。
そもそも「肌老化」って何?
肌老化とは、加齢によって増える肌トラブルをいいます。若い頃にはなかったしわやシミ、たるみや肌のくすみなど、年齢を重ねることによって衰える肌は、実年齢よりも老けて見えるだけでなく、化粧がうまくのらない、吹き出物がなかなか治らないといったトラブルも引き起こします。
肌老化を起こす原因を取り除き、適切なケアをすることで、肌老化を遅らせることは十分に可能ですが、若くても手入れが不十分だと肌老化を加速させることにもなりかねません。
肌老化の原因
肌老化は単に加齢だけではなく、様々な原因が絡み合って起こります。その原因についてみていきましょう。
1.光老化によるもの
光老化とは、肌に当たる紫外線によってしわ・シミ・たるみといった現象が起きることです。紫外線は波長によってUV-AとUV-B、UV-Cに分類されます。UV-Cは最も危険な紫外線ですが、オゾン層に守られていることから、現時点では心配ありません。ただし今後、オゾン層の破壊によってなんらかの影響が出ることは考えておきましょう。
肌老化に関わる紫外線は、UV-Aが最も強く、肌の真皮まで届くためしわやたるみの原因となります。UV-BはUV-Aより有毒性があり、肌の真皮までは届きませんが、表皮に炎症を起こしシミの原因となるほか、皮膚がんや免疫を低下させるなど肌に影響があります。
2.肌の酸化によるもの
体内に取り込まれた酸素がエネルギーとして消費されずに余ってしまうと、活性酸素となり、これが脂質と結びつくと細胞を酸化させてしまいます。細胞が酸化すると、肌の弾力が落ち、シミやしわを引き起こすだけでなく、酸化した細胞がサビとなって正常な細胞が傷つく原因となります。
3.肌の乾燥によるもの
角質層は肌に含まれる水分が蒸発しないよう守っていて、角質層には肌を保湿する物質が3つ含まれています。それが皮脂と天然の保湿因子、そして角質細胞間脂質のセラミドで、この3つがバランスを保って水分を保持し、肌の潤いを守ってくれています。
しかしこれらの保湿因子は20歳を越えると徐々に減少していきます。また肌外部からの刺激により、皮脂やセラミドが流れ出すことでも乾燥しやすい肌になってしまうのです。肌が乾燥すると、コラーゲンやコラーゲン同士を結びつける働きをする、エラスチンといった真皮の成分によって行われている新陳代謝の活動が鈍くなります。そのため、肌にしわやたるみができるようになります。
4.肌の菲薄化によるもの
加齢によって減少していくコラーゲンやエラスチンが原因で、肌の表皮が薄くなることを菲薄化といいます。加齢とともに減少する女性ホルモンはこの菲薄化に深く関わっています。
女性ホルモンは真皮に含まれているコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生産する働きを促進させるために必要なホルモンですが、加齢によって減少すると肌のハリや弾力が失われ、新陳代謝も悪くなります。
5.体内の糖化によるもの
体内にあるたんぱく質が過剰摂取した糖と結びつくことを糖化といいます。糖化したたんぱく質は排出されず体内に溜まり、くすみを引き起こします。さらに蓄積した糖化たんぱく質は、コラーゲンを固め、ハリをなくし、たるみを引き起こしてしまいます。
肌老化の予防法
肌老化を引き起こすのは、紫外線、肌の酸化と糖化が大きな原因です。肌老化を予防するためには、これらの原因に対抗することが必要となります。
紫外線対策
一年を通し増減はあるものの、紫外線の影響は肌に常に刺激となります。以下のような紫外線対策を常にとることが必要です。
紫外線への対抗策
・短時間の外出でも日焼け止めを塗る
・日焼け止めは常に塗り直す
・日焼けしてしまった時には、炎症を抑えるために冷やす
・屋外に出る時には、帽子や手袋、サングラスなどをする
・室内にいても窓ガラス越しに紫外線を浴びるため、遮光カーテンなどをつける
肌の酸化を防ぐ
肌の酸化は、紫外線のほか、ストレスや飲酒によっても起こります。呼吸をして酸素を取り込むことでも酸化は起きますが、抗酸化力のある食品を積極的に摂ることで、酸化を予防することが可能です。
抗酸化力のある食品
・ビタミンAを含むニンジンやピーマン、小松菜などの緑黄色野菜、キャベツなど
・ビタミンCを含むレモンやイチゴ、パセリやゴーヤなど
・ビタミンEを多く含むアーモンドやかぼちゃ、イワシなど
・亜鉛を多く含む牛肉や豚肉、納豆など
・セレンを含むアジ、しらす干し、タラコなど
肌の糖化を防ぐ
糖化が起きる原因となる糖を摂取しないことは、体の栄養バランスを崩します。糖化は糖が原因ではなく、糖化したたんぱく質ができることが原因です。そのため、糖と結びつき劣化したたんぱく質が発生しない体を作ることが必要となります。
血糖値が高いことがその大きな原因となるため、食生活を見直し、血糖値の上昇を抑えるようにしましょう。
糖化を防ぐために
・血糖値の上昇をゆるやかにするため、食事は食物繊維を多く含む食べ物、たんぱく質、炭水化物の順に食べる
・血糖値が上がりやすい白米やパンの代わりに、雑穀や玄米、そばなどを食べるようにする
・お菓子や加工品など、糖化した食品の摂取を控える
・糖の代謝を促進する海藻類、キノコ類を積極的に食べるようにする
・適度な運動で体の糖を消費する
肌老化を遅らせるために行いたい生活習慣
肌老化は加齢によって進みますが、その進行を遅らせることは可能です。アンチエイジングの化粧品を取り入れ、肌の手入れを行うことももちろん有効ですが、肌によい生活を送ることも大切です。
肌によい栄養素を取り入れる
肌によく積極的に取り入れたいのは、良質なたんぱく質と脂肪、そして新鮮な野菜や果物です。特に野菜や果物には抗酸化物質が多く含まれますので、生の野菜は積極的に摂るようにしましょう。野菜に含まれる食物繊維は、消化を促進し、便秘などを解消するため、肌によい影響をもたらします。
良質な睡眠をしっかり取る
睡眠不足は肌にストレスとなるだけでなく、新陳代謝を低下させ、ターンオーバーが正常に行われない原因となります。リラックスして眠りにつけるよう、テレビやスマホなどの刺激は避け、軽い運動をするなどして質のよい睡眠を取るようにしましょう。
たばこ、アルコールなどの刺激物を控える
たばこやアルコールは、肌にストレスを与え酸化を招きます。またたばこは肌の再生に関わるビタミンCを破壊してしまいます。アルコールは肝臓や腎臓に負担となり、糖化を招くことにもつながります。摂取を控えるか、肌のために禁煙や禁酒も考えましょう。
シミやしわ、肌のたるみは実年齢よりも肌を老けさせて見せる大きな原因です。日頃の生活習慣や食習慣を見直し、対抗策をとることで肌老化を遅らせることは可能ですので、肌に優しい生活を積極的に心がけるようにしましょう。